Ubuntu Weekly Recipe

第399回 TimeShiftでUbuntuをホットバックアップする

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今回はTimeShiftというUbuntuで動作するホットバックアップを行うツールを紹介します。

ホットバックアップツール

本連載第289回第290回で紹介したqt4-fsarchiverは,原則としてUSBメモリやDVD-Rといったライブイメージから起動してバックアップやリストアを行います。例えば,マルチブートにしていて,ハードドライブ※1まるごとのバックアップ/リストアを行いたい場合にはこのような方法以外に手段はありません※2)。しかし,「今使用しているUbuntuのみをその使用中にバックアップを取りたい。問題があればすぐに戻したい」というニーズは確実にあるのではないでしょうか。

※1
今回はHDD/SSD/eMMCなどを総称してこう呼びます。
※2
マルチブートにしている場合,Windowsから起動してTrueImageなどのバックアップツールでハードドライブまるごとバックアップする手段などはあります。

ここでは使用している最中にバックアップを取ることをホットバックアップと呼びます。あまり聞き慣れない言葉ですが,検索してみたところ,ホットスタンバイみたいな感じでホットバックアップという用語が使われていました。オンラインバックアップのほうが一般的のような気もしますけど,「オンライン」と聞くとインターネットを連想してしまいますよね。

ホットバックアップの優れているところは,なんと言っても手軽なところです。いったんUbuntuをシャットダウンし,ライブイメージを起動してバックアップを実行……といった手順を踏まなくても,クリック一回,設定によっては定時でバックアップを実行してくれます。

それはさておき,Ubuntu 15.10がリリースされて1ヶ月ほど経ち,そろそろ15.04からアップグレードする時期でしょう。また,Ubuntu 16.04はLTSになるため,筆者を含めてアップグレードする方もきっと多いことでしょう。今回はそんな場合に備え,Ubuntuをホットバックアップするツールの一つがTimeShiftです。

なお,今回の対象であるUbuntuだけではなく,Ubuntuフレーバーや各種派生版でも使用できるはずです。

TimeShiftの概要

TimeShiftは,非常にシンプルかつ強力なツールで,手軽にバックアップとリストアができます。Ubuntuのリポジトリにパッケージはないため,PPAからインストールします。執筆段階では12.04/14.04/15.04/15.10/16.04のパッケージが用意されていました。すなわちサポートされているUbuntu全部です。

TimeShiftの特徴は,なんといってもシンプルなところです。システムをバックアップする機能,それをリストアする機能,外部ハードドライブにリストアする機能しかありません。ホームフォルダーをバックアップする機能はないため(詳細後述),Deja Dupなどを併用する必要があります。システムとホームフォルダーはバックアップのタイミングは同じである必要性は特にないので,これは合理的といえます。更新の頻度を考えると,例えばホームフォルダーは週に1回,システムは月1回を目安にするといいでしょう。

ハードドライブにそれだけの空き容量が必要になるのもポイントです。とはいえ,通常システム領域だけだとさほどの大きさにもならないため,ハードドライブの容量が少なければバックアップの保存数を少なくするなどの対処をすれば問題ないでしょう。

バックアップするフォルダーは/timeshift固定です。ほかに変更することはできません。ということは,NASなど外部メディアにバックアップしたい場合は,その領域を/timeshiftとしてマウントするか,あるいは別途/timeshiftフォルダーをまるごとどこかにコピーする必要があります。rsyncなどを使えば簡単にできることではありますが,この割り切り方はなかなかすごいと思います。

インストールと起動

次のコマンドを実行してインストールしてください。

$ sudo add-apt-repository ppa:teejee2008/ppa
$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get install timeshift

インストールするとメニューに登録されるため,普通に起動してください。UbuntuだとDashから起動できます。

コマンドラインから起動する場合は,次のとおりです。

$ sudo timeshift

バックアップ

図1が起動直後のウィンドウですが,主に使用するのは左上の5つのボタンのみです。バックアップするには,この[Backup]ボタンをクリックするだけです。バックアップは即座に実行され図2),完了するとリストに表示されます図3)。

図1 起動直後のメインウィンドウ

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図2 バックアップ実行中

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図3 バックアップ完了

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これ以上ないほどシンプルです。

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese Teamメンバーで,主として日本語入力関連を担当する。特定非営利活動法人OpenOffice.org日本ユーザー会。LibreOffice日本語チーム。ほか,原稿執筆も少々。

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