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第455回知っておくべきLibreOfficeの便利な機能 Writer編

今回はLibreOffice Writerの便利な機能をざっくばらんに紹介します。

LibreOffice WriterとApache OpenOffice Writer

第448回に続き、LibreOffice Writerの便利な機能、もっといってしまえばApache OpenOfficeにはない機能を紹介していきます。もちろんたくさんあるため、ここで紹介できるのはごく一部だけです。

まずは次のスクリーンショットをご覧ください。図1がLibreOffice Writer、図2がApache OpenOffice Writerです。バージョンはそれぞれ5.2.4、4.1.3で、原稿執筆時点で最新版です。表示しているのはもちろん同一のドキュメントです。

図1 LibreOffice Writerのスクリーンショット
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図2 Apache OpenOffice Writerのスクリーンショット
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こうして見ると違いがわかりやすいですが、いくつかポイントを列挙します。

  • 図1はアイコンがフラットデザインで、やや大きい。図2はアイコンが古めかしく、小さい
  • 図1のツールバーはアイコンが多く、右端まで使用している。
  • 図1はフォントがくっきりしていて見やすい
  • 図1図2より表示面積が大きい(脚注の下のスペースで判断)
  • 図1のサイドバーは図2のそれより機能が多い
  • 図1の左下には文字数が表示されている
  • 図2にはページの罫線があるが、図1にはそれがない
  • 図1はスペルチェックが実行されている

その他にもありますが[1]⁠、もうこれだけでわかりやすさが段違いであり、LibreOffice Writerを使用するべき証左になっているといえます。

ヘッダーとフッター

Apache OpenOffice Writerでは、⁠書式][ページ]を開き、⁠ヘッダー]または[フッター]タブを開き、⁠ヘッダーを付ける]あるいは[フッターを付ける]にチェックを入れてヘッダーあるいはフッターを追加しますが、LibreOffice Writerではページの上部あるいは下部をクリックするとメニューが表示され図3⁠、⁠+]をクリックするとヘッダーあるいはフッターを追加できます。もちろんApache OpenOffice Writerと同じ方法にも対応しています。追加後、同じメニューをクリックすると削除や設定の変更ができます図4⁠。

図3 フッターを追加する場合は、このメニューの[+]をクリックする
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図4 フッターの削除や設定の変更ができる
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最初のページだけ違う内容のヘッダーあるいはフッターにするのも、簡単にできます図5⁠。

図5 ⁠最初のページと同じ内容]のチェックはApache OpenOffice Writerにはない
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コメント

コメントを入力したいところを選択し、⁠挿入][コメント]でコメントを挿入できます。Apache OpenOffice Writerでは選択範囲に制限がありますが、LibreOffice Writerでは制限がなく、コメントの入れ子もできます。

コメントの書式の変更や図6⁠、表示非表示の切り替えも簡単にできます図7⁠。

コメントを印刷する際、⁠マージンに配置]を選択すると画面と同じように右側に印刷できます図8⁠。

すなわちコメント機能はApache OpenOffice Writerよりもフレキシブルに使用できます。

図6 LibreOffice Writerではコメントのスタイルを一括で変更できる
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図7 右余白の上の[コメント]をクリックすると、このようにコメントを非表示にできる
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図8 ⁠マージンに配置]でページの右側に印刷できるのをプレビューで確認できる
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画像もLibreOffice Writerではいろいろなことができます。実際にコンテキストメニュー(右クリックメニュー)を比較してみましょう図9図10⁠。

図9 LibreOffice Writerの画像を右クリックし、コンテキストメニューを表示したところ
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図10 Apache OpenOfficeの画像を右クリックし、コンテキストメニューを表示したところ
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LibreOffice Writerには[トリミング⁠⁠、⁠外部ツールで編集⁠⁠、⁠置換⁠⁠、⁠圧縮⁠⁠、⁠保存⁠⁠、⁠回転]などがあり、画像でできることがたくさんあることがわかります。

[トリミング]は画像の表示領域を変更する機能です。⁠外部ツールで編集]は関連付けられているアプリケーションを呼び出し、編集できます[2]⁠。⁠置換]は画像を別のファイルに置き換えられます。⁠圧縮]は画像の圧縮方法の変更あるいはサイズの変更で、ファイルサイズを小さくできます図11⁠。⁠保存]は、その画像を保存することができます。⁠回転]は画像を90度ずつ回転できます。

図11 ⁠画像の圧縮]ウィンドウ
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文字カウント

[ツール][文字カウント]は、LibreOffice Writerでは情報量が多く、またこのダイアログを表示したままの編集が可能ですが図12⁠、Apache OpenOfficeではそのようなことはできません図13⁠。また、最初に見たとおりLibreOffice Writerでは画面左下に文字数が表示されるため、そもそも確認する回数が減っています。

図12 LibreOffice Writerの文字カウントダイアログ
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図13 Apache OpenOfficeの文字カウントダイアログ。大きいわりに情報量が少ない
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サイドバー

サイドバーにも違いがあります。⁠プロパティ]には[スタイル]があり、⁠スタイルと書式設定]はプレビューが表示されているため図14図15⁠、直感的にわかりやすくなっています。

図14 LibreOffice Writerの[スタイルと書式設定]
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図15 Apache OpenOffice Writerの[スタイルと書式設定]
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LibreLogo

LibreOffice WriterにはLibreLogoというLOGOの実行環境があります。⁠表示][ツールバー][Logo]がある場合は、これにチェックを入れて有効にしてください。UbuntuのLibreOfficeではデフォルトでは表示されませんので、その場合は"libreoffice-librelogo"パッケージをインストールした上でLibreOfficeを再起動してください。

LOGOはプログラミング言語であり、さまざまなことができますが、ここではサンプルを一つ紹介します。

LibreOffice Writerを開き、以下の内容を入力してください。

PENUP REPEAT 100 [

   FILLCOLOR [ANY, ANY]
   CIRCLE 20 + RANDOM 130
   POSITION ANY
]

あとはLogoツールバーの[Logoプログラムの実行]をクリックすると、カラフルな円がランダムでたくさん描画されます図16⁠。円一つ一つが編集可能なので、チラシの背景などに使えるのではないでしょうか。

図16 LibreLogoの実行例
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ラインマーカーと背景

LibreOffice Writerで[書式][文字]を開くと、⁠ラインマーカー]というタブがあります図17⁠。一方、Apache OpenOfficeでは[背景]というタブがあります図18⁠。両者は一見同じ機能です。

どんな違いがあるのかというと、ここでMicrosoft Wordが登場します。Microsoft Wordには[蛍光ペン][網かけ]機能があり、どちらも文字の背景を編集する機能です。しかし、両者のWriterには1種類しかありません。LibreOffice Writerでは[ラインマーカー][蛍光ペン]とするか、あるいは[網かけ]とするかを[ツール][オプション][読み込みと保存][Microsoft Office]で設定できます図19⁠。

図17 LibreOffice Writerの[ラインマーカー]タブ
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図18 Apache OpenOffice Writerの[背景]タブ
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図19 一番下に[次の形式でエクスポート]の選択ができる
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囲み線

[書式][文字][囲み線]が実装されました。Microsoft Wordと同じ機能です図20⁠。

ここにはとても紹介しきれませんが、LibreOffice WriterにはほかにもMicrosoft Wordとの相互運用性を向上する機能強化があります。

図20 LibreOffice Writerの[囲み線]タブ
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余白の非表示

ページとページの間で、ポインターが変更したところでダブルクリックすると、ページの余白を非表示にできます図21⁠。

図21 余白を非表示にしたところ
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SmartArtの読み込み

Microsoft WordのSmartArtで作成した画像を読み込むことができます図22図23⁠。なお、読み込むだけで編集はできません。

図22 Microsoft Word 2016のSmartArt
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図23 図22のファイルをLibreOffice Writerで読み込んだ。"e?"で改行しているのはフォントの違いと思われる
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段落の文字数

Apache OpenOffice Writerには1段落あたり65,535文字までという制限があります。しかしLibreOffice Writerではこの制限はなく、約21億文字まで拡張されました。すなわち16bitから32bitに拡張したということです。

最初にこの問題が報告されたのは2003年7月21日で、OpenOffice.orgの初期の頃でした。修正されたのが2014年1月15日で、LibreOfficeになったからこそ修正されたバグといえます。このように10年越しで修正されているバグというのも少なからずあり、LibreOfficeの開発の活発さをよく表しています。

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