現場の即戦力シリーズ見てわかる高速回路のノイズ解析
2012年5月10日紙版発売
前田真一 著
A5判/260ページ
定価3,058円(本体2,780円+税10%)
ISBN 978-4-7741-5073-4
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書籍の概要
この本の概要
本書は,初心者を読者対象とし,オームの法則以外はなるべく数式を使わずに,高速デジタル回路に関わるノイズ現象と解析用シミュレータを分かりやすく解説しています。
デジタル回路が高速化するに伴って,伝送線路のノイズがシステム設計において大きな問題になっています。本書では,伝送線路の波形やノイズについて検討し,伝送線路シミュレータについて知るために必要な電子回路を基礎から学べるよう構成しています。
高速デジタル回路で発生する実際のノイズについて,ノイズの種類ごとにその発生のメカニズムと,結果としてどのようなノイズが発生するかを理論的に説明しています。高速デジタル回路や伝送線路シミュレータを使う上での「こつ」についてもまとめられている点もユニークです。“見てわかる”ように,具体的な回路図を用いて高速回路のノイズ解析がやさしく解説されていますので,はじめて電子回路設計技術を学ぶ方・学生にも役立つ技術書です。
こんな方におすすめ
- 電子回路システムの設計者
- 各種電子機器設計者
- 電子機器使用者
- 電子機器のノイズ対策に従事している技術者
- はじめて電子回路設計技術を学ぶ方・学生
目次
1章 伝送線路の基礎
- 1.1 パルス波形の定義
- 1.2 ノイズとタイミング
- 1-3 スレッショルドレベル(閾値)
- 1.4 ジッタ
- 1.5 オームの法則,電圧源と電流源
- 1.6 素子の直列接続,並列接続
- 1.7 位相
- 1.8 キルヒホッフの法則,テブナンの法則
- 1.9 直流と交流
- 1.10 インピーダンス
- 1.11 R,L,C をつないでみる(1)
- 1.12 R,L,C をつないでみる(2)
- 1.13 時定数
- 1.14 特性インピーダンス
- 1.15 集中定数回路と分布定数回路
- 1.16 超高速信号と基板配線
- 1.17 インピーダンスコントロール
- 1.18 信号の伝播速度
- 1.19 ダイオードの特性(非線形素子)
- 1.20 V-I 特性によるトランジスタ回路の記述
- 1.21 ドライバの出力インピーダンスとV-I特性
- 1.22 IC のドライブ能力
- 1.23 フーリエ解析
- 1.24 時間軸と周波数軸
- 1.25 損失による波形歪み
2章 ノイズの理論
- 2.1 信号にのるノイズと電源にのるノイズ
- 2.2 負荷の影響
- 2.3 ドライブ能力とステアステップ
- 2.4 反射の理論
- 2.5 反射とその発生メカニズム
- 2.6 反射をなくす終端技術
- (1) 並列抵抗終端
- (2) テブナン終端
- (3) AC 並列終端
- (4) 直列終端
- (5) ダンピング抵抗
- (6) ダイオード終端
- 2.7 デイジーチェイン(一筆書き配線)
- 2.8 クロストーク
- (1) 容量結合モード
- (2) 誘導結合モード
- (3) リターンパス
- (4) 過渡信号のリターンパス
- (5) 近端クロストークと遠端クロストーク
- (6) クロストークを減らすには
- 2.9 同時スイッチングノイズとパワーインテグリティ
- (1) パワーインテグリティ(PI)
- (2) 電源供給回路(PDN)
- (3) バイパスコンデンサの効用
- (4) バイパスコンデンサの使い方
- (5) ターゲットインピーダンス
- 2.10 ビアの影響
- 2.11 スイスチーズ効果とリターンパス
- 2.12 サーマルシフト
- 2.13 基板の精度
- 2.14 電磁ノイズ
- 2.15 アンテナ
3章 シミュレータとモデル
- 3.1 構想設計段階でのシミュレータ
- 3.2 フロアプランニングとシミュレータ
- 3.3 設計終了時のシミュレータでの確認
- 3.4 わからなくてもシミュレータは使える
- 3.5 わかっていなければシミュレータは使えない
- 3.6 問題を直接解いていない
- 3.7 手抜きが1つのノウハウ
- 3.8 SI シミュレータ
- 3.9 Spice,非Spice
- 3.10 Spiceシミュレータ
- 3.11 Spiceベースの伝送線路シミュレータ
- 3.12 非Spiceベースの伝送線路シミュレータ
- 3.13 モデルが大切
- 3.14 SpiceモデルとIBIS モデル
- 3.15 回路素子モデル(終端モデル),パッケージモデル
- 3.16 サブモジュールモデル
- 3.17 伝送線路モデル
- 3.18 Spiceモデル
- 3.19 Sパラメータモデル
- 3.20 IBISとSパラメータモデル
- 3.21 タッチストーンフォーマットの定義
- 3.22 IBIS モデルの環境
- 3.23 IBIS モデルの概要
- 3.24 IBIS モデルとSpiceモデルの精度の違い
- 3.25 IBISモデルの新しい機能
- 3.26 フィールドソルバ
- 3.27 EMI 解析
4章 なぜだろう,なんだろう
- 4.1 なぜ50 Ω?
- 4.2 ディジタル信号の周波数とは?
- 4.3 実測,シミュレーション
- 4.4 実測の注意点
- 4.5 TDR 測定法
- 4.6 LVDS / GTL
- 4.7 差動信号
- 4.8 差動ドライバ(LVDSとCMOS)
- 4.9 差動配線設計
- 4.10 配線トポロジー
- 4.11 テスト端子とアンテナ
- 4.12 終端の位置
- 4.13 IC のばらつき
- 4.14 電源の低圧化
- 4.15 シリアル/パラレル
- 4.16 パラレルバスとシリアルバス
- 4.17 パラレルバスのクロックとデータ転送速度
- 4.18 シリアルバスのクロックとデータ転送速度
- 4.19 PCI 並列バス
- 4.20 バス設計の考え方
- 4.21 エンファシス
- 4.22 データ依存ジッタ(DJ)
- 4.23 層間クロストーク
- 4.24 電源層のブロック化
- 4.25 基板のシールド
- 4.26 IBIS チェック
- 4.27 理想的なドライバ