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第319回 Ubuntu 14.04と日本語入力

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今回は4月17日にリリース予定のUbuntu 14.04での日本語入力(インプットメソッド)の変更点をお知らせします。

概要

事前にはいろんな話が出ましたが,結局のところ13.10と大きな違いはありません。

IBusのバージョンは1.5.5になり,新たにプロパティパネルという機能が実装されました。13.10ではキーボードレイアウトないし変換エンジン(入力ソース)をSuper注1+Spaceキーで切り替えるはずだったものの,実際には動作しないのでCtrl+Spaceキーに変更して切り替える,という事態になっていましたが,14.04では正しく動作するようになりました。

ただし,切り替える必要はほとんどなくなりました。なぜなら日本語キーボードで日本語の変換エンジンが選択された場合は,その変換エンジンのみが登録されるようになったからです。これによって半角/全角キーでいわゆる半角モードと全角モードの切り替えが実用的になりましたが,半角/全角キーがない場合はCtrl+Spaceキーではなく別のキーを押す必要があります。また,ログイン直後に全角モードになっているという問題(というか仕様)も依然としてあります。

Unity環境ではキーボードインジケーター(indicator-keyboard)が強化され,各変換エンジンのステータスが表示されるようになりました図1)。

図1 Mozcの状態を表示しているキーボードインジケーター

図1 Mozcの状態を表示しているキーボードインジケーター

13.10と比較すると14.04では実用レベルに達したかな,というところまでは来ましたが,12.04から14.04にアップグレードするユーザーが多数いることを考えると,やはりIBus 1.4と近い動作をするFcitxのほうがなじみやすいのではないかということになり,14.04の日本語RemixではIBusに代わってFcitxを採用することにしました注2)。

なお,入力ソース周りの挙動は変わらないため注3),引き続き第296回を参照ください。

注1)
Windows PCではWindowsキー,MacではCommandキー。
注2)
前述のとおり使いづらいのは主にキーボードインジケーターに原因があり,IBusにはさほどの問題はないと筆者は考えています。
注3)
候補ウィンドウが横にならない不具合とかは修正されていますが。

半角入力のデフォルト化(IBus)

というわけでIBusはログイン直後に全角入力になります。即座にUnity Dashに何かを入力したい場合とかは良いかもしれませんが,大抵はそんなことはないでしょうし,今までとも挙動が違って煩わしく思うこともあるでしょう。

そのような場合はibus-anthyの設定を呼び出し,[入力モード][英数]にしてください図2)。Mozcを使用している場合,こういった設定はないため,Ubuntu Japanese Teamのリポジトリを有効にしてアップデートしてください注4)。デフォルトで半角入力にするパッチを適用したMozcにアップデートされます。次のバージョンのMozcからはこれがデフォルトの挙動になる予定です。

図2 ログイン直後に半角英数入力にする場合は,[入力モード][英数]にします

図2 ログイン直後に半角英数入力にする場合は,[入力モード]を[英数]にします

注4)
やり方はリリース後にUbuntu Japanese TeamのWebサイトをご覧ください。日本語Remixではもちろん対応済みです。

半角/全角キーがないキーボードをお使いの場合(IBus編)

半角/全角キーがないキーボードとは,今回は具体的に英語(US)キーボードのことを指しますが,IBusで使用する場合はちょっと面倒です。今までは半角/全角キーがない場合はCtrl+Spaceキーに割り当ててありましたが,これはUnityとGNOME Shellでは使用できません。14.04ではSuper+Spaceキーは動作しますが,前述の半角入力のデフォルト化をやるとこのショートカットキーは煩わしくなるだけです注5)。

ibus-anthyを使用する場合は,入力ソースを[英語 (US)][日本語(Anthy)]にして,Super+Spaceキーを押して[英語 (US)]から[日本語(Anthy)]に切り替える注6と,ibus-anthyが英語キーボードで使用できるようになります。これは筆者がバグ報告をし,14.04からそうなるようにしてもらいました注7)。デフォルトのキーバインドだと,Ctrl+Jキーで半角入力と全角入力を切り替えることができます図3)。デフォルト以外のキーバインドの場合は,[コマンド][on_off]のところに[Ctrl+J]など任意のキーを割り当てると良いでしょう。

図3 [ショートカットタイプ][デフォルト]の場合は,[コマンド][on_off][Ctrl+J]にも割り当てられており,半角/全角キーがないキーボードでもオンオフがトグルできます

図3 [ショートカットタイプ]が[デフォルト]の場合は,[コマンド]の[on_off]が[Ctrl+J]にも割り当てられており,半角/全角キーがないキーボードでもオンオフがトグルできます

ibus-mozcを使用する場合はもうちょっと複雑で,入力ソースを[英語 (US)][日本語(Mozc)]にして,Super+Spaceキーを押して[英語 (US)]から[日本語(Mozc)]に切り替えると,ibus-mozcが英語キーボードで使用できるようになります。

ここまでは良いのですが,キーバインドに半角入力と全角入力を切り替えるキーがありません。どうしようもないので,手動で設定します。Mozcプロパティを起動し,[キー設定][編集]をクリックします。Mozcキー設定の[編集]をクリックして,MS-IME以外のキーマップを使用する場合はベースとするキーマップを選択します。[定義済みのキーマップからインポート]から選択してください。次に再びこの[編集]をクリックし[エントリーを追加]をクリックします。ここでは例としてCtrl+`キー注8を設定します。[モード][直接入力]に,[入力キー][Ctrl+`]に,[コマンド][IMEを有効化]にします図4)。さらに[エントリーを追加]で追加して,[モード][入力文字なし]に,[入力キー][Ctrl+`]に,[コマンド][キャンセル後IMEを無効化]にします。これで[OK]をクリックします図5)。一度ログアウトして再ログインするとCtrl+`キーで半角入力と全角入力を切り替えることができるようになります。キー設定はエクスポートできるので,たくさんのPCで設定を変更する必要がある場合はうまく活用すると良いでしょう。

図4 [入力キー]をトリプルクリックするとキーを入力するダイアログが表示されるので,Ctrl+`キーを押します

図4 [入力キー]をトリプルクリックするとキーを入力するダイアログが表示されるので,Ctrl+`キーを押します

図5 このようになれば成功です

図5 このようになれば成功です

注5)
Super+Spaceキーで入力ソースを切換えた後に全角入力するためのショートカットを入力する必要があるからです。
注6)
ちなみにキーボードインジケーターからマウスで変更しても良いです。
注7)
13.10では設定ファイルを書き換えない限り日本語レイアウトとして認識されていました。
注8)
Tabキーの上にあるキーです。

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese Teamメンバー。Ubuntu Japanese Teamではパッケージングなどを担当。ほかには日本語入力関連やOpenOffice.org日本ユーザー会コミッティも兼任。

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