[改訂2版]Oracleの基本 〜データベース入門から設計/運用の初歩まで

著者の一言

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Oracle Database(以下,Oracle)は,非常に多くの企業向けシステムで使われているデータベース製品です。企業向けシステムに関わるエンジニアにとって,Oracleの知識は必要不可欠なものであり,その知識の証明としてオラクル社によって「ORACLE MASTER」という資格試験が定められています。システム開発/運用の企業に就職した新人エンジニアの中には,⁠会社からORACLE MASTERの受験が義務付けられている」という方もいるかもしれません。

しかし,いざ,Oracleの勉強をはじめたり,Oracleの実務に携わると,こんなことを実感するのではないでしょうか。

  • 「多種多様な機能がありすぎて,どう使いこなせばいいのかわからない」
  • 「Oracleだけで使われる独自用語がたくさんあって,頭が混乱する」

また,システム開発/運用の実務におけるOracleとのかかわり方は,Oracleの使い方だけでありません。データの更新や参照,アプリケーション開発,テーブル設計,データベース運用など多岐にわたります。

にもかかわらず,これまでの市販の入門書やORACLE MASTER試験対策本の多くでは,Oracle単体の機能やしくみに閉じた狭い視点で,Oracleの用語説明をベースにした解説に終始してしまい,Oracleの全体像やシステム開発/運用の実務におけるOracleの役割を理解しにくい傾向にありました。

そこで,本書はOracle独自の用語の使用を最小限にとどめ,次の2点を考えながら執筆しました。

  • 平易な表現を用いてOracleを解説すること
  • データベース,Oracle,開発,設計,運用の基本について広くさまざまな視点から学べること

これらの解説ノウハウは,弊社コーソルの新人教育で培われたものです。コーソルの新人教育には,約2週間という短い期間で多くの新卒エンジニアをORACLE MASTER Bronze DBAに合格させているという実績があります。さらに最近では,IT未経験の新人エンジニアが,入社から2年半で,ORACLE MASTER Platinum(2日間の実技試験により認定されるORACLE MASTERの最上位資格)を取得するような例も出てきています。本書には,コーソルの新人エンジニアの生の声を反映させ,ノウハウを惜しみなく注ぎ込みました。

この本を手にとっていただいたみなさんには,Oracleやデータベースを学びはじめる最初の1冊として,ぜひ役立てていただければと思います。

(本書「はじめに」より)

著者プロフィール

渡部亮太(わたべりょうた)

Oracle Database製品サポートに従事したのち,現在は企画/技術広報業務およびコーソル全体の技術力向上活動を行う。講演および執筆実績多数。福岡在住。日本で7人しかいないOracleACE(Oracle Database)の1人。Japan Oracle User Group(JPOUG)共同設立者,ボードメンバー。ORACLE MASTER Platinum Oracle Database 10g,11g,12c保有。最近の楽しみは11歳の息子とタッチラグビーをすること,ラグビーを観戦すること。日本開催のラグビーワールドカップ2019では,息子と一緒に日本 vs サモアを含む全6戦を観戦した。


舛井智行(ますいともゆき)

Oracle Databaseに関するサービス(設計/構築/運用)業務を経て,現在は企画&マーケティング部門で取扱製品拡販,プロモーション活動を行う。最近はOracle Databaseでなく,複数DB製品を一元管理できるDatabase Performance Analyzer(DPA),Oracle SE2向け災害対策製品Dbvisitやデータベース管理製品Toadの拡販に力を入れている。趣味は株とライトノベル。


岡野平八郎(おかのへいはちろう)

独立系ソフトハウスで約4年間DB2,SQL Serverの運用管理を担当した後,スキルアップできる環境があり,行動指針にも共感できたコーソルへ2006年4月に転職。現在はOracle Databaseの技術支援を行う傍ら,チームの「ご意見番」として,蓄積した技術や対応スキルなどを惜しみなくメンバーへ伝えている。ORACLE MASTER Platinum Oracle Database 12c(1番乗り)など,保有資格は多数。趣味はソロスタイルのアコースティックギター。


峯岸隆一(みねぎしりゅういち)

2006年コーソルに中途入社後,Oracle製品のサポート業務を経て,現在は企画&マーケティング部門で検証/拡販業務を行う。Oracle Database,SQL Server,Postgre SQLなどの複数DB製品に対応した管理/運用製品を主に担当している。ORACLE MASTER Platinum Oracle Database 10g,11g,12c保有。問題解決するまであきらめない「しつこさ」が武器。趣味はスポーツ観戦。


日比野峻佑(ひびのしゅんすけ)

コーソルへ新卒で入社。Oracle Database製品のサポート業務を経験したのち,現在はVMware製品のサポートに従事。Oracleに次ぐコーソルの柱を築くべく,新部署の拡大に勤しんでいる。趣味は料理。料理で渡伊した異色の経歴を持ち,社内行事ではコーソルの専属シェフとして腕をふるっている。ORACLE MASTER Platinum Oracle Database 11g,VMware Certified Implementation Expert VCIX6-DCV,VMware Certified Advanced Professional VCAP7-DTM保有。


相川潔(あいかわきよし)

SIerにてシステム開発(要件定義から実装,運用まで)を経験後,より専門性の高いスキルを習得すべくコーソルへ転職。コーソルで10年勤務したのち,合同会社リシテを起業。仕事では経営者とエンジニア,家庭では夫と二児の父と複数の立場で奮闘中。好きな食べ物はカキフライ。仕事のモットーは「困ったときこそシンプルに考える」。


株式会社コーソル(かぶしきがいしゃこーそる)

Oracleを中心にデータベースの設計,導入・構築,運用管理,保守・サポート,コンサルティング等,「Oracle Database技術」の強みを活かしたビジネスを展開。「CO-Solutions=共に解決する」の理念のもと,「データベース技術」×「サービス」を軸とし,高い技術をもとにお客様へ“心あるサービス”を提供し続けることにこだわっている。ORACLE MASTER Platinum保有者を含む経験豊富なエンジニアがリモートでデータベースの定常業務から障害発生時の対応を24時間365日で行う「リモートDBAサービス」などを展開。東京・福岡・カナダの3拠点ですべて日勤帯で対応するフォロー・ザ・サン体制をとることにより,サービスの安定提供を実現している。また,サードパーティ製のデータベース関連製品の取り扱いを拡充し,導入からサポートまでワンストップで提供を行っている。エンジニア社員の「ORACLE MASTER」の保有率は88%に及び,その内の40%は2日間の実技試験をもって認定される最上位資格ORACLE MASTER Platinumを取得している。世の中に必要とされるデータベースエンジニアを育成すべく,社員教育には心血を注いでおり,技術者を数多く育成した企業に贈られる「Oracle Certification Award」を10年連続で受賞。2022年6月時点で,企業別ORACLE MASTER Platinum取得者数ランキング国内No.1。働きやすい職場環境を目指しており,2016年1月に厚生労働省認定「子育てサポート企業」の証である,くるみんマークを取得。男性育休取得率も60%を超え,2019年10月に厚生労働省主催「イクメン企業アワード2019」グランプリを受賞。