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第202回 ladishでJACKサウンドサーバー環境のセッションを管理する

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2. JACKサウンドサーバーの設定

ladishからJACKサーバーを起動するために,JACKサーバーに関する設定を先に行います。JACKサーバーを起動するソフトウェアとして本連載の第161回で紹介したqjackctlと,主要な設定は共通しています。

メニュー「Tools」から項目「Configure JACK」を選択すると,⁠ladiconf」というウィンドウが開きます。合計6つのボタンから別々な設定画面が開きますが,JACKの起動にあたっては上の2つのボタンの設定さえちゃんとしていれば大丈夫です。

図4 ladiconfウィンドウ

図4 ladiconfウィンドウ

まずは「JACK engine parameters」⁠項目「driver」にはFirewire接続のサウンドデバイスを使う場合「firewire」を選択することになりますが,大抵の場合「alsa」を選択することになるでしょう。本連載の第161回で説明した,JACKサーバーをリアルタイムオプション付きで実行できるように設定している場合のみ,項目「realtime」にチェックを入れ,項目「realtime-priority」に優先度を入力してください。

図5 ⁠JACK engine parameters」の設定画面

図5 「JACK engine parameters」の設定画面

次に「JACK driver parameters」です。これは先の項目「driver」に応じた設定となります。⁠rate」はお使いのサウンドデバイスの性能に合わせて適した値を設定してください。⁠period」「nperiods」は本連載の第150回でお伝えしたリングバッファに関する設定となります。項目「device」「alsa」を選択している場合に用いるオプションです。本連載の第159回のように複数のサウンドデバイスを接続している際には変更することになります。

図6 ⁠JACK driver parameters」の設定画面

図6 「JACK driver parameters」の設定画面

3. Studioの開始

メニュー「Studio」から項目「Start Studio」を選択してStudioを開始し,JACKサーバーを起動します。もし起動に失敗した場合は下の図のようにエラーが表示されますので,⁠ladiconf」ウィンドウでJACKサーバーの設定を見直してください。エラーログは「ladilog」というソフトウェアでも参照できます。

図7 JACKの起動に失敗するとアラートが表示される

図7 JACKの起動に失敗するとアラートが表示される

図8 ladilogのウィンドウ

図8 ladilogのウィンドウ

無事にJACKサーバーが起動すると,gladishのウィンドウにハードウェアの音声入出力ポートが表示されます。

図9 JACKの起動に成功するとハードウェアとの入出力が見える

図9 JACKの起動に成功するとハードウェアとの入出力が見える

なお,あらかじめパッケージ「pulseaudio-module-jack」をインストールしておくと,PulseAudioサウンドサーバーがJACKサウンドサーバーの起動を自動認識し,間をブリッジする入出力ポートを設けるようになります注2)⁠

注2
PulseAudioの「module-jackdbus-detect」モジュールがJACKの起動/終了を検出し,⁠module-jack-sink」モジュールと「module-jack-source」モジュールを有効/無効にします。

4. ソフトウェアの起動

JACKサウンドサーバーが起動しサウンドデバイスとの接続が確立すれば,あとは必要なソフトウェアを起動してポートを接続し,作業を開始するだけとなります。ここで注意するべきは,使用するソフトウェアをgladishに登録して起動することです。こうすることで,Studio開始時の自動起動機能とポート接続機能を利用できるようになります。これは,メニュー「Application」の項目「New Application」で実行コマンドを登録することで行います。

図10 実行コマンド登録画面

図10 実行コマンド登録画面

となると普段使っているソフトウェアの実行コマンドを知りたくなります。大抵はパス「/usr/bin」以下にインストールされているため,ファイルブラウザなどで見て見当をつけておき,GNOME端末などであらかじめ実行して目的のソフトウェアが起動するかどうか確認しておくとよいでしょう。

コマンド登録画面では,Levelを付加します。これはソフトウェアとの連携レベルを設定するもので0から3までの4段階が定義されています。現在のladishの開発では0と1が実装されています。

著者プロフィール

坂本貴史(さかもとたかし)

Ubuntuのマルチメディア編集環境であるUbuntu Studioのユーザ。主にUbuntu日本コミュニティとUbuntu Studioコミュニティで活動。いつかユーザ同士で合作するのが夢。