Ubuntu Weekly Recipe

第223回 Apache OpenOffice 3.4をインストールする

この記事を読むのに必要な時間:およそ 3 分

Apache OpenOfficeをアンインストールする方法

Apache OpenOfficeをアンインストールしたくなったら,端末から次のコマンドを実行してください。

$ sudo apt-get remove --purge ooobasis3.4-* openoffice.org-ure

openoffice.org-debian-menusをインストールしている場合は,前項を参考にアンインストールを行なってください。

新機能を試してみる

Apache OpenOffice 3.4の新機能をいくつか試してみました。Apache OpenOffice 3.4の新機能でダントツで素晴らしいのは,⁠Corner and cap styles]※2でしょう。Corner style(libreofficeでは[角の形状]と訳)は以前からありましたが,Cap styleは新機能です(今のところlibreofficeには実装されていません)⁠

Cap styleを試すにはDrawあるいはImpressを起動し,適当なオブジェクトを作成します。このオブジェクトを選択して右クリックし,⁠スタイルの編集][線]タブをクリックしてください。右下の[Corner and cap styles]で,角だけではなく頂点の形状を変更することができます。

図5 ⁠Corner and cap styles]のサンプル。プレビューで確かに丸くなっていることがわかる

図5 [Corner and cap styles]のサンプル。プレビューで確かに丸くなっていることがわかる

また,Apache OpenOfficeはSVGファイルを読み込めるようになりました。そこでopenclipart.orgからいくつかのSVGファイルをダウンロードしてApache OpenOfficeとlibreoffice 3.5.3で読み込んでみました。全く別の実装で読み込んでいるため,精度に違いがあります。

ほとんどは両者ともに正しく読み込めましたが,Apache OpenOfficeだと正しく読み込めてlibreofficeではそうではなかったもの逆にlibreofficeだと正しく読み込めてApache OpenOfficeではそうではなかったもの両者ともに正しく読み込めなかったものがありますが,少ないサンプルながらApache OpenOfficeのほうがやや優秀かと思いました。

※2
[角と頂点の形状]とでも訳すんでしょうか。

そもそもインストールする意味はあるのか?

ここまできて実も蓋もないことを言いますが,libreofficeが採用されているUbuntuでわざわざApache OpenOfficeを別途インストールする意味はあるのでしょうか?

確かにApache OpenOfficeには魅力的な機能はあるものの,そのためにわざわざインストールまでして使用する価値があるかといわれると,正直かなり厳しいといわざるを得ません。libreofficeにはApache OpenOfficeにはない便利な機能が多数実装されており,見た目や仕様もかなり今時のアプリらしくなっています。もっとも最大の違いはライセンスなので,LGPL3よりもApache License2のほうが好みであるという場合にはインストールするべきでしょうし,libreofficeの(ほぼ)毎月リリースが鬱陶しいという場合もあるでしょう。

では将来にわたってもそうかといわれると,そうでもないとも思います。Apache OpenOffice 4.0ではLotus Symphonyのソースコードを取り込りこみ,ルック&フィールをLotus Symphonyに近づけることになっているからです※3)⁠

ここで,Lotus SymphonyのUIを見たことがない方のために,いくつかの画面を紹介します。

図6 Lotus Symphonyのワープロ機能。ダミーテキスト機能はこちらにもあり,翻訳が違うので比較してみるのもいいだろう

図6 Lotus Symphonyのワープロ機能。ダミーテキスト機能はこちらにもあり,翻訳が違うので比較してみるのもいいだろう

図7 Lotus Symphonyの表計算機能

図7 Lotus Symphonyの表計算機能

図8 Lotus Symphonyのプレゼンテーション機能。libreofficeや現行のApache OpenOfficeと最も違いが少ない

図8 Lotus Symphonyのプレゼンテーション機能。libreofficeや現行のApache OpenOfficeと最も違いが少ない

たしかに今よりも使いやすそうと思う方もいるかもしれません。そういう場合には,その機能が実装されたApache OpenOfficeをインストールするといいでしょう。

なお,次にリリースされるのは3.4のバグ修正版である3.4.1であることはほぼ間違いありません。現段階では4.0がリリースされるのは年末の予定ですが,バージョニングも含めて不透明なところがまだまだあります。

※3
「近づける」という曖昧な表現になっているのは,Lotus Symphonyとは実装方法が違うのと,まだ世に出てきていないのでどういうものなのか判断できないからです。とはいえ,おそらくですがIBM社内での開発はかなり進んでおり,オープンソース化され次第即座にApache OpenOfficeに実装され,テストビルドがリリースされるのではないかと思っています。

PPAのApache OpenOfficeにご用心

最後に注意を。How To Install Apache OpenOffice 3.4 Via PPA On Ubuntu 12.04/11.10でApache OpenOffice 3.4がインストールできるPPAが紹介されていますが,これは使用しないのをオススメします。本来あるべきパッケージングから大幅に逸脱し,お世辞にも行儀がいいとはいえません。

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese Teamメンバーで,主として日本語入力関連を担当する。特定非営利活動法人OpenOffice.org日本ユーザー会。LibreOffice日本語チーム。ほか,原稿執筆も少々。