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2019年4月23日 さようなら,Scientific Linux ―フェルミ研,開発の終了を発表

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Red Hat Enterprise Linux(RHEL)のフリーバージョンとして,CentOSとともにかつて活発に開発が進められていたディストリビューションにScientific Linuxがある。開発の中心的存在となっていたのは欧州最大の原子核研究機関のCERN(Conseil Europeen pour la Recherche Nucleaire:欧州素粒子物理学研究所)と米国のフェルミ国立加速器研究所で,RHEL 6をベースとするScientific Linux 6.1あたりまでは,ときにCentOSを凌駕するスピードで開発が進んでいたこともある。

だがそれ以降は,チーフアーキテクトのRed Hatへの移籍などがあり,急速に開発ペースがダウン,さらに2014年にCentOSがRed Hatのスポンサードプロジェクトとなってからは,Scientific Linuxの開発に参加してきたチームが次々と離れていく事態となっていた。2015年にはそれまでScientific Linuxをコアで支えてきたCERNもプラットフォームをCentOSへと移行している。

そうした中でもフェルミ研だけは地道に開発を続けてきたのだが,ついに終わりのときが近づいてきたようだ。フェルミ研でScientific Computing Divisionのヘッドを務めるJames Amundsonは4月22日(米国時間⁠⁠,Scientific LinuxはRHEL 8をベースとするバージョン(Scientific Linux 8)の開発は行わず,今後はフェルミ研のプラットフォームをCentOS 8に移行することを発表した。理由はフェルミ研が現在注力するニュートリノプロジェクト「DUNE」やその他のプロジェクトに実験リソースを割くことを優先するためだとしている。

Scientific Linux and EL8 -SCIENTIFIC-LINUX-ANNOUNCE Archives

この決定により,Scientific Linuxは2018年12月にリリースされた「Scientific Linux 7.6」をもって最終バージョンとなる。なお,Scientific Linux 6および7に関しては当面,サポートを継続する予定だという。

Amundsonのメールは「これまでScientific Linuxに貢献してきてくれたすべての人に,そしてこれからもそれを(サポート業務として)継続してくれる人々に感謝したい(Thank you to all who have contributed to Scientific Linux and who continue to do so.⁠⁠」と結ばれている。Goodbye Scientific Linux!

著者プロフィール

階戸アキラ(かいとあきら)

起きてからまず海外ニュースサイトのハシゴをしないと1日を始められない海外ニュースウォッチャー。英語は英検準一級の資格を持ち,日本人と話すより英語圏の人のほうがウマが合う。