Ubuntu Weekly Topics

2012年3月16日号 『トロフィー』機能・新しいUI・OSC2012/Tokyo Spring・10.10のEOL・FCM/Virtualization Special・UWN#256

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12.04の開発

12.04の開発はLTSらしく,比較的落ち着いたバーンダウンチャートを示しています注1)⁠Postponed(延期)になるアイテムが多いのも特徴的ではありますが,早いうちに見切りをつけ,完成度に注力する,というLTSの方向性と合致したものなので,悪い兆しを意味するものではありません。完全には着地しないのがUbuntuの開発のお約束なので,リリースまであと一ヶ月半の時点としてはほぼオンスケジュールの状態です。

ほぼ機能的にはフリーズ済なので,ベータ版の挙動としても落ち着いた状態ですが,Unity 5.6が正式にリリースされたりCompizのキーバインドが元に戻ったり,Mark Shuttleworthが少し微妙な主張をしたりGwibberは標準アプリとして含めない方が良いという議論が始まったりと,この時期の開発特有の活気と混沌が増えつつあります。

注1
バーンダウンチャートの生成方法はWorkItemsHowtoを参照してください。

『トロフィー』機能の開発

12.04世代の目玉のひとつ,Accomplishments(⁠たしなみ」という意味ですが,ゲームでよくあるトロフィーの一種)かなり完成しています注2)⁠次の動画も参考にしてください。

注2
インストール手順を見ると分かりますが,Quickly製のアプリケーションでもあります。Ubuntu上で動作するGUIアプリケーションを作りたい場合,ソースコードを覗いてみると良さそうです。

Ubuntu OneのUI変更

Ubuntu OneのGUIが新しくなっています(UI Freezeの結果,見た目が固まっただけとも言います)⁠内部的にはpyqtで構成されたGUIです。現状ではまだ大量の問題がある(例:ログインボタンが押せない)ものの,リリースまでには中身も伴うはずです。

Ubuntu Oneの新しいGUI(ubuntuone-control-panel-qt)

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Privacy Control

12.04世代のプライバシー管理機能も,見た目はほぼ完成状態になりました(UI Freezeの結果,以下略)⁠これにより,UnityのFile Lensをはじめとした「最近使ったファイル」の履歴を記録する範囲を制限したり,不要なファイルを削除したり,といったことが簡単に行えるようになります。Unity 5.x系とも相まって,これでやっと「Unityによるデスクトップ」がひと通りの完成を見ることになります。

なお,11.10では履歴の削除のためにこのような面倒な手順を踏む必要があります。

[システム設定]⁠⁠Privacy]からアクセスできるPrivacy Control

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Ubuntu Cloud Guest images

AWS(Amazon Web Services)上で利用できるUbuntuイメージの一覧が,AWS Quickstart wizardに表示されるようになっています。これらを利用することで,非常に簡単にEC2上の仮想マシンを利用することができるでしょう。

ただし,root deviceが「instance store」となっているものは再起動するとデータが失われるタイプの仮想マシンなので,扱いに注意してください。再起動でデータが初期化されるのが困る場合,EBS rootのデバイスを選ぶべきです。

オープンソースカンファレンス2012 Tokyo/Spring

Ubuntu Japanese Teamは,3月16日(金)・17日(土)に開催されるオープンソースカンファレンス2012 Tokyo/Springに参加します。当日はブースでのUbuntuのCD配布とよろず相談・そして17日(土)には仰向けでお馴染みのリーダーによる『俺のUbuntu生活』と題したセミナーを予定しています。

……繰り返しておくと,⁠仰向けでお馴染みのリーダーによる」Ubuntu生活,です。お時間があれば足を運んでいただければ幸甚です。

イベント概要

名称オープンソースカンファレンス2012 Tokyo/Spring
日時3月16日(金)-17日(土) 10:00-18:00 (2日目は17:30まで)
入場無料
会場明星大学 日野キャンパス 26号館
主催オープンソースカンファレンス実行委員会
協賛明星大学・明星大学

情報学部

内容オープンソース関連の最新情報提供 (展示・セミナー)
twitter
ハッシュタグ
#osc12tk

今回のイベントブース。ぜひお立ち寄りください

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最新刊のUbuntu Magazine Japan vol.07を閲覧できたり,11.10のインストールCDも配布しています

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Ubuntu 10.10のEOL

Ubuntu 10.10がサポート期限を迎えようとしています。10.10のサポート期限は,2012年4月10日です。現在10.10を使っている方は,早々に11.04にアップグレードしてください注3)⁠

注3
Ubuntuの「通常のリリース」は,公開されてから1年半の間,セキュリティアップデートやバグフィックが行われます。期限が切れると,アップデートは提供されなくなり,archive.ubuntu.comのような通常のアーカイブサーバーからもパッケージが削除されます。

Full Circle Magazine: Virtualization series special

Ubuntuをテーマにした月刊Webマガジン,Full Circle Magazineの別冊として,Virtualization seriers specialがリリースされています。その名の通り,これまでFull Circle Magazineが取り上げてきた各種仮想化の記事を詰め込んだ特別版です。

UWN#256

Ubuntu Weekly Newsletter #256がリリースされています。

その他のニュース

今週のセキュリティアップデート

usn-1395-1:PyPAMのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2012-March/001625.html
  • Ubuntu 11.10・11.04・10.10・10.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2012-1502を修正します。
  • PyPAMにNULLバイトの含まれたパスワード文字列を処理させると,クラッシュが生じることが確認されました。DoSないし任意のコード実行として利用できる可能性があります。
  • 対処方法:アップデータを適用の上,PyPAMを利用するソフトウェアを再起動してください。
usn-1396-1:GNU C Libraryのセキュリティアップデート
usn-1397-1:MySQLのセキュリティアップデート
usn-1398-1:LTSP Display Managerのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2012-March/001628.html
  • Ubuntu 11.10・11.04用のアップデータがリリースされています。CVE-2012-1166を修正します。
  • LTSP Display Manager上で特定のキー操作を行うと,root権限でのコマンド実行モードに遷移することが可能でした。
  • 対処方法:アップデータを適用の上,LTSP Display Managerを再起動してください。
usn-1399-1:gdm-guest-sessionのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2012-March/001629.html
  • Ubuntu 11.04・10.10・10.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2012-0943を修正します。
  • ゲストセッション後,ゲストセッションで利用していたファイルを適切に削除できていませんでした。
  • 対処方法:通常の場合,アップデータを適用することで問題を解決できます。
usn-1399-2:Light Display Managerのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2012-March/001630.html
  • Ubuntu 11.10用のアップデータがリリースされています。CVE-2012-0943を修正します。
  • ゲストセッション後,ゲストセッションで利用していたファイルを適切に削除できていませんでした。
  • 対処方法:通常の場合,アップデータを適用することで問題を解決できます。

著者プロフィール

吉田史(よしだふみひと)

Ubuntu Japanese Team Member株式会社創夢所属。システム管理を中心にWindows/PC Unixを併用している。Ubuntu Japanese Teamではパッケージサーバの管理や翻訳などの作業を担当。

コメント

  • 「たしなみ」にした理由

    筆者です。ご指摘ありがとうございます。

    このご指摘なのですが、ここではあえて「たしなみ」と訳出しています。

    日本語の「成し遂げた」はどちらかというとachieveのニュアンスが強く、accomplishmentsを選択した原語のニュアンスが通らないと考えたためです。「Want to play with Ubuntu Accomplishments?」なぞという表現もありますし、achievementの意図が含まれない訳語を選択する必要があると考えました。

    ここで他の表現であれば「獲得」が該当するでしょうが、どうも努力っぽいニュアンスが含まれすぎます。原語を無視して「トロフィー」の方がいろいろと妥当そうではあるのですが、制度設計的には「コミュニティの一員としてはこのあたりはやってよ」という意図も相応にあり、反則ではありますが「達成すること」という意味合いをあえて飛ばしています:)

    ということで、(こうした指摘を想定した上で)「たしなみ」にしました。ひらがなに開いているのは、「嗜み」ではなく和語の古い意味だ、という意図です。この語であれば「一定の芸事をある程度のレベルで修めている」という意味が強くなるので、語の意識として相応に妥当だと思うのですが、いかがでしょうか。

    Commented : #2  よしだ (2012/03/23, 01:10)

  • 重箱の隅をつつくようで恐縮ですが

    この文脈でのAccomplishmentsは「たしなみ」と
    いう意味ではなく、「成し遂げた事」という
    感じの意味です。(なので「トロフィー」のデザインです)

    Commented : #1  ej (2012/03/16, 23:00)

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