Ubuntu Weekly Recipe

第235回 Ubuntu 12.04でEmacs 24.1を使う

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皆様はじめまして。EmacsとPCキーボードをこよなく愛するLinux使いの濱野と申します。

「Emacs 24.1がリリースされたのにUbuntu Weekly Recipeでまだ紹介されていない。これは由々しき事態だ! でも,Ubuntu Japanese Teamメンバーは多忙で手がはなせない!」とのことで,今回,私が紹介させていただくく運びとなりました。どうぞよろしくお願いします。

はじめに

2012年の6月10日に,Emacs 24.1がリリースされました。Emacs 23.1のリリースは,2009年7月29日ですので,およそ3年ぶりのEmacsのメジャーバージョン更新となりました※1)⁠

本稿では,その最新のEmacsをUbuntuの最新リリースである12.04に導入する方法と,Emacs 24.1での主要な変更点の紹介をします。

※1
マイナーバージョン更新のリリースも含めると最後のリリースは,Emacs 23.4の2012年1月29日ですので,およそ半年ぶりとなります。

Emacs とは

Emacsについては,過去の本連載にて数多くの紹介があります。⁠Emacsとは何か」を一言で説明すると,テキストの編集も,メールの読み書きも,Webのブラウジングもできる超高機能なテキストエディタ※2です。Emacsの詳細については,第73回「Emacs事はじめ」第116回第117回第118回「UbuntuとEmacsでプログラミングをはじめよう」などを参照してください。

※2
より正確には,テキストエディタの皮を被ったEmacs-Lispという言語のインタプリタです。

Emacs 24.1の導入

Emacs 24.1をUbuntu 12.04に導入する方法を説明します。ここでは,PPAからEmacs 24.1のビルド済バイナリを導入する方法と,自分の手でソースコードからビルドする方法を紹介します。

PPAから導入

PPAで提供されているEmacs 24.1のバイナリのインストール方法を紹介します。ここではcassouさんが提供しているPPAを利用し,Emacs 24.1をインストールします。

以下のコマンドで,PPAを追加し,Emacs 24.1をインストールします。なお,以降のサンプルにある「$」記号は,端末のプロンプト文字列を示します。

$ sudo add-apt-repository ppa:cassou/emacs
$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install emacs24 emacs24-el

あとは,以下のようにemacsと打てば,PPAよりインストールしたemacsが起動します。

$ emacs

自分でビルド

ソースコードからEmacs 24.1をビルドする方法を紹介します。ソースコードからのビルドは,全て端末上で行います。Gnome-Terminal等を開いてそこで作業してください。

まず,Emacs 24.1をビルドするために必要なライブラリを導入します。以下のようにapt-getコマンドを用いてインストールします。

$ sudo apt-get build-dep emacs
$ sudo apt-get install libmagickwand-dev libselinux1-dev libgnutls-dev libxml2-dev

作業用のディレクトリを作成し,そこに移動します。ここでは作業用のディレクトリをホームディレクトリ以下のworkというディレクトリにしています。適宜,好きなディレクトリに置き換えて作業してください。

$ mkdir work
$ cd work

Emacsのソースコードのアーカイブのダウンロードと展開を行い,展開してできたディレクトリに移動します。

$ wget ftp://ftp.ring.gr.jp/pub/GNU/emacs/emacs-24.1.tar.bz2
$ tar xvjf emacs-24.1.tar.bz2
$ cd emacs-24.1

configureスクリプトを実行します。configureスクリプトに特定の引数を渡すと,Emacsで有効とする機能や無効とする機能の設定ができます※3)⁠ここでは,何も引数を渡さず,デフォルトの状態でビルドしています※4)⁠

$ ./configure

Emacsをビルドします。ちょっと時間がかかりますので,お茶でも飲んでゆっくりと待ってください。

$ make bootstrap

最後にビルドしたEmacsをシステムにインストールします。ここでのインストールディレクトリは,/usr/localディレクトリ以下となります。

$ sudo make install

あとは,端末から以下のようにemacsと打てばビルドしたemacsが起動します。

$ emacs
※3
例えば「./configure –prefix=/tmp/local」とすると,Emacsをインストールするディレクトリを/tmp/local以下に変更できます。詳しくは,⁠./configure –help」の実行結果を参照してください。
※4
なお,DDSKKのようなEmacs Lispで完結している入力メソッドをお使いの方は,⁠./configure –without-xim」として,XIMが無効となるようにemacsをビルドすると幸せになれるかもしれません。

著者プロフィール

濱野聖人(はまのきよと)

株式会社 創夢所属。EmacsとPCキーボードをこよなく愛するDebian GNU/Linux使い。PCキーボードは100枚近く所持。

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