Ubuntu Weekly Recipe

第246回 Ubuntu 12.10の新機能,Web Appsを使用する

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この場を借りて御礼を

ASCII.jpの連載,「行っとけ! Ubuntu道場」第61回で本連載のランキングが発表されましたが,筆者(いくや)の記事が10位中1位を含む5つもランクインしました。最近は本連載への寄稿をお休みしていましたが,御礼を申し上げるために戻ってまいりました。

筆者は基本的に自分が読みたいことを書くため,あまり誰かが読みたいものかどうかを考えることはなかったのですが,筆者が読みたいことと読者が読みたいことはそう離れていない,という結果は大きな自信につながりました。今後もたまに寄稿していければと思いますので,よろしくお願いします。

先日Ubuntu 12.10がリリースされたことは読者の方もご存知かと思います。そこで今回は,リリース後最初のRecipeにふさわしいネタということで,12.10の目玉機能の1つであるUbuntu Web Apps ⁠以下Web Apps)を紹介します注1)⁠

注1
とはいえ,今月18日に発売されたSoftware Design 2012年11月号には筆者によるUbuntu 12.10特集が掲載されており,一部内容は重複します。今回のRecipeはSoftware Designの内容を補完するものとしても楽しめるものにしてみました。Software Designもよろしくお願いします。

Ubuntu Web Apps

Web Appsは,Webサービス(Webサイト)をひとつのアプリケーションのように扱い,Ubuntu(厳密にはUnity)と統合するためのしくみです。12.10のUnity LauncherにはamazonとUbuntu One Music Store(以下U1MS)のアイコンが追加されていますが,これもWeb Appsのしくみを使用しています。アイコンをクリックするとFirefoxが起動し,それぞれのWebページが表示されます。ただしamazonはamazon.comであってamazon.co.jpではないので,あまり買い物をする機会はないでしょう。U1MSはLaunchpadのアカウントでログインする必要がある上,日本からはメジャーレーベルのカタログは購入できないため,⁠筆者のような)オールディーズファンなど,ごく限られた人しか利用しないと思います。

これら2つのWeb Appsから買い物すると,アフィリエイトとして支払った代金の一部がUbuntuの開発に利用されます。しかし前述のとおりamazon.comでは買い物せず,amazon.co.jpで買い物したぶんのアフィリエイトがUbuntuに回るのかはよくわからず,U1MSはそもそもほしい曲がない,ということで,少なくとも日本ではあまり有効に活用されることはなさそうです。

さてamazon.co.jpに行くと,[Would you like to install Amazon (www.amazon.co.jp), for extra features and quicker access?]というダイアログが表示されます。ここで[Yes]をクリックすると,Web Appsの登録が完了します。

図1 URIの左側にポップアップが表示される

図1 URIの左側にポップアップが表示される

一度ログアウトして再ログインし,Dashに[amazon]と入力すると,アイコンが2つ表示されます。

図2 Amazonが2つ並んでいて区別がつかない

図2 Amazonが2つ並んでいて区別がつかない

これだとどちらが,もともと登録されていた.comなのか,今回登録した.co.jpなのかがわかりません。そこで今回登録したWeb Appsの$HOME/.local/share/applications/Amazonwwwamazoncojp.desktopを編集します。[Name]の[Amazon]を[Amazon.co.jp]とでも変更して保存し,一度ログアウトして再ログインします。再びDashに[amazon]と入力すると,今度は区別できるようになりました。

編集云々はさておき,追加したWeb Appsは$HOME/.local/share/applications/に保存されるというのは知っておくといいかもしれません。

図3 どうやら後者がAmazon.co.jpだったようだ

図3 どうやら後者がAmazon.co.jpだったようだ

Web Appsのインストール

これまで言及してきたとおり,Web Appsの基本的なしくみはあらかじめ用意されており,amazon.co.jpは登録もできました。実はそれ以外にも多くのWebサービス/サイトが対応していますが,必要なパッケージがインストールされていません。

これらのパッケージは,Ubuntuソフトウェアセンターを起動し,[unity-webapps]で検索するとたくさん表示されます。GMailやGoogleカレンダーといった役に立ちそうなものから,日本ではあまり使用しなさそうなもの,Angry BirdといったUnityと統合してどういうメリットがあるのかよくわからないゲームまで,いろいろあります※2)⁠

図4 ずらずら並ぶWeb Apps関連パッケージ

図4 ずらずら並ぶWeb Apps関連パッケージ

ここでは試しに,効果がわかりやすいGoogle+を追加してみることにしてみましょう。⁠unity-webapps-googleplus⁠パッケージをインストール後,Firefoxを起動してGoogle+を開きます。すると[Would you like to install Google+ (plus.google.com), for extra features and quicker access?]というダイアログが表示されるので,[Yes]をクリックしてください。Launcherに[g+]のロゴが表示され,インジケーターに未読数が表示されるようになります。

図5 ここでおもむろに[Yes]をクリックする

図5 ここでおもむろに[Yes]をクリックする

図6 インジケーターに表示された未読数。⁠m⁠はメッセージのことで,未読が1つという意味だと思われる

図6 インジケーターに表示された未読数。“m”はメッセージのことで,未読が1つという意味だと思われる

また,新しい書き込みがあった場合はNotifyOSDで通知されます。Google+では非対応ですが,GMailなどではLauncherのアイコンを右クリックすると[Compose New Message]が表示され,これをクリックするとメール作成画面になります。

とはいえ,まだまだ開発途上らしく,正しく動作しない部分も散見します。具体的には,GMailもインジケーターにいくつか表示されるようになっているはずですが,実際には何も表示されません。それに,なんといってもWeb Appsで登録したWebサービスを編集したり削除したりする機能がありません。$HOME/.local/share/unity-webapps/を見る限りSQLiteを使用していると思われるので,管理用GUIはあってしかるべきですが,残念ながら現段階では存在しないので,手っ取り早くWeb Appsを使用しないようにするには⁠unity-webappps-googleplus⁠など,個別のパッケージをアンインストールするのが良さそうです。

※2
開発版のサンプルにはLord of Ultimaがありましたが,リリース版ではなくなっているようです。その時のサンプルは,Dashから起動できるようになるだけの「誰得(誰が得するかわからない)⁠シロモノでした。

オマケ:VirtualBoxでUbuntu 12.10を試す場合の注意

リリースされた直後のUbuntuを実機にインストールするのは怖いので,VirtualBoxなどの仮想マシンで試したい,ということは往々にしてあると思います。その場合の注意点がいくつかあります。

ここではVirtualBoxでUbuntu 12.10を試す場合に知っておきたいことを説明します。

まず,Guest Additionsをインストールする前に⁠linux-headers-generic⁠パッケージをインストールしてください。一緒に⁠dkms⁠パッケージもインストールすると便利です。

また,X.Orgのバグでカーソルがぴょんぴょん飛びます。具体的には,意図しないタイミングでUnity Launcherのアイコンをクリックしてしまいます。すでにバグ報告されているのでいずれ直るとは思いますが,早急に何とかしたい場合は次のコマンドを実行してください。

$ sudo add-apt-repository ppa:ikuya-fruitsbasket/xorg
$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get upgrade

その後LightDMを再起動するか,方法がよくわからなければUbuntuを再起動してください。

これまでと比べてUnityの動作は重くなっています。というのも,現段階で最新版のVirtualBox 4.2.2でもllvmpipe※3で動作しているからです。今日現在解析作業が進められています

※3
ハードウェアの3DアクセラレーションなしでOpenGLを描画するしくみのことで,どうしてこういうことになったのかはSoftware Designで言及しましたのでそちらをご覧ください。

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese Teamメンバーで,主として日本語入力関連を担当する。特定非営利活動法人OpenOffice.org日本ユーザー会。LibreOffice日本語チーム。ほか,原稿執筆も少々。

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