Ubuntu Weekly Recipe

第451回 Raspberry Pi 3にUbuntu 16.04 LTSをインストールする(Raspbianカーネル編)

この記事を読むのに必要な時間:およそ 3.5 分

今回はRaspberry Pi 3のOSとしてRaspbianカーネルをインストールし,GNOME Flashbackを使用する方法を紹介します。

第450回との違い

第450回では,ARM/RaspberryPiにあるインストールイメージを使用する方法を紹介しました。今回はUbuntu Pi Flavour Makerにあるインストールイメージを使用する方法を紹介します。

両者の大きな違いは,前者はUbuntuでメンテナンスしているカーネルを使用しているのに対し,後者はRaspbianのカーネルを使用しています。またRaspbianで提供されている便利ツールも使用できます。

Raspbianは言うまでもなくRaspberry Piシリーズに特化されたLinuxディストリビューションなので,Raspberry Piシリーズで使う分には便利ですが,それはそれで癖があるためコツを知っておかないといけません。一方Ubuntuでメンテナンスしているほうは新たに覚えることは全くなく,普通のUbuntuとして使用できます。

どちらがいいかは一長一短なので,前回と今回を読み比べてみた上で選択してください。

インストール ステージ1

Ubuntu Pi Flavour MakerのDownloadページから[Ubuntu Server Standard 16.04]をダウンロードします。Ubuntuロゴをクリックするとtorrentファイルをダウンロードできます。これをTransmissionで開くとダウンロードを開始します図1)⁠

図1 Transmissionでtorrentファイルを読み込んだところ

画像

ダウンロードが完了したら母艦のUbuntuでmicroSDカードを認識させ,⁠ディスク]を起動します。イメージを転送するmicroSDカードを選択し,右上のハンバーガーメニュー(⁠三」のようなアイコン)をクリックし,⁠ディスクイメージをリストア]を選択します。ダウンロードしたインストールイメージを選択し,⁠リストアを開始]をクリック後,指示に従っていくと転送が始まります図2)⁠

図2 ⁠ディスク]でインストールイメージをリストアする

画像

完了後,Raspberry Pi 3にmicroSDカードを接続し,電源ケーブルであるMicroUSBケーブルを接続してください。

インストール ステージ2

Raspberry Pi 3から起動するとコンソールログインになります。初期ユーザー名/パスワードは共に"ubuntu"です(引用符は不要)⁠

まずは最初にapt updateを実行します。

$ sudo apt update

続いて最低限必要なパッケージをインストールします。avahi-daemonは必須として,vimユーザーはvimを,Emacsユーザーはemacsをインストールするといいでしょう。vimユーザーと仮定すると,コマンドでは次を実行します。

$ sudo apt install avahi-daemon vim byobu

以後はRaspberry Pi 3で実行してもいいですし,母艦であるUbuntuからsshでログインし実行してもいいですが,今回は後者と仮定します。

avahi-daemonパッケージがインストールされており,Ubuntu PCとRaspberry Pi 3の両方でAvahiデーモンが動作している場合は,次のコマンドでログインできます。

$ ssh ubuntu@ubuntu-standard.local

ssh接続するメリットの一つが,コピー&ペーストが簡単に行えることですが,次で早速役に立ちます。

パッケージのダウンロード元がマスターサーバーになっているため,とても遅いです。というわけで,/etc/apt/sources.listを次のように書き換えてください。

deb http://jp.archive.ubuntu.com/ports/ xenial main restricted universe multiverse
deb-src http://jp.archive.ubuntu.com/ubuntu/ xenial main restricted universe multiverse
    
deb http://jp.archive.ubuntu.com/ports/ xenial-security main restricted universe multiverse
deb-src http://jp.archive.ubuntu.com/ubuntu/ xenial-security main restricted universe multiverse
    
deb http://jp.archive.ubuntu.com/ports/ xenial-updates restricted main multiverse universe
deb-src http://jp.archive.ubuntu.com/ubuntu/ xenial-updates restricted main multiverse universe
    
deb http://jp.archive.ubuntu.com/ports/ xenial-backports restricted main multiverse universe
deb-src http://jp.archive.ubuntu.com/ubuntu/ xenial-backports restricted main multiverse universe

書き換えが終わったら保存します。

リポジトリを更新し,パッケージをアップデートします。次のコマンドを実行してください。

$ sudo apt update
$ sudo apt upgrade

最初のコマンドでエラーが出た場合は,sources.listのコピー&ペーストにミスがあった可能性があるので,確認してください。

ここまでは第450回とほぼ同じですが(微妙に違いもあるので,そこは見落とさないでほしいのですが)⁠ここからは大きく違ってきます。Raspbianにはraspi-configという便利なツールがあるため,これを使用します。とはいえインストールはされていないので,まずはインストールするところからです。次のコマンドを実行してください。

$ sudo apt install raspi-config

次のコマンドを実行し,rasipi-configを起動します。

$ sudo raspi-config

図3がraspi-configの起動直後の画面です。まずは[1 Expand Filesystem ]でエンターキーを押します。これだけでmicroSDの領域を限界まで使用します。すなわちmicroSDカードの容量が8GBだった場合,通常では4GBしか使用しませんが,これを実行すると8GBまで拡大します。

図3 raspi-configの起動直後

画像

[5 Internationalisation Options]に移動して,エンターキーを押します図4)⁠ここでは[I1 Change Locale]でエンターキーを押し図5)⁠⁠ja_JP.UTF-8 UTF-8]に移動してスペースキーを押してチェックを付け,Tabキーで[<Ok>]に移動してエンターキーを押します。続いて[ja_JP.UTF-8]を選択して[<Ok>]でエンターキーを押し,設定を完了します。

図4 ⁠Internationalisation Options]を選択する

画像

図5 ⁠Internationalisation Options]にはサブメニューがある

画像

続いて[I2 Change Timezone]でエンターキーを押し,⁠アジア][Tokyo]を選択して[<Ok>]をクリックします。

[I3 Change Keyboard Layout]でエンターキーを押し,⁠標準 105キー (国際) PC][日本語][日本語][キーボード配置のデフォルト][コンポーズキーなし]をそれぞれ選択し,[<Ok>]で終了します。

最後に[I4 Change Wi-fi County]でエンターキーを押し,⁠JP Japan]を選択して[<Ok>]でエンターキーを押します。

ここまで設定したら最初の画面に戻ってきて[<Finish>]でエンターキーを押します。⁠Would you like to reboot now?]で再起動します。

再起動後,いよいよ大量のパッケージをインストールします。次のコマンドを実行してください。

$ sudo apt install ubuntu-desktop gnome-session-flashback xserver-xorg-video-fbturbo dphys-swapfile

インストールには時間がかかるので,しばしお待ちください。ちなみに筆者の環境では37分かかりました。優秀なmicroSDカードだったようです。

続いて設定変更を行います。まずは/etc/X11/xorg.confを以下のように変更してください。このファイルはデフォルトでは存在しないので,作成してください。

Section "Device"
    Identifier "Raspberry Pi FBDEV"
    Driver "fbturbo"
    Option "fbdev" "/dev/fb0"
    Option "SwapbuffersWait" "true"
EndSection

ネットワークの設定をNetwork Managerで管理する場合は,/etc/network/interfacesの最下行とその上を次のように変更し,コメントアウトしてください。

# interfaces(5) file used by ifup(8) and ifdown(8)
# Include files from /etc/network/interfaces.d:
source-directory /etc/network/interfaces.d

# The loopback network interface
auto lo
iface lo inet loopback

#auto eth0
#iface eth0 inet dhcp

次のコマンドを実行して,カーネルを4.1から4.4にアップデートします(本記事掲載時点)⁠

$ sudo rpi-update

ここまで完了したら再起動してください。いよいよGUIでログインします。

著者プロフィール

あわしろいくや

Ubuntu Japanese Teamメンバーで,主として日本語入力関連を担当する。特定非営利活動法人OpenOffice.org日本ユーザー会。LibreOffice日本語チーム。ほか,原稿執筆も少々。

コメント

  • U-BOOTがSDカードを読みに行かない

    上記、
    「いったんここで再起動します。」
    とあるところでshutdown し、電源off/onしますと、
    u-bootでSDカードを読みに行かず起動できない様子です。

    なにか間違えやすい点などありますでしょうか。
    よろしくお願いします。

    Commented : #1  匿名 (2017/02/13, 00:50)

コメントの記入