組み立て×分解!ゲームデザイン
――ゲームが変わる「ルール」のパワー

[表紙]組み立て×分解!ゲームデザイン ――ゲームが変わる「ルール」のパワー

A5判/208ページ

定価(本体2,380円+税)

ISBN 978-4-7741-7944-5

電子版

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書籍の概要

この本の概要

ゲームの基本にある「ルール」に焦点を当てた,ゲームデザインの入門書。 お手本のない,オリジナルのゲーム作り。そこには,無数に思える選択肢があります。ゲーム作りは,どのように進めれば良いのでしょうか。本書では「アルゴリズム」「ルールの組み替え」「対称性」「自由と制約」という切り口のもと基礎事項から徹底解説。実在するシンプルかつ少し風変わりな例を用い,試行錯誤と決断の過程,考え方をたどりながら,ゲームを司るしくみを探ります。こんなゲームを作りたい!と思ったそのとき,ひらめきを形にするための秘訣が満載です。

こんな方におすすめ

  • どのような過程を経てゲームがデザインされているのかに,興味をお持ちの方々
  • 入門書などのお手本どおりのゲーム作りから,一歩先に進みたい方々
  • オリジナルのゲーム作りに関心をお持ちの方々(会社の研修でゲームを作る方/学校の卒業制作でゲームを作る方)

本書の構成

自分のゲームを作りたいと思うものの,入門書に載ったお手本の範囲から一歩抜け出せない人に向けて,本書は書かれました。シンプルで少し変わったゲームを作った際の過程を辿り,そこで利用した手法を解説することで,自分のゲームを作る際に,考え方の糸口として活用できる内容となっています。

第1章 ゲームデザインを行う前に

[キーワード]レベルデザイン,プログラミング,題材
ゲームの開発にはさまざまなプロセスが含まれていますが,本書の内容は,そのすべてを対象としたものではありません。本書では扱わなかった部分について,割愛した理由と共に,ゲーム開発における役割や,扱う際の注意点を解説します。

第2章 アルゴリズムからゲームを作る

[キーワード]アルゴリズム,予想外
ジャンルを決めてからゲームを作り始めるような,最初にプレイヤーの目的を決定する作り方は,完成形が見えやすい反面,その目的を意識するあまり,予想の範囲に収まってしまうことが起こりがちです。アルゴリズムという,通常ならば裏方となる部分からゲームを考え始めることで,その内容を,当初は予想しなかった方向へと導きます。

第3章 ルールを組み替えてゲームを作る

[キーワード]組み替え,単純化
新鮮さや奥深さを出すために,ゲームに新要素を追加することは珍しくありませんが,次第に複雑化して,理解の難しいゲームになってしまう危険性も忘れてはなりません。要素の削ぎ落としと追加を同時に行う,組み替えとも言える方法を用いて,そのような状況を避けつつゲームを再構築します。

第4章 対人ゲームから一人用ゲームを作る

[キーワード]対称性,アレンジ(翻案)
誰もが知っているほど良いゲームを参考にした結果,同様に参考にした誰かのゲームと,似通ってしまう可能性は否定できません。まだ手付かずで,それでいて良いゲームを見つけるために,ボードゲームをはじめとする対人ゲームにまで対象を広げて,一人用ゲームへの改変を強引に進めます。

第5章 自由と制約の関係を考える

[キーワード]自由と制約,視点の違い
行動の自由さはゲームの大きな魅力になりますが,使い方によっては,多過ぎる選択肢にプレイヤーが戸惑ったり,また,ゲームを台無しにする選択肢を作ってしまったりと,それは表裏一体の危険性とも隣り合わせです。ゲームとして成り立たせるための制約を与えた上で,自由さとも共存させる方法について考えます。

Appendix 基本用語の整理

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本書のサンプル

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目次

はじめに

本書の構成

プロローグ

目次

想定している読者と前提知識について

本書の補足情報について

第1章 ゲームデザインを行う前に

本書では扱わない内容

  • レベルデザイン
  • プログラミング
  • 良い題材の見つけ方

本書で扱う内容

本書における「ルール」の扱い

  • 現実のルールと,ゲームのルール
  • ルールの示す範囲

Column 不満と共感

第2章 アルゴリズムからゲームを作る

アルゴリズムとは何か

  • 単純なアルゴリズム
  • アルゴリズムが集まると
    • [Note&Rules]判定とゲームの関連性
      • 「ガールズモード」(GIRLS MODE)シリーズ/「シムシティ」シリーズ

ルールとアルゴリズム

    • [Note&Rules]知らないことは強みになるか
      • 『パックマン』/『塊魂』

「燃え広がる」アルゴリズム

    • [Note&Rules]セルオートマトン
      • 『ライフゲーム』(Conway’s game of life)

不完全は欠点か

    • [Note&Rules]ゲームとメディアアート
      • 『無限回廊』/『OLE Coordinate System』

プレイヤーへの制約を考える

  • 火をつける回数
  • 燃え尽きるまでの時間
    • [Note&Rules]身体性は,画面の外の戦略性
      • 『Touch the Numbers』/『ダンス・ダンス・レボリューション』/モグラ叩き

自機という制約

  • 自機の存在による制約
    • [Note&Rules]マップを変化させるアクションゲーム
      • 『QIX』/『ディグダグⅡ』

形状が生む制約

    • [Note&Rules]形状の向き不向き
      • 『テトリス』

循環する構造

    • [Note&Rules]循環型パズルの登場
      • 『Lot Lot』

難易度の変化に潜む問題

    • [Note&Rules]レベル内の難易度を保つ方法
      • 『スペースインベーダー』/『ギャラクシアン』/『ディグダグ』/『バブルボブル』

強制スクロールの力

    • [Note&Rules]スクロールの種類
      • 『スーパーマリオブラザーズ』/『パックランド』

スネークゲームという方法

    • [Note&Rules]潜むスネークゲーム要素
      • 『パックマン チャンピオンシップ エディション DX』/『Nimble Quest』

机上で済む部分,空論になる部分

    • [Note&Rules]ターン制の注意点

リスクとリターン

    • [Note&Rules]複数の目的
      • 『カタチのゲーム まるぼうしかく』/『燃やすパズル フレイムテイル』

Column 決めるのは誰か

第3章 ルールを組み替えてゲームを作る

足して作るか,引いて作るか

  • 先祖返る
  • 駄目になる
    • [Note&Rules]単純化とジャンルの誕生
      • タワーディフェンス/育成ゲーム/脱出ゲーム

組み合わさる要素

  • 撃つだけで,避けない
  • 避けるだけで,撃たない
    • [Note&Rules]避けないシューティングゲーム
      • 『ミサイルコマンド』/『クォース』/『パズルボブル』

緩急の作り方

    • [Note&Rules]位置による緩急
      • 『Qバート』

接触による影響

    • [Note&Rules]接触以外の影響
      • 『ORBIENT』/『メタルギア』

点・線・面

  • 空間を満たすもの
    • [Note&Rules]弾幕と点・線・面
      • 弾幕シューティング

ゲームとインフレーション

    • [Note&Rules]パズルゲームの難易度とインフレーション
      • 『くるくるアクション くるパチ6』/『パズルクエスト〜アガリアの騎士〜』

二種類の誘爆

  • 自分は巻き込まれない誘爆
  • 自分も巻き込まれる誘爆
  • 問題点を探る
  • 問題点のさらなる原因を探る
    • [Note&Rules]爆発の形
      • 『ボンバーマン』/『ちゃっくんぽっぷ』

パワーアップの意味

    • [Note&Rules]時間分割と空間分割
      • 格闘ゲーム

投機的要素の扱い

  • 柱の寿命を短くする
  • 爆発の発生条件を,柱と爆弾の接触に変更する
  • 柱は一定間隔で,強制的に立てるようにする
    • [Note&Rules]良い投機的要素
      • 『モノポリー』

慣性と操作性

  • 速度を出すことが有利になる
  • 画面端が活用しやすくなる
    • [Note&Rules]慣性の良し悪し
      • 『エクセリオン』

Column 否定的ノウハウ

第4章 対人ゲームから一人用ゲームを作る

スポーツと対称性

    • [Note&Rules]テーブルゲームと対称性
      • トレーディングカードゲーム/『スコットランド・ヤード』/『汝は人狼なりや?』

コンピュータゲームと対称性

    • [Note&Rules]想像力と妄想力
      • ブロック崩し/『スペースウォー!』/『コンピュータースペース』

勝ち負けの喪失と,その代替

    • [Note&Rules]クリアと手詰まり
      • 『ことばのパズル もじぴったん』/『Scrabble』/『ZOO KEEPER』

さらなる制約

    • [Note&Rules]循環型と圧縮型
      • 『Threes!』/『もうぢや』/『マネーアイドルエクスチェンジャー』

改良の果てに

    • [Note&Rules]許せるランダム,許せないランダム
      • ローグライク/ダイスロール/『マインスイーパ-』

ひとまずの完成と,本当の完成

    • [Note&Rules]成長要素の二つの役割
      • 「ペグソリティア」/『ハイドライド』

Column 二種類の企画書

第5章 自由と制約の関係を考える

分解されたルールが作るもの

    • [Note&Rules]分解されなかった部分の扱い
      • 『The Sims』

『パネキット』の内容

ゲームとしての自由

    • [Note&Rules]バランスとスケール
      • 『マインクラフト』

異なる視点

    • [Note&Rules]ゲームからツールへ
      • 『カルネージハート』/『ロードランナー』/『スーパーマリオメーカー』

自由が生む混乱

    • [Note&Rules]数値の力
      • 『どうぶつの森』

意識すること

Column 没企画の行方

おわりに

エピローグ

Appendix 基本用語の整理

索引

プロフィール

著者プロフィール

渡辺訓章(わたなべくにあき)

著者
80年代のマイコンブームに乗せられてゲームを作り始め,そのまま飽きずに現在に至る。代表作は『パネキット』(ソニー・コンピュータエンタテインメント,原作・物理シミュレーションプログラム・他),および,『カタチのゲーム まるぼうしかく』(任天堂,原作・一部プログラム)。
Twitter:@k_u


やまい

イラスト
会津大学コンピュータ理工学部卒。代表作は「剣と魔法と学園モノ。シリーズ」(アクワイア)。他,ソーシャルゲームなど。ずっと犬派だったが,最近放置されていた子猫を保護してしまったことで猫の魅力に取り憑かれている。
Twitter:@yamai