Ubuntu Weekly Recipe

第425回 MuseScoreで楽譜を作成する

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6月になり,梅雨の雨で外出を諦める日が増えてきました。仕方なく自室にこもり,特にやることもないので雨音に耳をすましていると,ふとした拍子にメロディやリズムが脳裏に浮かぶことがあるかもしれません。今回はそのような突然のインスピレーションに備え,Ubuntuで楽譜を作成するレシピをお届けします。

MuseScoreとは

今回のレシピでは,MuseScoreという楽譜作成ソフトウェアを扱います。楽譜作成ソフトウェアというと,本連載の第245回GNU Lilypondと,それをバックエンドに使うソフトウェアをいくつか紹介しました。MuseScoreの名前も言及していましたが,記事の趣旨ではなかったため十分に扱いませんでした。

MuseScoreは他の楽譜作成ソフトウェアと遜色ない,あるいはそれ以上の機能を持つ,十分に高機能なソフトウェアです。⁠一通りの操作を画面上で行える」⁠WindowsやOS Xでも動作する」というソフトウェアとしての強みの他に,⁠日本語の翻訳が充実している」⁠マニュアルが整備されている」⁠楽譜サンプルが豊富に蓄積されている」という,コミュニティによるユーザー支援の蓄積も持ち合わせています。

インストール

それではインストールしましょう。デスクトップ左にあるUnityのLauncherからUbuntu Softwareを起動します。ウィンドウが開いたら「musescore」を入力して検索を開始します。見つかったら,インストールボタンをクリックしてインストールします。ボタンではない部分をクリックした場合は,以下のようにソフトウェアの詳細を確認できます。

図1 Ubuntu SoftwareでのMuseScoore

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起動するには,この詳細表示上にある「起動」ボタンをクリックしてもよいですし,他のソフトウェア同様,UnityのDashから検索してもよいです。MuseScoreを起動すると,以下のウィンドウが開きます。

図2 MuseScoreのスタートセンター

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このウィンドウでは,新規に楽譜を作成したり,これまで作成した楽譜を選んだりできます。今回はサンプルを見る目的で,デフォルトで選択肢に登録されている「始めよう」楽譜を選択します。

メインウィンドウと補助ウィンドウ

以下がMuseScoreのメインウィンドウです。

図3 MuseScoreのメインウィンドウ

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ウィンドウの上部にはメインメニューがあります。Unityデスクトップはメニューを統合するよう設計されているため,ウィンドウ上部にある場合と,デスクトップ上部にある場合の2通りあるはずです。

その下にはツールバーがあります。たくさんのアイコンが並び,クリックすると固有の機能を利用できます。

ウィンドウの中央には楽譜ウィンドウがあります。楽譜を作成する主要な操作はここで行います。楽譜ウィンドウはタブ機能を持ち,複数の楽譜を開いている場合は対応するタブが設けられます。今回はMy_First_ScoreとGetting_Startedを表示するために2つのタブが見えているはずです。

内容の表示形式は,⁠ページビュー」という適当に画面右端で内容が折り返されるモードがデフォルトです。ツールバーで「連続ビュー」を選択すると,内容が折り返されずに表示されるモードになります。この場合,マウスを左クリックでドラッグし,表示されていない内容を見ることができます。

2つの楽譜を左右に並べることもできます。メニューバーの「表示」から「楽譜を左右に表示する」を選択すると,先程述べた2つの楽譜を左右に並べて表示します。

図4 2つの楽譜を左右に並べて表示

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メインウィンドウの左の領域はパレットと呼ばれます。楽譜上の音符を修飾する際に使う記号が並びます。メインウィンドウの右の領域はインスペクタと呼ばれ,楽譜ウィンドウにおいて現在選択されている「何か」の詳細を表示します。例えば音符が選択されていたらそのプロパティを,文字列が選択されていたらそのプロパティを表示します。それぞれの項目について,値を微調整することも可能です。

音符と休符の編集

音符を入力してみましょう。My_First_Scoreタブをクリックし,白紙の五線譜を表示します。ツールバーから適当な音符を選択します。メニューの「音符」から「音符入力モード」を選択し,音符を入力するモードにします。五線譜上に水色の四角い領域が出現します。マウスカーソルで音符を置きたい場所に移動し,左クリックして音符を配置します。

図5 音符入力モード

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「表示」メニューの「ピアノキーボード」を選択すると,鍵盤のインターフェイスを表示します。人によってはこちらの方が直感的かもしれません。

図6 ピアノキーボード

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より効率のよい入力方法として,キーボードショートカットを利用できます。音符入力モードのオンオフは「N」キーを押すことで,音符の選択は「1」ないし「9」キーを押すことで,音の高さ(音高)「A」ないし「G」キーを押すことで,休符の入力は同等の時間(音価)を表現する音符を選択してから「0」キーを押すことで実行します。カーソルキーの左右を押すと,入力場所を移動できる他,入力済みの音符を選択できます。音符入力モードでShiftキーとカーソルキーの左右を同時押しすると,音符を交換できます。

選択状態にある記号を増やすには,⁠Ctrl」キーを押しつつマウスをクリックします。小節内すべての記号を選択するには,記号がない場所をクリックします。また「Shift」を押しつつマウスで範囲を囲むとし,範囲内の音符をグループ選択できます。選択した記号のプロパティはインスペクタに表示されます。⁠Shift」キーとカーソルキーの「左」⁠右」のいずれかを同時押しすると,選択範囲を増やすことができます。この時,⁠Ctrl」キーも同時押しすると,小節単位で音符を選択状態にできます。

入力済みの音符を選択している場合は,カーソルキーの「上」⁠下」を押して音の高さ(音高)を変更できます。この時,⁠Ctrl」キーを同時押しすると,音高を1オクターブ変更できます。また,⁠Shift」キーおよび「Alt」キーを同時押した場合は,全音階で音高を変更します。⁠Q」キーあるいは「W」キーを押すと,音価を半減したり,倍増したりできます。

これらの操作は,あらかじめGetting_Started楽譜で練習しておくとよいでしょう。

著者プロフィール

坂本貴史(さかもとたかし)

Ubuntuのマルチメディア編集環境であるUbuntu Studioのユーザ。主にUbuntu日本コミュニティとUbuntu Studioコミュニティで活動。いつかユーザ同士で合作するのが夢。

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