数学への招待 三角形から始まる整数論への超入門 ~ フェルマーからオイラー、ガウス、アイゼンシュタインへ ~
- 小林吹代 著
- 定価
- 2,420円(本体2,200円+税10%)
- 発売日
- 2025.11.20
- 判型
- 四六
- 頁数
- 208ページ
- ISBN
- 978-4-297-15239-0
サポート情報
概要
紀元前1800年頃の古代バビロニア「粘土板プリンプトン322」に15個のピタゴラス数が記されています。その15個は、ほぼ「直角二等辺三角形」の 1192+1202=1692 から始まり、「底辺と高さの比の値」がどんどん大きくなるように並べられています。古代バビロニアでは、ピタゴラスの定理だけでなく、ピタゴラス数の公式も知られていたと考えられます。その後、フェルマーは「3、4、5」や「5、12、13」の斜辺5や13に着目し、「4で割ると1余る」素数pは p=a2+b2 と表されることを発見しました(フェルマーの2平方定理)。
それについて証明を与えていったのがオイラーです。そして、オイラーの方法に満足しなかったのがルジャンドルやガウスです。本書では、この辺の一連の考え方や流れをわかりやすく解説していきます。
古代バビロニア「粘土板プリンプトン322」にまで遡りその後の歴史を詳しく読み解くことに挑戦した本書を、ぜひご堪能ください。
こんな方にオススメ
- 数学の歴史や整数論に興味のある方々
- フェルマーやガウスといった大数学者のファン
目次
- はじめに
第1章 古代バビロニアのプリンプトン322
- Column① 三角比の公式
第2章 フェルマーの「直角三角形の定理」
- Column② p=a2+(a+1)2
- Column③ 複素数を用いて
第3章 素数の諸定理と “素数の形”
- Column④ 平方剰余の相互法則
第4章 連分数と「ガロアの初論文」
- Column⑤ ペル方程式
第5章 ガウス整数とアイゼンシュタイン整数
- Column⑥ 理想数からイデアルへ
- 索引
- 参考文献
- 著者プロフィール
プロフィール
小林吹代
1954年 福井県生まれ
1979年 名古屋大学大学院理学研究科博士課程(前期課程)修了
2014年 介護のため早期退職し、現在に至る
著書に
・『ピタゴラス数を生み出す行列のはなし』〈ベレ出版〉
・『ガロア理論「超」入門 ~方程式と図形の関係から考える~』
・『マルコフ方程式 ~方程式から読み解く美しい数学~』
・『ガロアの数学「体」入門 ~魔円陣とオイラー方陣を例に~』
・『正多面体は本当に5種類か ~やわらかい幾何はすべてここからはじまる~』
・『オイラーから始まる素数の不思議な見つけ方 ~分割数や3角数・4角数などから考える~』
・『ゼータへの最初の一歩 ベルヌーイ数 ~「べき乗和」と素数で割った「余り」の驚くべき関係~』
・『和算からベルヌーイ数へと続く数の世界 ~ベル数・スターリング数でも和算家はスゴかった~』〈以上、技術評論社〉
・『分数からはじめる素数と暗号理論 ~ RSA暗号への誘い~』〈現代数学社〉
などがある。
【URL】http://fukiyo.g1.xrea.com 「12さんすう34 数学 5 Go !」