概要
2026年,あなたとSNSの関係が変わる!!
最高の1冊!
報道の現場に立つ者として,そして「公共圏」を信じたい一人の市民として,私はこの本を読んで背筋が凍った。
この一冊は,私たちがこれから向き合わざるを得ない「メディアと社会の未来」を理解するための,極めて重要なガイドとなるだろう。
スマートフォンを手にした瞬間から,私たちの日常はSNSに囲まれています。タイムラインには怒りや断罪の声があふれ,気づけば心も時間も吸い込まれていく。本来「つながりの場」であったはずのSNSは,いつしか「依存」「監視」「操作」の装置へと変わってしまいました。今や私たちは,SNSを“使っている”つもりで,実はSNSに“使われている”のです。
本書は,単なるSNS批判ではありません。初期のmixiやFacebookにあった黎明期の希望,Twitter(X)が“公共空間”として果たした役割,YouTubeやInstagramが広めた承認と比較の文化,そしてTikTokに象徴される「注意の奪い合い」まで──SNSの光と影を立体的に描き出します。
その背景にあるのは,クラウド上に集まる膨大な個人データと,それを解析するアルゴリズムです。SNSのアルゴリズムは私たちの行動や感情を学習し,次に何を見せ,どう反応させるかをコントロールしていきます。便利さの裏で,私たちは「選んでいるようで選ばされている」状態に近づいているのです。
本書は,現在進行形の危機にも目を向けます。米上院でのテック企業CEOへの追及や,子どもの依存や自死をめぐる問題,日本で施行された「情報流通プラットフォーム対処法」など,SNSが社会制度や民主主義に突きつける現実を記録。「なぜ有害な情報を止められないのか」「なぜ言論の自由が制約されるのか」という,相矛盾する,かつ根源的な問いを投げかけます。
SNSはもはや「無料の便利な道具」ではなく,感情や行動,資本を吸い上げる巨大な経済装置へと進化しました。監視資本主義,感情資本主義,アルゴリズムの最適化──こうした構造にのみ込まれるなかで,私たちはどうすれば生き延びることができるのか。答えの1つは,プラットフォームに依存しない「共同体」や「コミュニティ」にあります。人と人とのつながりを見直すこと,それがテック・ファシズムの時代を生き抜く術なのです。テック・ファシズムの支配に,どう立ち向かうのか? そのヒントが,この1冊に詰まっています。
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