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第202回 ladishでJACKサウンドサーバー環境のセッションを管理する

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5. ポート間の接続

ソフトウェアが無事に起動すると,ウィンドウの右ペインにポートが表示されます。ポート間を接続することで経路を作成することができます。

図11 ポート間接続による経路作成の一例

図11 ポート間接続による経路作成の一例

青いポートは音声入出力を示し,赤いポートはMIDI入出力を示します。本連載の第177回ではMIDIの入出力を管理するサブシステムとして,ALSAシーケンサー機能とJACKシーケンサー機能を紹介しましたが,gladishから直接利用できるのはJACKシーケンサー機能です。ALSAシーケンサー機能に開かれたポートを利用するには,実行コマンド「a2j -e」を先ほどの方法で登録し,ブリッジを作成します。

図12 a2jでALSAシーケンサー機能とJACKシーケンサー機能をブリッジ

図12 a2jでALSAシーケンサー機能とJACKシーケンサー機能をブリッジ

6. Studioの保存と終了

ladishは各ソフトウェアのファイルへの保存もセッション管理機能として自動化する予定ですが,今のところは実装されていないので忘れずに個別に保存してください。Studioの作業が一段落したら,メニュー「Studio」の項目「Save Studio」「Save Studio As」を使ってStudioを保存してください。Studioを終了するには同じメニューの項目「Stop Studio」を使います。Studioを終了するとJACKサウンドサーバーも終了します。

一旦保存したStudioはメニュー「Studio」の項目「Load Studio」で読み込むことができます。この際,登録されているソフトウェアが自動で起動されるようになります。

RoomとProjectの使い方

メニュー「Room」でRoomをStudioに追加することができます。追加できるRoomは4種類あり,音声入出力2組/MIDI入出力1組のものから音声入出力40組/MIDI入出力16組のものまでの中から選択することができます。

図13 Roomの作成

図13 Roomの作成

Roomを設けるとウィンドウの左ペインに表示されます。左ペインでStudioを選択すると,右ペインにはRoomがStudioに開かれたひとつのソフトウェアのようなものとして見えます。左ペインでRoomを選択すると,今度は右ペインでRoomの中とStudioとの入出力ポートを見ることができます。

図14 Studioから見るRoom。図では3種類を開いている

図14 Studioから見るRoom。図では3種類を開いている

Roomにも,Studioと同じ方法でソフトウェアを登録することができます。しかしその前に,Projectを作っておく必要があります。Projectはメニュー「Project」から作成できる他,既存のProjectがあれば読み込むことができます。

図15 Projectの作成

図15 Projectの作成


ladishはまだまだ開発途上にあり,また効率的に働くにはソフトウェア側がladiセッションハンドラーを実装している必要があります。LASHやJACK-Sessionとの連携もまだ十分であるとは言えませんが,実現すればJACKサーバー環境の使い勝手を大きく進展させることになります。今後の開発がとても楽しみです。

著者プロフィール

坂本貴史(さかもとたかし)

Ubuntuのマルチメディア編集環境であるUbuntu Studioのユーザ。主にUbuntu日本コミュニティとUbuntu Studioコミュニティで活動。いつかユーザ同士で合作するのが夢。