モヤモヤ議論にグラフィックファシリテーション!

第48回 会議室で[絵巻物思考]を使って,会議の流れを変える人になる練習問題

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こんにちは。グラフィックファシリテーターやまざきゆにこです。

今回は,前回紹介した[9つの表情]を実際の会議で使いこなして,迷走する話し合いから抜け出すキッカケを投げかけたり,会議の流れを本質的な話し合いに変えていけるよう,その練習問題を用意しました。

会議でこっそり,頭で思い描くだけでOKの[絵巻物思考]を使いこなして,これまで以上に一目置かれる人になってみませんか(^.^)

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不毛な議論からいち早く抜け出すには

まず最初は,少し前にニュースで話題になったモヤモヤ議論を題材にして練習してみましょう。

「2020年の東京オリンピック・パラリンピックのメーンスタジアムとなる 新国立競技場の建設計画を白紙に戻して,できる限りコストを抑制し, 現実的でベストな新整備計画を再検討していく」

この議論のどこがモヤモヤしているのか,よくわからない方もいると思います。まずは,上記の議論を絵にしてみてください。あなたなら,だれの,どんな[表情+セリフ]を想い描きますか?

ちなみにここで描くのは「眉間にシワをよせた総理大臣」でも「批判する都知事」でも「生ガキが~」と言った元総理大臣でもありません。話し手を描くのではなく「議論の中身」を絵にしようとしてみてください。

恐らく話題は,建設費が膨らんだ原因を追究したり,新しい体制づくりの話が大半で,⁠それで,だれが嬉しいの?」のという「だれ」についての話は一向に聴こえてこないでしょう……。

そこであなたが「そもそも,だれを描けばいいのかわからない」と思えたら,⁠絵巻物思考]ができている証拠です。私も,そのような話し合いに立ち合っていたら「その話,絵に描けませーん」⁠ と手を挙げて叫んでいると思います。

もしも「国民やアスリートから大きな批判があった」という話が聴こえてきたら,即座にその新国立競技場で競技をするであろう「選手」や,彼らを応援する「国民」「観客」⁠ [表情+セリフ]を描きたいものです。ただ,どんな声があったのかという話に触れてもらえなければ…描けない…フキダシの中は空欄のままですね。

そして,そんな「絵に描けない話」が延々と続いたら,私の右手は,そこに描きたい人たち =[本当の顧客]を勝手に絵にしてると思います。オリンピック競技種目の選手だけでなく,いろんな国から応援・観戦に来る人たち,車いすや杖をついて来られる方々,また,ここでコンサートを開くであろうアーティストとそのイベントに参加する人などを描くでしょう。そうなると,次のようなセリフも書きたくなってきます。

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[本当の顧客]を勝手に描いても,テレビや新聞で何度も目にしたあの屋根やデザインが「だれにとって,どう嬉しいの?」が伝わってこないので,結局はこのような絵しか描けません。⁠本当の顧客][心]はワクワクどころか,まったく動いていない絵です。

[人が集まる]メーンスタジアムの話をしているのに,⁠人]が描けない[人の心]をつかめていない議論をしている。まずそのことに気付けると,話し合いの次に進むべき方向性は見えてくるのではないでしょうか。

著者プロフィール

やまざきゆにこ

様々な議論の現場で,グラフィックファシリテーション(=グラフィックレコード+グラフィックフィードバック+グラフィックダイアログ)を実施する。300人超のシンポジウムから,企業も国籍も違う参加者の集まる研究会,組織を横断したプロジェクト,経営者・リーダークラスのビジョン研修,組織研修,顧客との協働プロジェクトなど多岐に渡る。企業・組織の事業判断・意思決定,プロジェクトや個人の意識・行動変革の一助になればと"絵筆を持って"活動中。

グラフィックファシリテーター(graphicfacilitator)は,やまざきゆにこの商標登録です。

グラフィックファシリテーション.jp:http://www.graphic-facilitation.jp/

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