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第124回 タイル型ウィンドウマネージャを使ってみよう

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デフォルト状態のUbuntuでは,Gnomeというデスクトップ環境が動いているのは皆様ご存知の通りです。しかし,Ubuntuにはそれ以外にも多くのデスクトップ環境やウィンドウマネージャがパッケージとして用意されており,簡単にデスクトップを着替えることができたりします。

さて,6月といえば衣替えの季節。そこで今週は,Ubuntuのデスクトップも衣替えをしてみることにしましょう。

様々なデスクトップ環境

Gnome以外の環境として,まず最初に思いつくのがKDEとXFCEです。Kubuntu,Xubuntuといった派生バージョンは,これらのデスクトップ環境がGnomeに代わってデフォルトに採用されています。標準のUbuntuに,KubuntuやXubuntuのデスクトップをインストールすることもできます。それにはtaskselコマンドを使用するのがよいでしょう。端末からtaskselを実行すると,インストールできる「タスク」の一覧が表示されます。ここでインストールしたいタスク,つまりKubuntu DesktopやXubuntu Desktopにチェックを入れれば,必要なパッケージの一切合切を自動的にインストールしてくれるというわけです。kubuntu-desktopパッケージを手動でインストールするよりも,taskselに任せてしまうことをおすすめします。他にも軽量なデスクトップ環境であるLXDEなどもパッケージが用意されています。

そしてインストールしたウィンドウマネージャは,ログイン時にディスプレイマネージャから「セッション」として選択することができます。ユーザを選択したら,パスワードを入力する際に使いたいセッションを選択してからログインしてみましょう。

図1 taskselでデスクトップ環境をインストール`

図1 taskselでデスクトップ環境をインストール

図2 KDEのデスクトップ画面

図2 KDEのデスクトップ画面

図3 XFCEのデスクトップ画面

図3 XFCEのデスクトップ画面

図4 GDMのログイン画面からセッションを選択

図4 GDMのログイン画面からセッションを選択

タイル型ウィンドウマネージャとは?

さて,GnomeやKDE,XFCEなどのデスクトップ環境はそれぞれ違うものですが,「ウィンドウを重ね合わせて表示する」という点では共通しています。これらのウィンドウマネージャはスタック型やコンポジット型に分類されるもので,デスクトップ上にウィンドウが「浮かんで」おり,それぞれのウィンドウを「重ねて」配置するような挙動をとります。WindowsやMac OS Xと同じような,いわゆる一般的なウィンドウシステムの挙動をするウィンドウマネージャです注1)。

注1
厳密に言えばGnomeやKDEはウィンドウマネージャではなく,GnomeのウィンドウマネージャはMetacity,KDEのウィンドウマネージャはKWinです。またMac OS XやMetacity,KWinなどはスタック型ではなく,Compizと同じコンポジット型ウィンドウマネージャですが,ここでは分かりやすさを重視して説明しています。

このようなスタック型,コンポジット型ウィンドウマネージャの対極に「タイル型ウィンドウマネージャ」が存在します。タイル型のウィンドウマネージャの特徴は,デスクトップ全体を使ってウィンドウを「敷き詰める」ところにあります。開いているウィンドウが一つであればデスクトップ全体に最大化して表示し,ウィンドウが増減すると,デスクトップ全体にフィットするよう,すべてのウィンドウの大きさと位置を自動的に調整して再配置します。デスクトップ上で,これらのウィンドウが「重なる」ことはありません。

スタック型のウィンドウマネージャを使っていると,デスクトップ上に「無駄なエリア」ができてしまいます。例えばウィンドウを最大化していない限り,ウィンドウの外側の部分は無駄なデッドスペースになっています。またウィンドウが重なっていると,下にあるウィンドウを操作したい時は,クリックして最前面に移動させなければなりません。もしも二つのウィンドウを並べて作業したいと思ったら,マウスドラッグでウィンドウサイズを調整し,手でウィンドウを配置する必要があります。タイル型ウィンドウマネージャは,このようなウィンドウ配置,リサイズを自動的に行うことができるので,デスクトップの面積を最も効率よく使うことができるウィンドウマネージャと言えるでしょう。また,すべてのウィンドウを常時俯瞰することができるため,ウィンドウが行方不明になってしまうこともありません。

図5 ウィンドウのまわりには,無駄な領域ができてしまうこともある

図5 ウィンドウのまわりには,無駄な領域ができてしまうこともある

著者プロフィール

水野源(みずのはじめ)

Ubuntu Japanese Teamメンバー。理想のフリーデスクトップ環境を求めて東へ西へ……のはずが,気がついたら北の大地で就職していたインフラ寄りのエンジニア。株式会社インフィニットループ所属。

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