[入門]Debianパッケージ
2006年5月11日紙版発売
やまだあきら,鵜飼文敏 監修
A5判/400ページ
定価3,168円(本体2,880円+税10%)
ISBN 4-7741-2768-X
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書籍の概要
この本の概要
Debian GNU/Linux環境のシステム管理に欠かせない存在,「パッケージ」についてやさしく解説します。apt-get,aptitude,dpkgなどのツールの活用術,パッケージシステムのしくみ,パッケージングの基礎知識など,パッケージにまつわる幅広いトピックをカバーした1冊です。Debian GNU/Linux 3.1(sarge)対応。
こんな方におすすめ
- 日々の管理作業を効率的に行いたいDebianユーザの方
- パッケージ管理ツールを活用したい方
- パッケージを自分好みにカスタマイズしたい方
著者の一言
Debian環境を構成するのは「パッケージ」です。このためDebian環境の管理作業のいくらかはパッケージを扱うものになります。
本書ではパッケージ操作の基本から始めて,少し高度なテクニックまで説明します。さらに,既存のパッケージをカスタマイズする方法や自分のパッケージを作成する方法にも触れ,より高度なシステム運用の足掛かりになることを目指しました。みなさまのワークデスクの端に置いていただければうれしく思います。
目次
1章 Debianスタイル
- 1.1 Debianであること
- 1.1.1 Debianの特徴
- 1.1.2 Debian社会契約
- 1.1.3 Debianフリーソフトウェアガイドライン(DFSG)
- 1.1.4 Debianポリシーマニュアル
- 1.1.5 Debianの強み
- 1.2 配布物の分類
- 1.2.1 配布物とパッケージ
- 1.2.2 DFSGによる分類(セクション)
- 1.2.3 安定度による分類(ディストリビューション)
- 1.2.4 各分類のイメージ
- 1.2.5 優先度による分類
- 1.2.6 機能による分類(サブセクション)
- 1.3 Debianパッケージ
- 1.3.1 パッケージ
- 1.3.2 バイナリパッケージ
- 1.3.3 ソースパッケージ
- 1.3.4 パッケージのライフサイクル
- 1.4 Debianポリシーマニュアルから見るDebianの特徴
- 1.4.1 Debianポリシーマニュアルと,関連ドキュメント
- 1.4.2 システムファイルの配置方針
- 1.4.3 起動時に実行されるスクリプト
- 1.4.4 デフォルトコマンド
- 1.4.5 Debian設定管理システム(debconf)
- 1.4.6 システムユーザ,グループ
2章 パッケージの利用
- 2.1 パッケージの使い方
- 2.1.1 パッケージのとらえ方(パッケージ名とdebファイル)
- 2.1.2 パッケージのバージョン
- 2.1.3 パッケージ操作のためのツール
- 2.1.4 ツールとパッケージの関係
- 2.2 パッケージを使う(APT)
- 2.2.1 APTを使う手順
- 2.2.2 sources.listファイルの設定
- 2.2.3 パッケージ情報の更新(apt-get update)
- 2.2.4 パッケージを見つける(apt-cache)
- 2.2.5 パッケージのインストールと削除(apt-get)
- 2.2.6 メンテナスクリプト(インストール時設定など)
- 2.2.7 システムのアップグレード
- 2.3 APTの便利な使い方
- 2.3.1 pin
- 2.3.2 aptitudeコマンド
- 2.3.3 APT・aptitudeの設定
- 2.3.4 APT Tips
- 2.3.5 ヘルパーツール
- 2.4 落穂拾い ……APTの助手としてDPKGを使う
- 2.4.1 インストール済みパッケージの調査
- 2.4.2 パッケージを再設定する
- 2.4.3 パッケージ提供のファイルを変更する
- 2.5 セキュリティ対応
- 2.5.1 stableのセキュリティ対応(DSA)
- 2.5.2 testingのセキュリティ対応(secure-testing)
- 2.6 パッケージメンテナンス情報
- 2.6.1 パッケージ追跡システム(PTS)
- 2.6.2 バグ追跡システム(BTS)
3章 パッケージシステムの詳細
- 3.1 DPKGが管理する情報
- 3.1.1 DPKGが管理するデータの場所
- 3.1.2 システムのパッケージ状態(statusファイル)
- 3.1.3 利用可能なパッケージ情報(availableファイル)
- 3.1.4 各パッケージのメタ情報(infoディレクトリ)
- 3.1.5 ファイル置き換え情報
- 3.2 パッケージの一生とDPKG
- 3.2.1 dpkgコマンドで確認するパッケージの一生
- 3.2.2 DPKGによるパッケージのインストール
- 3.2.3 DPKGによるパッケージの削除
- 3.2.4 パッケージ操作と依存関係
- 3.2.5 メンテナスクリプトとパッケージ状態の遷移
- 3.2.6 変更されるファイル,されないファイル
- 3.3 DPKGを使ったパッケージ操作
- 3.3.1 dpkgコマンド
- 3.3.2 パッケージ情報の参照
- 3.3.3 debファイルを調べる
- 3.3.4 パッケージのインストールと削除
- 3.3.5 DPKG Tips
- 3.3.6 エラーと対処
4章 パッケージの作成と配布
- 4.1 パッケージ作成のための基礎知識
- 4.1.1 Debianポリシーマニュアルを読もう
- 4.1.2 バイナリパッケージの素(もと)
- 4.1.3 パッケージ開発環境
- 4.1.4 パッケージ構築のためのツール
- 4.1.5 パッケージ構築に必要な情報(debianディレクトリ)
- 4.2 debhelperスタイル
- 4.2.1 debhelperスタイルのdebianディレクトリ
- 4.2.2 debian/compatファイルとcompatレベル
- 4.2.3 debhelperスタイルのrulesファイル
- 4.2.4 debhelperを構成するコマンド群
- 4.2.5 debhelperスタイルのポイント
- 4.2.6 ケーススタディ ……helloパッケージの作成
- 4.2.7 パッケージのカスタマイズ方法
- 4.3 dpatchスタイル
- 4.3.1 dpatchスタイルの利点
- 4.3.2 dpatchスタイルのdebianディレクトリ
- 4.3.3 dpatchスタイルのrulesファイル
- 4.3.4 パッチファイルの管理
- 4.3.5 dpatchスタイルのポイント
- 4.4 CDBSスタイル
- 4.4.1 cdbsパッケージの特徴
- 4.4.2 cdbsターゲットの基本構造
- 4.4.3 debhelperルール
- 4.4.4 dpatchルール
- 4.4.5 tarballルール
- 4.4.6 cdbsパッケージが提供するクラス
- 4.5 メンテナスクリプト
- 4.5.1 メンテナスクリプトの引数
- 4.5.2 複数パッケージを同時に操作するケース
- 4.5.3 一般的な注意
- 4.5.4 パッケージ設定
- 4.5.5 debconfの使い方
- 4.5.6 ucfの使い方
- 4.6 パッケージのテスト
- 4.6.1 パッケージのテストの必要性
- 4.6.2 クリーンな環境でのテスト(debootstrap,cdebootstrap)
- 4.6.3 パッケージの再構築テスト
- 4.7 パッケージのカスタマイズ
- 4.7.1 構築方法を変えてパッケージを作り直す
- 4.7.2 ソフトウェアのバージョンアップ
- 4.8 パッケージの配布
- 4.8.1 APTのためのパッケージ情報
- 4.8.2 パッケージ配布のためのツール
Appendix
- Appendix A 新しいAPT/DPKG
- Appendix B Debian Tools
- Appendix C 参考文献