Ubuntu Weekly Topics

2014年4月4日号Ubuntu Oneのサービス終了とサーバーサイドソース公開・ECS LIVA・MinnowBoard MAX・UWN#361

Ubuntu Oneのサービス終了とサーバーサイドソース公開

4月2日、Ubuntu Oneのサービス終了がアナウンスされました。Ubuntu OneはDropboxに似たクラウドストレージサービスで、Ubuntuにはデフォルトでプリインストールされているだけでなく、Windows・iOS・Android用クライアントが提供されていました。事実上、⁠DropboxやMicrosoft OneDrive等の競合には勝てない」というビジネス上の判断をしたことになります。

サービス終了アナウンスを、ユーザーにとって重要そうな箇所(第三パラグラフから)を見ていきましょう。

  • Ubuntu 14.04 LTSにはUbuntu Oneクライアントは含まれない。既存のUbuntu Oneリリース(14.04以前のバージョンのUbuntuや、iOS/Android/Windows向けクライアント)へのアップデートは適切に提供される。
  • 現在のUbuntu Oneサービスは6月1日で終了となる。7月31日まで既存データの保持が行われ、以降はすべて削除されるため、ユーザーはUbuntu One上にあるデータをダウンロードしなくてはならない。
  • Ubuntu One上にあるファイルを簡単にダウンロードできるようにする準備を進めている。また、Ubuntu Oneそのもののサービスとしての品質やソースコード・ユーザー体験はいまだに競争力を有していると信じているため、これらを構成するソフトウェア(サーバーサイドコード)をオープンソースとして提供する予定である。
  • 現在有償サブスクリプションを有しているユーザーには、返金が行われる。返金の起算日はこのアナウンスを行った日(4月2日)を起算日とする。
  • これら以外の情報が必要であれば、個別に連絡を取ってほしい。なお、blog経由でUbuntu One上にあるファイルをダウンロードする方法・オープンソース版にアクセスする方法を公開していく予定となっている。

特に重要なのは、⁠7月31日までにダウンロードしないといけない」⁠Ubuntu One上のコンテンツをまとめてダウンロードする機能が提供される」⁠Ubuntu Oneのこれまで公開されてこなかったサーバー側がオープンソースとなる」という点です。これを用いることで、自宅で自分用クラウドストレージを運用することが可能になります[1]⁠。

ECS LIVAとMinnowBoard MAX

Ubuntuを動かすのに適した小型マシンが立て続けにアナウンスされました。ECSのLIVAと、minnowboard.orgのMinnowBoard MAXです。

どちらもIntelのBay Trailコアをベースにしたデバイスで、x64に対応しつつ、低消費電力を実現したデバイスです。ECS LIVAはCeleron N2800シリーズMinnowboard MAXはIntel Atom E38xxシリーズを採用しています。

ECS LIVAは、次のような構成の超小型デスクトップ環境です。

  • CPU: Celeron N2806(2コア、1.58GHz)
  • Memory: 2GB
  • Onboard Storage: 32GB eMMC
  • Ethernet + IEEE802.11a/b/g/n + Bluetooth 4.0
  • Other: HDMI, USB3.0x1, USB2.0x1

LIVAの一次情報は日本国内集中しており、⁠小型PCが何故か異常に売れる」日本市場を優先していることが伺われます。Ubuntuを導入することで、簡易デスクトップや自宅サーバーといった一般的な用途に利用できるでしょう。ECS LIVAは4月下旬にリリースされる予定です。

LIVAには「Ubuntu用ドライバが提供予定」という予告が行われているため、ほぼUbuntuが動くでしょう。ゴールデンウィークのおもちゃとして検討してみてはいかがでしょうか。

同じくMinnowBoard Maxは、次の構成のボードです。

  • CPU: Atom E3815/3825
  • Memory: 2GB
  • Onboard Storage: none
  • Ethernet(1GbE) + IEEE802.11a/b/g/n + Bluetooth 4.0
  • Other: microHDMI, GPIO, Serial debug, microSD slot, SATA, USB3.0x1, USB2.0x1

初期には2種類、$99と$129の2モデルで展開されます。$99モデルはAtom E3815(1コア/1.46GHz)と1GBメモリ、$129モデルはE3825(2コア、1.33GHz)と2GBメモリと、実用的でありながら非常に安価な構成となっています。ただし、利用可能なストレージは事実上存在しないので、SDカード等をストレージとして用いる必要があります。

LIVAと異なりGPIOが搭載されており、各種仕様が明確なため、Raspberry PiやBeagleboneのような電子工作なのかコンピューティングなのか境界のあいまいなデバイスのように使えるのがメリットです。簡易デスクトップや自宅サーバーのような一般的な用途には向かないものの、趣味のアイテムとしては非常に良質なものになるでしょう。MinnowBoard MAXの発売時期は初夏のあたりの予定のようです。デフォルト対応はDebianとYoctoですが、おそらくUbuntuも動作することでしょう。こちらは夏休みのおもちゃとしていかがでしょうか。

UWN#361

Ubuntu Weekly Newsletter #361がリリースされています。

その他のニュース

今週のセキュリティアップデート

usn-2156-1:Sambaのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2014-March/002451.html
  • Ubuntu 13.10・12.10・12.04 LTS・10.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2013-4496を修正します。
  • ドメインコントローラーとしてSambaを構成した場合、パスワードブルートフォースを抑制する機構が正しく機能しませんでした。
  • 対処方法:通常の場合、アップデータを適用することで問題を解決できます。
usn-2157-1:ClamAVのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2014-March/002452.html
  • Ubuntu 13.10・12.10・12.04 LTS用のアップデータがリリースされています。LP#1296856の修正です。
  • ClamAV 0.98への更新です。Upstreamの新リリースをそのまま利用しているため、既存のclamavパッケージから微細な変更を含め、ふるまいの差が存在します。
  • 対処方法:通常の場合、アップデータを適用することで問題を解決できます。
usn-2158-1:Linux kernel (Raring HWE)のセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2014-April/002453.html
  • Ubuntu 12.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2013-4345, CVE-2013-6382, CVE-2014-1690を修正します。
  • 対処方法:アップデータを適用の上、システムを再起動してください。
  • 備考:ABIの変更を伴いますので、カーネルモジュールを自分でコンパイルしている場合は再コンパイルが必要です。カーネルモジュール関連のパッケージ(標準ではlinux-restricted-modules, linux-backport-modules, linux-ubuntu-modulesなど)は依存性により自動的にアップデートされるため、通常はそのままアップデートの適用を行えば対応できます。
usn-2159-1:NSSのセキュリティアップデート
  • https://lists.ubuntu.com/archives/ubuntu-security-announce/2014-April/002454.html
  • Ubuntu 13.10・12.10・12.04 LTS・10.04 LTS用のアップデータがリリースされています。CVE-2014-1492を修正します。
  • 国際化ドメイン名を用いる際、ワイルドカード証明書のパターンマッチを誤って適用し、本来権限のない証明書を適正なものであると誤認することがありました。これにより、中間者攻撃が可能です。
  • 対処方法:アップデータを適用の上、NSSを利用するアプリケーションを再起動してください。

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