Ubuntu Weekly Recipe

第349回 Unity 7を使いこなす

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Unityのカスタマイズ

Unityは当初かなりハードコードされている部分が多く,カスタマイズ性に乏しい実装になっていました。さらにカスタマイズするにしても,Compizのプラグインとして動作してた経緯から,CompizConfig Settings Managerを使って他の設定と辻褄を合わせながら慎重に変更する必要があったのです。そんなUnityも7のリリースあたりからコードの整理が進み,カスタマイズできる部分を増やし,要望の多い設定項目はシステム設定でできるようになっています。

「外観」でテーマやLauncherのアイコンサイズ,Launcherを自動的に隠すかどうかを設定できます。前述のとおり「セキュリティとプライバシー」ではDashに表示する項目をある程度変更できます。マルチディスプレイ時のLauncherの位置などは「ディスプレイ」を確認してください。キーボードの「ショートカット」ではGNOME由来のショートカットキーやHUDの表示キーを変更できます。

それとは別に「Unity Tweak Tool」と呼ばれるカスタマイズツールが13.10から公式リポジトリに登録されました。これを使うと,より深いUnityの設定をCompizConfig Settings Managerを使うことなく変更できます。

図8 Unity Tweak Toolのインストール

図8 Unity Tweak Toolのインストール

たとえば,Launcherの「Minimize single window applications on click」にチェックを入れるとLauncherのアイコンをクリックするだけでウィンドウの最小化と最小化解除をトグルできますし,Hotconersでは画面の端にカーソルを合わせることで実行できる操作を指定できます。他にもいろいろな設定項目があるので,一度は一通り見ておくと良いでしょう。

テーマとアイコンの変更

Unity自体はともかくとして,デスクトップ要素はこれまでにもテーマやアイコンの変更に対応していました。一部のツールキットは独自ではあるものの,大半はGTK+であるためにGTK+用のテーマを導入すればテーマの変更は容易だったのです。ただしUnity由来のパーツ(DashやLauncherの背景やアイコン,ウィンドウの縁など)を変えることは不可能でした。第309回で長南さんが紹介しているように一部のパーツの透明度やサイズを変えるぐらいが限界だったのです。

これがUnity 7から14.04のリリースあたりまでにだいぶ改善され,ほぼすべてのパーツがテーマで変更できるようになっています。Unityのテーマに関するWikiページには,各パーツとファイル名に関する説明が載っていますので,自前テーマを作りたい人は参考にしてください。

図9 Numixテーマを適用した画面

図9 Numixテーマを適用した画面

参考になるテーマ&アイコンセットとしてNumixを紹介します。これはUnityやGTK+,Xfceにも対応したテーマ&アイコンセットで,フラットでシンプルなデザインであるため非常にユーザーが多いテーマでもあります。PPAも提供されているためテーマパッケージの作成のお手本にもなるでしょう。

$ sudo add-apt-repository ppa:numix/ppa
$ sudo apt update
$ sudo apt install numix-gtk-theme numix-icon-theme

テーマだけであればシステム設定からも変えられますが,Unity Tweak Toolを使えば「Theme」でテーマを,⁠Icons」でアイコンセットを変えられます。パッケージを使っているため/usr/share/themesにインストールしています。他にも別途テーマファイルをダウンロードしてきて,⁠~/.themes」にインストールする方法もあります。パッケージが用意されていないテーマならおもにこちらの方法を使うことになります。

クイックリストの活用

Launcherのアイコンを右クリックしたときに表示されるメニューを「クイックリスト」と呼びます。

図10 Nautilusのクイックリスト

図10 Nautilusのクイックリスト

このクイックリストはアプリケーションごとにDesktop Entry Specificationで決められた書式に基づいて,/usr/share/applications以下に用意したDesktopファイルの中で設定しています。たとえば最初から登録されている「ファイル」のアイコンは右クリックすると「ダウンロード」「ドキュメント」など,特定のフォルダを直接開くエントリーが存在することがわかります。

正しい書式に従っていれば,任意の動作を行うDesktopファイルを作ることも可能です。カスタマイズしたDesktopファイルは「~/.local/share/applications/」以下に「.desktop」の拡張子を付けて作成してください。書式が正しければ,DashでそのDesktopファイルの「Name」フィールドに設定した値で検索できるようになっているはずです。あとは検索結果をマウスでLauncherにドラッグアンドドロップすればLauncherへの登録が完了します。

登録されたクイックリストはLauncherを右クリックすることで表示できます。キーボードのみで実行したい場合は,⁠Alt+F1」でLauncherにフォーカスを合わせてから上下のカーソルキーで対象のアイコンを選択,その状態でカーソルの右キーを押せばクイックリストが表示されます。

よく利用するコマンドをクイックリストとして登録すれば,ちょっとした自分専用のランチャーになります。

ちょっとだけ快適なデスクトップライフを

リリースされた当初はいろいろと文句を言われることも多かったUnityですが,ここ数回のリリースは余計な新機能の追加をしていないせいか,リファクタリングがどんどん進み,安定化などの品質の向上に加えて心なしか高速化もしています。

その甲斐もあって最近はイベントでも「Unityいいよね」と言ってくれる人がだいぶ増えてきました。たぶん増えているような気がします。ひょっとすると同じ人が何回も言っているだけかもしれません。自分の声かもしくは幻聴の可能性も否めません。少なくとも増えるといいなーとは思っているのは確かです。だから非実在「Unityいいよね」ユーザーは確実に増えていると言ってさしつかえないでしょう。

読者の皆さまも,何かの折でかまいませんので,過去のほろ苦い経験にとらわれることなくUnityの利用に果敢にチャレンジしていただければ幸いです。

著者プロフィール

柴田充也(しばたみつや)

Ubuntu Japanese Team Member。数年前にLaunchpad上でStellariumの翻訳をしたことがきっかけで,Ubuntuの翻訳にも関わるようになりました。

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