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2017年8月3日 Red Hat,RHEL 7.4リリースで"脱Btrfs"を明らかに

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「ファイルシステムのBtrfsは,Red Hat Enterprise Linux 6の最初のリリース以来,そのステータスは(RHELにおいて)ずっとテクノロジプレビューでした。Red Hatは今後もBtrfsをフルサポートすることはなく,将来のメジャーバージョンリリース(RHEL 8以降)においては(Btrfsを)削除することになるでしょう」

Red Hatは8月1日(米国時間)⁠⁠Red Hat Enterprise Linux 7.4」をリリースしたが,上に挙げた記述はそのRHEL 7.4のリリースノート第53章「Deprecated Fanctionality(サポート中止予定の機能)⁠「Btrfs has been deprecated」として含まれているものである。リリースノートでは続けて,RHEL 7では引き続きBtrfsをサポートするが,大きなアップデートを反映するのは今回の7.4までとしており,RHEL 8以降は完全にBtrfsディプリケートする方針を示している。

Chapter 53. Deprecated Functionality

Red HatがBtrfsから手を引く姿勢を見せたのは実は今回がはじめてではない。2016年5月にリリースした「Red Hat Enterprise Linux 6.8」において,Red HatはBtrfsの開発をディスコンにすると表明,今回と同様に「もともとBtrfsはテクノロジプレビューであり,それを中止するだけ」としていたが,開発者からの反発が強かったせいか「BtrfsをディプリケートするのはRHEL 6系だけで,RHEL 7以降はサポートを継続する」と態度を変更していた。だが,今回のRHEL 7.4リリースにともない,ふたたびBtrfsから離れる意向を明らかにしたようだ。

BtrfsはもともとOracleによって開発されたファイルシステムで,旧Sun MicrosystemsがSolaris用に開発したZFSに影響を受けており,コピーオンライト(COW: Copy on Write)やスナップショットを備えている点が特徴。ストレージシステムの耐障害性を高めることにフォーカスして開発が続けられおり,多くのディストリビューションで採用されている。メジャーなディストロでは,SUSE Linux Enterprise Server 12がデフォルトとしてBtrfsを採用している。なお,Btrfsを最初に作ったChris Masonは現在FacebookにてBtrfsの実装に関わっている

ではRed HatはBtrfsのかわりにストレージ管理にどんなアーキテクチャを採用しようとしているのだろうか。その可能性を示すひとつの動きとしてProject Stratisがある。Red HatのプリンシパルソフトウェアエンジニアであるAndy Groverが中心となって進めているプロジェクトで,BtrfsやZFSのようなVMF(Volume Managing Filesystem)がもつ"ストレージのプール化"という良さはそのまま保ちながら,⁠シンプルで一貫性のあるコマンドラインインタフェース(CLI)⁠「プログラマティックなAPI」でもって,RHELユーザに対しシンプルで効率的なストレージ管理を提供することを目指すとしている。

Stratis Software Design : Version 0.8.2(PDFファイル)

GroverはStratisのホワイトペーパーにおいて「BtrfsはZFSのようなライセンス上の問題はない。だが何年も開発に取り組んできたものの,Btrfsにはいくつかの技術的課題が残っており,それらは決して解決することがないだろう」と述べており,短くない期間の試行錯誤の結果,RHELがBtrfsとは"合わない"と判断したことをうかがわせる。Btrfsのオルタナティブとして始まったStratis,まずはバージョン1.0のリリースが最初の試金石となりそうだ。

著者プロフィール

階戸アキラ(かいとあきら)

起きてからまず海外ニュースサイトのハシゴをしないと1日を始められない海外ニュースウォッチャー。英語は英検準一級の資格を持ち,日本人と話すより英語圏の人のほうがウマが合う。

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