世界中のエフェクトデザイナーが注目している、最先端のエフェクトデザインツール
『Unity VFX Graph マスターガイド』
登壇者紹介
はじめに今回のイベントの登壇者を、イベントページから引用して紹介します。
- 秋山高廣氏
(『Unity VFX Graph マスターガイド』 著者) - 株式会社デジタルフロンティアにて映像系のエフェクトデザイナーとして勤務したのち、フリーランスのゲームエフェクトデザイナーとして活動を開始。2017年11月に合同会社Flypotを設立。現在はクリーク・アンド・リバー社が運営するクリエイティブアカデミーの講師としてゲームエフェクトを教える傍ら、書籍の執筆などをおこなっている。
- 高橋啓治郎氏
(ユニティ・ テクノロジーズ・ ジャパン株式会社 アドボケイト) - ユニティ・
テクノロジーズ・ ジャパン株式会社 アドボケイト。大手ゲームメーカーに10年間在籍の後、独立。フリーランスのプログラマーとしてiOS/ Androidアプリの開発に携わりつつ、Unityを使っての個人制作や、書籍の執筆等を手がける。現在はユニティ・ テクノロジーズ・ ジャパン株式会社にアドボケイトとして所属し、国内におけるUnityの伝導活動に勤しんでいる。
秋山氏による実演デモンストレーション
秋山氏によるデモンストレーションでは、書籍
参加者の中には、秋山氏のレクチャーを聞きながら持参した書籍に目を配り、デモンストレーションの内容と照らし合わせながら視聴している人もいました。
秋山氏による VFX Graphの実演
秋山氏は書籍の解説を交えながら、スクリーンに映し出された実演に沿って細かく説明をしていきました。
たとえば上記の実演では、TEXTURE_
質問コーナーでは参加者から鋭い質問も
デモンストレーション後には質問コーナーも設けられました。
会場から鋭い質問もありました。
「デモの一つで、リング状の5つの目盛りのうち、1つを伸ばして、そこにテクスチャを貼られているように見受けられました。であるとしたら、同じようなことがShader Graphでも実現できると感じました。VFX Graphでやるメリットは何があるのでしょうか。」
この質問に対して秋山氏は、次のように答えています。
「正確には、あれはテクスチャを貼っているのではありません。あの目盛りの1つ1つがパーティクルになっていると考えていただければ分かりやすいでしょう。
秋山氏と高橋氏によるパネルディスカッション
ここからはパネルディスカッションや懇親会で得られた情報をお届けします。
VFX Graphの魅力とは?
高橋氏はVFX Graphの魅力について、次のように語っていました。
「今までのパーティクルエフェクトシステムとは、プリセット
工夫の楽しさを味わえる点、作れるモノの選択肢が広がる点が、今までのシステムとの最大の違いです。
VFX Graphの需要とは?
また、高橋氏はVFX Graphの需要について、次のようにコメントしています。
「もう1つのVFX Graphの特徴として、今までのバーティクルシステムはCPUで動いていたのですが、VFX GraphではGPUを使ってバーティクルシステムを動かしています。GPUの強力なパワーを使って大量のバーティクルを動かせるので‟GPUの力を使って、もっと魅力的なコンテンツを作りたい”
スマートフォンなどのモバイルデバイス、PC問わず、今はGPUの方が圧倒的に計算能力を持っている時代です。そういった技術の進歩に適応していくためにも、VFX Graphの技術は必須だと考えています。現状、VFX Graph普及のボトルネックとなっているのは、極端に古いデバイスの存在です。6年前のAndroidスマートフォン向けのコンテンツを作ろうとすると、VFX Graphでは対応していないケースがあるため、古いデバイスとの互換性を考慮して作るとなると、ちょっとVFX Graphは使いづらいでしょう。ただ、徐々にこれから古いデバイスがリプレイスされて、みんなが新しいデバイスを持つようになると、それに伴ってVFX Graphの需要は増していくと考えています」
「エフェクトの面白さは余韻にある」
秋山氏はエフェクトデザイナーという仕事について、次のように見ているそうです。
「私にとって、エフェクトデザイナーという仕事の面白さは‟エフェクトの余韻を作ること”
余韻も意識したエフェクトを作り込めるようになると、クリエイターとして一段レベルが上がるはずです」
「フリーランスのデザイナーは自己研鑽の時間を意識的に作らないといけない」
フリーランスのデザイナーについて必要なことについても、話は広がりました。
高橋氏:フリーランスのデザイナーに必要なことは、自分で意識して
秋山氏:私が
高橋氏:たしかに、今回の書籍は秋山さんの知識をすべて詰め込んだような内容ですね
まとめ
パネルディスカッションは時折、参加者からの質問や意見も受け付けながら、終始和やかなムードで進みました。VFX Graphの使い方や魅力を知れるだけでなく、フリーランスデザイナーとしての仕事のスタンスやエフェクトデザイナーという仕事の面白さを再確認できるイベントでした。
なお懇親会では、当日に書籍を持参した人への