Webデザイナーなら知っておくべき サーバ知識相談室

第5回 wwwありとなしはどっちがいい? サブドメインは0円? DNSサーバの疑問を一挙解決

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今回は,前回説明した「ドメイン」に深く関わっている,⁠DNSサーバ」がテーマです。そもそもDNSサーバのDは「ドメイン」ですから,この2つは切っても切れない関係です。でも,この2つがどう関係しているのかはちょっと見えにくいですよね。

ドメインとDNSの繋がりを理解すると,例えばWebサイトがきちんと表示されないときに「DNSサーバが設定されていないから見えないのか?」それとも「Webサーバまではたどり着いているけれど,Webサーバやページの設定が間違っていて見えないのか?」という原因の切り分けができるようになります。

Webデザインそのものとは直接関係ありませんが,DNSサーバを知っておけば,本業でない箇所でのつまづきが減りますので,しっかり理解しておきましょう。

プロローグ:ドメインを買っただけじゃサイトは見られない?

ここは企業のWebサイトの構築を専門としているA社の一室。ポートフォリオサイトを作るべく,ドメインを買ったWebデザイナーと,その相談に乗るインフラエンジニアがいました。

Webデザイナー「ドメイン買ったんだよ!」

エンジニア「おめでとうー」

Webデザイナー「ちゃんとWhoisも登録したよ。でさ,最初はレンタルサーバ借りてそこにWordPress入れようと思ってたんだけど,Tumblrでも独自ドメインつけられるらしいんだよ」

エンジニア「…あ,ほんとだ。Tumblrに登録すると○○.tumblr.comっていうドメインも最初に貰えるけど,同じサイトを独自ドメインでも表示できるんだね」

Webデザイナー「そう! 独自ドメインでできるなら,ポートフォリオサイトはTumblrでやりたいと思って」

エンジニア「最近は個人だけじゃなくて企業のサイトもTumblrにするケースが多いよね。ニュースで取り上げられてたタートルタクシーとか。あとアイドルグループのでんぱ組.incなんかもTumblrで公式サイトを構築してるね」

Webデザイナー「でしょ! それで俺のTumblrをtumblr.○○.comで表示したいんだけどさ,どうやるの?」

エンジニア「ドメインとTumblrがのってるWebサーバの組み合わせを,DNSサーバに登録すればいいのよ」

Webデザイナー「ああ,またそういうよく分かんないこと言う!」

エンジニア「あー,そうだよね。ドメイン買った後に,何をしたらサイトが見られるか?って分かりにくいもんね。よし! 今日はDNSサーバについて説明しよう」

Webデザイナー「よろしくお願いします!」

というわけで,今回は「ドメインを購入してから,何をしたらサイトが見られるようになるのか?」を学んでいきましょう。

なぜgihyo.jpは表示されるが,imjbank.co.jpは表示されないのか?

まずは前回のおさらいをしておきましょう。前回と同じく,皆さんは株式会社IMJ銀行の広報担当者という設定です。⁠imjbank.co.jp」というドメインを取得して,IMJ銀行のWebサイトを開設するのがミッションです。

前回のポイントをおさらいしましょう。

  • imjbank.co.jpというドメインは購入したが,ドメインとWebサーバを紐づけていないのでサイトが見られなかった
  • サーバにはそれぞれIPアドレスがある
  • IPアドレスは電話番号のように一意で,同じIPアドレスは同時に2つ存在しない
  • ドメイン名とIPアドレスとDNSサーバの関係は,名前と電話番号と電話帳の関係に似ている
  • ドメインとWebサーバを紐づけるには,DNSサーバに「ドメインとIPアドレスの組み合わせ」を登録すればいい

次の図のように,gihyo.jpというドメインは,Webサーバの「49.212.34.191」というIPアドレスとの組み合わせを,DNSサーバに登録してあるため,サイトが表示されます。しかしimjbank.co.jpは「ドメインとIPアドレスの組み合わせ」がDNSサーバに登録されていないので,サイトが表示されません。ですから,DNSサーバに「ドメインとIPアドレスの組み合わせ」を登録しましょうというところで前回は終わりました。

ドメインとIPアドレスの組み合わせがDNSサーバに登録されていないと,サイトは表示できない

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でもDNSサーバに「ドメインとIPアドレスの組み合わせ」を登録すると言われても,具体的に何をしたらいいのか,分からないですよね。それではDNSサーバについての説明から始めましょう。

DNSサーバとは?

DNSサーバの「DNS」はDomain Name Systemの略で,日本語にすると「ドメイン名の管理システム」といったところです。Dを略してNSサーバや,ネームサーバなどと呼ばれることもあります。そしてDNSサーバという名前でひとくくりにして呼んでいますが,実はDNSサーバには大きく2つの種類があり,それぞれ役割に応じた名前がついています

1つ目はDNSコンテンツサーバ⁠別名:権威DNSサーバ)です。これは電話帳にあたる役割です。電話帳が「名前と電話番号」の組み合わせを記録しているのと同じように,自分の中に「ドメイン名とIPアドレス」の組み合わせをいっぱい持っています。

2つ目はDNSキャッシュサーバ⁠別名:フルサービスリゾルバ)です。こちらは「このドメインのWebサーバのIPアドレス教えて?」と聞くと,あちこちのDNSコンテンツサーバに聞きまわって答えを探してきてくれるDNSサーバです。

DNSキャッシュサーバとDNSコンテンツサーバ

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imjbank.co.jpを例にして,DNSキャッシュサーバとDNSコンテンツサーバの働きを見てみましょう。ブラウザでhttp://imjbank.co.jp/を開いたときに,WebサーバのIPアドレスを探してきてくれるのが,オレンジ色のDNSキャッシュサーバです。そしてお腹の中に「ドメインとIPアドレスの組み合わせ」を持っていて,DNSキャッシュサーバにIPアドレスを教えてくれるのが緑色のDNSコンテンツサーバです。

DNSコンテンツサーバもDNSキャッシュサーバもどちらもDNSサーバで,⁠ドメインを聞くとIPアドレスを教えてくれる」という点は同じです。しかしDNSキャッシュサーバは答えが分かるまであちこちに聞きまわって調べて教えてくれるのに対して,DNSコンテンツサーバは自分のお腹の中にある「ドメイン名とIPアドレスの組み合わせ」しか教えてくれません。このようにDNSサーバには大きく2つの種類があり,それぞれ役割に応じた名前がついています。

ではIMJ銀行の広報担当者が「ドメイン名とIPアドレスの組み合わせ」を登録すべきなのは,DNSコンテンツサーバとDNSキャッシュサーバ,どちらでしょう? 先ほどの図でいうと,オレンジ色または緑色のどちらのサーバに登録すればいいのでしょうか?

正解は緑色のDNSコンテンツサーバです。先ほど述べたとおり,DNSコンテンツサーバは電話帳のように,自分の中に「ドメインとIPアドレスの組み合わせ」を持っていますので,ここに「ドメイン(imjbank.co.jp)とWebサーバのIPアドレス(192.0.2.84)の組み合わせ」を登録する必要があります。

著者プロフィール

堀越良子(ほりこしよしこ)

株式会社アイ・エム・ジェイのインフラエンジニア。ウェブインテグレーションの下支えとなるサーバホスティングサービスの構築と運用を担当している。

モバイルサイトのエンジニア,SIerとソーシャルゲームの広報を経て,2013年より現職。「分からない気持ち」に寄り添える技術者になれるように日々奮闘中。

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