知りたい!サイエンスシリーズなぜ,体はひとりでに治るのか
―健康を保つ自然治癒の科学―

[表紙]なぜ,体はひとりでに治るのか ―健康を保つ自然治癒の科学―

四六判/256ページ

定価(本体1,580円+税)

ISBN 978-4-7741-4220-3

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書籍の概要

この本の概要

私たちの心身は,皮膚をすりむいたり,ウイルスに曝露したり,さらには自分自身で勝手に傷ついたりと,常にどこかが傷んでいます。にも関わらず,ほとんどの場合は本人が気づくこともなく,ほったらかしのまま治っています。

なぜこのような現象が起きるのでしょう? その現象の源は「自然治癒力」です。この機能によって,私たちはほとんどの日常を平穏に暮らせるのです。

本書は,そんな「自然治癒力」にフォーカス。「自己再生機能」と「自己防衛機能」の観点から,そのメカニズムや可能性について,わかりやすく解説していきます。自分を含む生物の体の認識が,ちょっと変わるかもしれまんよ。

こんな方におすすめ

  • 健康維持に関心のある方
  • 「病気ってなぜ治るのだろう」と不思議に思う方
  • 生物の身体メカニズムに興味津々な方

目次

第1章 体に備わる修復機能と防御機能

  • 1-1 自然治癒力って何だ?
  • 1-2 生まれながらに持っている病に打ち勝つ力
  • 1-3 自然治癒と幹細胞
  • 1-4 微生物をすまわせて病気や環境に抵抗する力を借りる 
  • 1-5 ホメオスタシスって何だ?

第2章 失っても元に戻る再生の力

  • 2-1 幹細胞からの分化と臓器細胞からの脱分化
  • 2-2 付加再生と形態調節
  • 2-3 大量生産・大量消費の血液細胞
  • 2-4 骨折は自然治癒の代表
  • 2-5 たかが風邪に対しても全力で立ち向かう
  • 2-6 血が止まるのはなぜ?――止血と血管再生
  • 2-7 アキレス腱を切っても自然に治る仕組み
  • 2-8 骨格筋の再生能力
  • 2-9 脳も再生しちゃう!
  • 2-9 失語症の回復メカニズムに見る脳の自然治癒
  • 2-11 ホメオスタシスの要,皮膚の再生
  • 2-12 きり傷やすり傷はどうして治る?
  • 2-13 切っても切ってもまた元どおり――肝再生
  • 2-14 小腸は日々再生している!
  • 2-15 入れ歯のなくなる日は来るか?

第3章 敵だらけの世の中を生き抜く免疫のメカニズム

  • 3-1 自然免疫による即時対応と,獲得免疫による情報記憶
  • 3-2 自然免疫の主役は白血球
  • 3-3 自然免疫が敵を見分ける単純な仕組み
  • 3-4 マクロファージは何をするか?
  • 3-5 複雑なサイトカインの仕組みをわかりやすく考えてみる
  • 3-6 自然免疫における貪食の仕組み
  • 3-7 天然の殺し屋――ナチュラルキラー細胞
  • 3-7 獲得免疫による自然治癒と病気抵抗性メカニズム
  • 3-9 侵入者と戦う細胞――獲得免疫編
  • 3-10 免疫細胞はガン細胞にも立ち向かう
  • 3-11 病気になることを予告する親切な自己抗体
  • 3-12 自律神経と免疫の深い関係
  • 3-13 “笑い”の効果の科学的検証

第4章 次々に発見される自然治癒と生体防御のシステム

  • 4-1 自然治癒する人間の神経細胞
  • 4-2 単なる脂と思うなよ! 脂肪細胞がガンを治癒
  • 4-3 皮膚の外に,にゅ~っと手を出す免疫細胞の発見
  • 4-4 自分の遺伝子を自分の遺伝子による攻撃から守る

第5章 脳や免疫系,心の作用による免疫システム

  • 5-1 本当に病は気からか?
  • 5-2 ストレスと疾患の関係
  • 5-3 プラセボ効果

第6章 人間にはない動物たちの驚異の自然治癒

  • 6-1 イモリやサンショウウオは,切った足も生えてくる
  • 6-2 イモリは眼球も再生する
  • 6-3 2つに切断したら2匹になって生き続けるプラナリア
  • 6-4 昆虫の足の再生
  • 6-5 組織再生の根本原則にあるアクチビンメカニズム

第7章 医療技術と自然治癒力

  • 7-1 人工的自然治癒となる再生医療
  • 7-2 東洋医学と自然治癒
  • 7-3 自然治癒力を向上させる方法はあるか

著者プロフィール

中西貴之(なかにしたかゆき)

1965年,山口県下関市彦島生まれ。山口大学大学院応用微生物学修了。現在,総合化学メーカー宇部興産株式会社有機化学研究所で鋭意創薬研究中。趣味は中学時代に始めた写真。前著書で「腕が鈍って困っている」と書いた直後に写真雑誌の月例コンテストに入賞。これをもって最近の信念は「口に出せば願いはかなう」。地元下関の伝統芸能「平家踊り」では音頭取りを務める変わった研究者。著書に『最新科学おもしろ雑学帖』『人を助ける へんな細菌すごい細菌』(技術評論社)。日本質量分析学会,日本科学技術ジャーナリスト会議会員。