Ubuntu Weekly Recipe

第313回 UbuntuとVirtualBox再入門

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ゲストOS

インストール後GUIフロントエンドを起動し,⁠新規]をクリックするとウィザード形式でゲストOSの初期設定をすることができます。最初に[タイプ][バージョン]がありますが,ここは間違いなく指定してください図1⁠。たとえばUbuntuだと[Ubuntu][Ubuntu (64bit)]があります。実際に体験したところだとWindows 8を使用していてWindows 8.1にアップグレードしようとしてもCPUが対応していない旨のエラーメッセージが出てアップグレードが始まらない,ということがありましたが,この場合は[タイプ][Windows 8.1]ないし[Windows 8.1 (64bit)]にする必要があったりと,意外とハマるところです。とくに以前はここで何を選んでもさしたる影響がなかったこともあり,それを知っている人は余計にハマりやすいと思います。

図1 ⁠タイプ][バージョン]は間違いなく指定してください

図1 [タイプ]と[バージョン]は間違いなく指定してください

ゲストOSのインストールが終わったら,Guest Additionsをインストールします。これはホストOSと統合するために必要なものだと思ってください。一応なくても動作はしますが,画面の解像度の変更すらもできないので,非常に不便です。

Ubuntuの場合,事前にdkmsパッケージをインストールしておくと便利です。その後[デバイス][Guest AdditionsのCDイメージを挿入]でGuest AdditionsのCDイメージを認識させ,あとは表示されるダイアログに従ってインストールすれば良いです。

実はUbuntuにはGuest Additionsのパッケージもあります。通常はX.Orgを使用しているはずなので,

$ sudo apt-get install virtualbox-guest-x11

を実行します。Ubuntu ServerなどX.Orgを使用していない場合は

$ sudo apt-get install virtualbox-guest-utils

を実行します。いちいちCDイメージを挿入する必要がないのでこちらのほうが楽ですが,VirtualBoxは原則としてVirtualBox本体とGuest Additionsのバージョンを合わせる必要があります。実際には多少ずれていても大して問題ない場合が多いですが,合っているほうが良いに越したことはありません。というわけで筆者の場合は前述のPPAをゲストOSでも登録してバージョンを合わせています。

頭が痛いのはUbuntuの開発版です。Guest AdditionsはLinuxカーネルとX.Orgのバージョンに依存します。具体的には,執筆段階でVirutalBoxの最新版は4.3.6であり,Ubuntu 14.04のカーネルは3.13です。それはいいのですが,X.OrgのXサーバーのバージョンは1.15であり,これはVirtualBox 4.3.6では非対応です図2⁠。こういう場合は4.3.8を待つのが王道ではあるのですが,そんなに待てないこともあります。

図2 非対応のX.Orgのバージョンだと,このようにゲストOSの解像度がとても悲しいことになります

図2 非対応のX.Orgのバージョンだと,このようにゲストOSの解像度がとても悲しいことになります

筆者の場合は簡単なものであればリポジトリから差分を取得して手元で修正し,PPAにアップロードするということをやります。それでも太刀打ちできない場合は,BTSを検索します。時期にもよるのですが,開発中のGuest Additionsを提供していることがあります。たとえば4.3.6と4.3.8の間には,4.3.7というバージョン番号でisoイメージを公開しています。これを覚えておけば,今後役に立つこともあるかも知れません注6⁠。

[設定][共有フォルダー]機能は便利で,要はこれはホストOSのフォルダーをゲストOSからマウントする機能です。ただし,Guest Additionsをインストールしてここの設定をしても,共有フォルダーにアクセスできるようになりません。ユーザーをvboxsfグループに追加する必要があります。ikuyaというユーザーで共有フォルダーにアクセスする場合は,

$ sudo addgroup ikuya vboxsf

を実行し,一旦ログアウトして再ログインします。これで,/media/sf_(共有フォルダー名)からアクセスできるようになります。

[設定][一般][高度][ドラッグ&ドロップ]というのがあり,これを見る限りホストOS/ゲストOSを問わずに自由にドラッグ&ドロップができそうに見えますが,現在(4.3.x)はLinuxゲストのみ,ホストOSからゲストOSへのドラッグ&ドロップだけが実装されています。すなわちこの設定項目はフェイクも混じっているということです。この機能は4.2で実装されましたが,4.3でもとくに改善は見られませんでした注7⁠。素直に共有フォルダー機能を使うのが便利でしょう。

注6)
ただし,今回に限っては4.3.8 RC1がリリースされています。通常X.Y.2と行ったメンテナンスリリースではRCはリリースしないのですが,4.3.8に関しては変更点が多いからかリリースされました。
注7)
4.4では機能追加がありそうです。

Extension Pack

ダウンロードページからExtension Packのダウンロードもできます。これはOracleのバイナリにもUbuntuのバイナリにも筆者のPPAのバイナリにもインストールできます。ここにもあるとおり機能が3つばかり追加されます。ただし筆者はインストールしていません。なぜなら,USB 2.0対応とありますが,これをインストールしなくてもUSB 1.1相当には対応していますし注8⁠,そもそもゲストOSでそんなに高速なデバイスは使用しません注9⁠。RDPも便利だとは思いますが,ほとんど使うことはありません。

それよりVirtualBoxをアップデートするたびにExtension Packもアップデートする必要があり,鬱陶しいのと,ライセンスを気にする必要があるというデメリットのほうが上回っているように思えるからです。もちろんメリットが大きい場合はインストールしたほうが良いのですが,ライセンスには気をつけ下さい注10⁠。

注8)
プリンターやキーボード/マウスとかであればUSB 1.1相当で充分です。
注9)
ただ,バグ報告を見るとUSB 3.0に対応して欲しい旨のリクエストがすごく多いです。
注10)
と言いつつどう気をつけたら良いのかよくわからない緩さなのですが……。

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese Teamメンバー。Ubuntu Japanese Teamではパッケージングなどを担当。ほかには日本語入力関連やOpenOffice.org日本ユーザー会コミッティも兼任。