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第474回 UbuntuとdarktableではじめるRAW現像入門

この記事を読むのに必要な時間:およそ 7 分

みなさん,写真撮ってますか?

スマートフォンの普及によって,デジカメ写真は本当に身近な存在になりました。近頃のスマートフォンは一昔前では考えられないほどいいカメラを搭載しているため※1)⁠日中の風景など,コンディションのよい状態の写真は十分綺麗に写ります。ところが「飛ぶ鳥を撮りたい」⁠満天の夜空を撮りたい」といったちょっと特殊なシチュエーションになると,スマホのカメラでは遠からず「物理の限界」がやってきます。この限界を突破するため,レンズ交換式一眼レフに手を出すのは生き物のサガと言っても差し支えないでしょう。

※1
機種によります。海外の廉価モデルなどの中には,本当にお話しにならないカメラを搭載したものも存在します。とりあえずiPhoneとXperiaのカメラは信用してよいと思います(個人の感想です)⁠

デジタルカメラは撮像素子が受光した情報をもとに,カメラ内部で様々な画像処理を施した上でJPEG画像を生成します。しかしJPEG圧縮することで当然画質は劣化しますし,画像生成の過程で情報の一部が失われることもあります。さらに言えば,カメラが行う画像処理が,自分の好みと異なるかもしれないという根本的な問題もあります。後からGIMPで編集するという手もありますが,一度圧縮されたJPEGに対して再編集と再圧縮を行うことになり,さらなる画質の低下を伴います。

そこで一眼レフや高級なコンデジには,RAWと呼ばれる撮影モードが備わっています。これは撮像素子が受光した情報に手を加えず,そのまま記録する機能です。⁠生」の情報がそのまま記録されているため,情報の欠落や画質の劣化がないだけでなく,カメラが余計な処理を加えないため,後から自分好みに加工できます。しかしあくまで生データのため「このデータを元に画像を生成する作業」が必要になります。この作業を「現像(developing)⁠と呼びます。

UbuntuでRAWデータを現像する方法は,第74回で紹介しました。とはいえこれは8年も前の記事。今とは状況も,筆者の使っている機材も,筆者の腕も変わっているはず。そこで今回はあらためて,写真現像ワークフローアプリケーション,darktableを使った今風なRAWデータの現像方法を紹介します。

darktableとは

darktableとは,写真の管理,閲覧,選別,現像,出力といった作業を一貫して行える写真現像ワークフローアプリケーション,一言でわかりやすく言えばAdobe Lightroomのクローンです。各種Linuxディストリビューションだけでなく,macOSやFreeBSD,Solarisにも対応しています※2)⁠

※2
ただし残念ながらWindowsのネイティブビルドは存在しません。公式のインストールドキュメントのWindowsの項を見ると「LinuxのLive ISOイメージを焼いてPCを再起動してみてください」と書いてあります。それはLinuxなのでは……。

darktableはUbuntuのUniverseリポジトリに含まれているため,aptでインストールできます※3)⁠

※3
より正確に言えばDebianのmainリポジトリに含まれているものをインポートしているわけなので,当然Debianでも同様の操作でインストールできます。
$ sudo apt install darktable

darktableのインターフェイス

Dashから「Darktable Photo Workflow Software」を起動してください。

図1 起動直後のdarktableの状態。

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darktableには大きく「ライトテーブル」⁠ダークルーム」⁠テザリング」⁠マップ」⁠スライドショー」⁠プリント」の6つのビューがあります。各ビューの概要を簡単に説明します。

ライトテーブル

写真のコレクションを閲覧するビューです。おそらくリバーサルフィルムを見るためのライトテーブル(ライトボックス)が名前の由来でしょう。写真の評価,タグとカラーラベルの追加,メタデータの編集,画像のエクスポート等もここから行います。

図2 ライトテーブルはフィルムロールやコレクション単位で写真を一覧表示するビュー。ここで対象のl写真を選択してから,各種処理を適用するのが基本フロー。

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ダークルーム

その名の通り,暗室です。様々な現像モジュールを駆使して,写真を現像するビューです。

図3 写真の現像を行う,darktableのメインビュー。右側パネルにある現像モジュールを駆使して写真に様々な効果を与えていく。

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テザリング

USBケーブルで接続したカメラから写真をインポートするビューです。特に難しいことはないので,本記事では省略します。

図4 USBで接続したカメラから写真をインポートする例。カメラのモードはMTP,USBマスストレージのどちらでも問題ない。

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マップ

写真に埋め込まれたジオタグを元に,地図上に写真を表示するビューです。手動で写真にジオタグを付加することもできます。筆者が使っていないため,本記事では省略します。

図5 ジオタグの埋め込まれた写真をインポートすると,自動的にマップ上にマッピングされる。くれぐれも自宅バレなどしないように注意。

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スライドショー

文字通り,現在のフィルムロールに含まれる写真をスライドショーで表示するビューです。本記事では説明しません。

プリント

選択した写真をプリンターで印刷するためのビューです。こちらも本記事では説明しません。

著者プロフィール

水野源(みずのはじめ)

Ubuntu Japanese Teamメンバー。理想のフリーデスクトップ環境を求めて東へ西へ……のはずが,気がついたら北の大地で就職していたインフラ寄りのエンジニア。株式会社インフィニットループ所属。

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