NetBookに分類されるノートPCの特徴は,Intel AtomやVIA C7といった「低発熱だが非力」なプロセッサを搭載していることです。こうした非力な環境ではUbuntuの標準デスクトップ環境であるGNOMEよりも「軽い」環境を利用した方が快適に利用できることでしょう。
今回はNetBookなどの「非力な環境」に向けた,軽量デスクトップ環境を利用するレシピを紹介します。
Xubuntuの利用
Ubuntuのバリエーションとして,「軽い」デスクトップ環境であるXFceを利用した「Xubuntu」があります。新規にXubuntuをインストールしなくても,すでにUbuntuをインストールした環境があればXubuntuの成果物をUbuntu環境にインストールし,Xubuntuとして使っていくことができます。
インストールは第6回にもある通り,以下のように行います。
$ sudo apt-get install xubuntu-desktop
インストール後,再ログイン時に「XFce」を指定してログインしてください。XFceベースのデスクトップが展開されるはずです(図1)。
ログイン後にUbuntuに戻す,あるいはUbuntu・Xubuntuを併用したい場合も,第6回を参照してログイン画面を調整してみてください。
LXDEの利用
Xubuntuが提供するXFce環境は完成度が高く,GNOME環境からスイッチしてもそれほど違和感なく使えると思いますが,「きわめて軽い」といえるほどの高速性はありません。
もし非力なPCでも高速なデスクトップ環境を利用したい場合,「とにかく軽量であること」を目指した(注1)デスクトップ環境である,LXDE(Lightweight X11 Desktop Environment)を利用すると良いでしょう(注2)。NetBookだけでなく,型落ちのPC・中古PCなどを入手した場合にも有効なはずです。
Ubuntu 8.10からはLXDE環境は公式のリポジトリに導入されているため,以下のコマンドでインストールが可能です(もしくはSynapticからlxdeパッケージをインストールしてください)。
$ sudo apt-get install lxde
インストール後はデフォルトのデスクトップ環境がLXDEに変わりますので,もしも元に戻したい場合は,「セッションの選択」を用いてGNOMEに戻してください。
LXDE環境にログインすると,図2のような画面になります。基本的な操作はGNOMEやXFceとそれほど大きく変わりませんので,違和感なく利用できるはずです。
制限としては,一部のカスタマイズが設定ファイルを直接編集する必要があることと,GNOMEで存在した設定の一部が利用できないことです。ただし,それを補ってあまりある「軽さ」が提供されるはずです。
LXDE環境の速さを体験するには,インストール後にGNOME環境からログアウトし,GNOMEとLXDEのそれぞれで再ログインしてみると良くわかるでしょう。おそらくLXDEの方は1秒弱でデスクトップ画面が表示されるはずです(注3)。
- 注1)
- lxde.orgの記述によると,「"Lightweight X11 Desktop Environment", is an extremely faster, performing and energy saving desktop environment maintained by an international community of developers.」("Lightweight X11 Desktop Environment"は世界中の開発者によってメンテナンスされている,極限まで速く,そして省エネルギーなデスクトップ環境です)だそうです。
- 注2)
- なりふり構わず軽量な環境にしたい場合は,FluxBoxなどのさらに軽いウインドウマネージャをベースに,自分でデスクトップ環境を作っていく,という方法もあります。ただしこれは非常に大変な作業になりますし,Ubuntuを使う意味がほとんどなくなってしまいます。そのような利用法をするのであれば,Debianを使った方が楽でしょう。
- 注3)
- ここでは「再ログイン」を行っているため,ログイン時に読み込まれるべきファイルのほとんどがキャッシュされています。これにより,(通常のログイン時とは異なり)ほぼ一瞬でデスクトップ画面が表示されるはずです。起動直後のログインであれば,再ログイン時よりも新規に読み込むべきファイルが多いため,LXDEであっても数秒はかかります。それでもGNOME環境の半分程度の時間で操作可能になるはずです。

