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第326回 Celeron J1900で省エネPC生活

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1年ほど前の第259回でも省エネPCについて紹介しましたが,今回はそのアップデート版です。

省エネPC……?

省エネPCとは言うものの,第323回で紹介したECS LIVAのほうが圧倒的に消費電力は少ないです注1)⁠じゃあどうしてこれにしなかったのかというと,単純に使い道が思い付かなかったのです。そういうわけで汎用部品の組み合わせで今回のPCを組みました。とにかく小さいほうが良い,あるいは消費電力が少ないほうが良いという場合はECS LIVAを,やっぱりボードぐらい増設したいよなぁ,あるいはある程度パワフルなほうが良いよなぁという場合は,今回の構成にしてみると良いのではないでしょうか。

注1)
もちろん実際に計測したわけじゃないので推測ですが,疑いの余地はないでしょう。

昨今の省エネ自作PC事情

この1年で省エネPCにどのようなことが起きていたのかというと,衝撃的なことにこの層のニーズが復活しました。正確にはIntel社が供給したいのであってニーズが復活したというニュアンスとは違いますが,安価でできが良いのである一定のニーズもあると言って良い状態です。

1年前のCeleron 847はノースブリッジを統合したCPUでしたが,今回取り上げるCeleron J1900はサウスブリッジも統合したSoCです。SoCということはマザーボードに実装しなくてはならないチップがあまり多くなく,マザーボードも安価に供給されます。そもそもこのCeleron J1900の開発コードネームはBayTrail-Dと言い,この⁠-D⁠はDesktopを表現しているものと思われます注2)⁠ということは,Intelはまさに省エネPCで使用されるSoCとして販売したいという意図が伝わってくるというわけです。

筆者としてはまさにこれに乗っからない手はないと思って喜び勇んで購入しましたが,想像以上の完成度の高さに驚きました。Celeron 847をお使いの方は今すぐCeleron J1900に乗り換えるべきであると考えます。では,子細を見て行きましょう。

注2)
ECS LIVAはBayTrail-Mでした。この⁠-M⁠はMobileのMと考えられますが,モバイルだけではなくデスクトップでも使用されています。

PCの構成

今回使用したPCの構成は次のとおりです。

省エネ自作PCの構成

マザーボードASRockQ1900B-ITX
メモリELPIDA EBJ40UG8BBU0-GN-F(4Gバイト)
SSD東芝 THNSNS60GBSP(60Gバイト)
ケーステックウィンド IT-101

本来Celeron J1900はDDR3Lと言うDDR3よりも電圧が低いメモリが必要なのですが,このマザーボードではDDR3にも対応しているということで,実際に試してみました。DDR3のSO-DIMMなら交換のためにノートPCから引きぬいたものでも使え,新たな追加投資を抑えることができるかも知れません。

おそらくみなさんのご家庭にも使用していないDDR3のSO-DIMMの1枚や2枚はあるでしょう。現に今回使用したメモリはASUS U24AというノートPCに刺さっていたものです。本来はSanMax SMD-N4G68NP-10Fを使用するつもりでしたが,残念ながらブートしませんでした。初期不良なのか相性なのかはわかりませんが,おそらく後者ではないかと思います。ちなみにELPIDA SMD-N4G28NP-16KLも所有しており,こちらはDDR3Lですが,もちろん問題なくブートしました。もしメモリを新たに購入する必要があるのであれば,これにしておくのが無難かも知れません注3)⁠ EBJ40UG8BBU0-GN-Fとの2枚刺しでも難なくブートしました。

SSDは世代的に結構古いですが注4)⁠BayTrail-DはSATA2にしか対応しないため,どんなに速いSSDでもそのスペックを活かすことができません。なので,逆説的に何でもいいということになります。

順番が前後しましたが,このマザーボードにした理由は安価であること注5)⁠DDR3のメモリが使えること,PCI-Expressの拡張スロットがあることです。オンボードでUSB 3.0ポートが1つ,SATA2のポートが2つとかだと,たとえx1とはいえPCI-Expressの拡張スロットがあるに越したことはありません。

ケースはテックウィンドのIT-101で,紹介しているWebサイトすらないというマニアックなものですが,ゴールデンウィーク中に特価で販売されていたので購入しました。拡張スロットがあり,ACアダプターで駆動するというまさに理想どおりのものでしたが,買ってみて驚いたことにライザーカードがありません。ということでスロットはあってもボードが挿せないということになります。であればPCI-Express x1の延長ケーブルがあればいいのですが,そのような製品がこの世に存在するのか半信半疑で検索してみたら,エム・ティ・ジーさんで扱っていることがわかったので,店舗で購入しました。そのへんに転がっていたUSB 3.0ボードを挿してみたらまったく問題なく使えました。皆さんのご家庭にも使用していないUSB 3.0ボードの1枚や2枚は転がっているでしょうから,試してみると良いのではないでしょうか注6)⁠

注3)
もちろん動作しなくても著者および技術評論社はその責を負いません。
注4)
ちなみに福袋という名のアウトレットで購入したものです。
注5)
税込で1万円切っていました。
注6)
延長ケーブルも,もしうまく動かなかったとしてもあまりダメージのない価格です。

インストール

Ubuntu 14.04 LTS日本語Remixからインストールします。今回もセキュアブートを有効にすることにします。起動時にDeleteキーを押してUEFI Setup Utilityを起動し,⁠Security]タブの[Secure Boot][Enabled]にします。続いて[Boot]タブの[Fast Boot][Disabled]になっていることを確認してからブートしてください。あとは普通にインストールすれば良いです。

3Dアクセラレーション

第259回と同じく,次のコマンドを実行しました。

$ /usr/lib/nux/unity_support_test -p

とくに問題はないようです図1)⁠⁠システム設定][詳細]図2のとおり正しく表示されています。

図1 すべてyesになっていることがわかります

図1 すべてyesになっていることがわかります

図2 プロセッサもグラフィックも正しく認識されています

図2 プロセッサもグラフィックも正しく認識されています

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese Teamメンバー。Ubuntu Japanese Teamではパッケージングなどを担当。ほかには日本語入力関連やOpenOffice.org日本ユーザー会コミッティも兼任。

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