会社で「ポエム」を綴ろう! ~ポエム駆動で理想を語ると社内の風が変わる!~

第2回 「ポエム」の持ち寄りを支える開発組織と運営

この記事を読むのに必要な時間:およそ 2 分

ピクシブでは「ポエム」によって開発が駆動しています。しかし「ポエム」は自然に書けるものではありません。書き手を支援する仕組みと,書かれた「ポエム」を扱う仕組みが必要です。今回は「ポエム」を扱う仕組みとしてのツール選びと,「ポエム」が書かれるための要因について説明します。

ポエムの例

ポエムの例

「ポエム」のきっかけは一人の社員の悩みから

まず,どういう事をきっかけに「ポエム」が書かれるようになったのかを説明します。

前回の記事で,筆者たちの環境について下記の様に述べました。

その現れとして例えば,担当プロジェクトやチームにとらわれず,興味のあるテーマのミーティングに自分から飛び入り参加したり,仕事が終わった後もオフィスでドリンクを飲みながら自分たちのサービスのあり方を議論していたり,休日に同人誌即売会などの事業領域に縁のあるイベントで同僚と度々出くわしたりと,公私ともに熱く活動しているメンバーがたくさんいます。

このような熱を持つメンバーが揃っていて,みなそれぞれの意見を傾聴し,尊重してくれます。しかしその中で筆者は密かな悩みを抱えていました。

実は筆者自身は,引っ込み思案でコミュニケーションがあまり得意ではなく,何か意見を出すときには頭の中で何度も練習しないと切り出せない性格です。安心して口を開けばいい事が頭ではわかっていても,発言する事に自分の中の恐怖と戦うための勇気が必要でした。

発言しやすい場を作る

この悩みを,自分の意見を発言しやすい場を作ることで解決しようとしました。

場作りとしては,下記の2つのアプローチを考えました。

  1. メンバー間で顔を突き合わせる機会を作る事
  2. 発言をまとめるツールを用意する事

最終的に,後者を選択しました。

すでにメンバー間で顔を突き合わせる機会は日常的に充分あり,本来確保すべきユーザに届ける価値を作る時間を削りたくなかったためです。

また,顔を突き合わせる機会を作ろうとなると,飲み会というアクティビティが定番ですが,話が散らかってしまい後に残りにくいという事を懸念したためです。

ツールで実現したいこと

ツールの用意としては,前回の記事でも引用した,ppworks氏によるポエム駆動開発によるWEBサービスの作り方 pplog誕生ものがたりというエントリーでの,

私達はサービスを開発する前にポエムを書くことを大事にしています。それをポエム駆動開発と呼んでいます。 サービスに対する熱い思いがパートナー(もしくはチーム)で共有させれていて、それをいつでも振り返り立ち返る、ソレが一番大事です。

という事を実現したいと考ました。

そのため,適切に振り返り立ち返るための発言をまとめる事ができ,皆に広めることを促進できるようツールを探しました。

ツール選び

発言をまとめるツール選びでは,その候補としてはWikiやIssue管理システム,グループチャットを使う事を考えました。

候補に挙げた理由は,すでに運用しているものがあり特段の準備が不要な事と,他の会社の事例での利用事例を聞いた事があったためです。

ただ,結論としてはいずれも選びませんでした。

Wikiの場合

Wikiは一度ページを作ったら消されずにずっと残ってしまいがちです。Wikiの使い方としてそれは正しくない事ですが,経験上そのようなWikiを多くみてきました。意見をまとめるツールとしては申し分ないですが,ずっと残ってしまうと感じてしまっては発言の敷居が上がってしまうことを懸念しました。

Issue管理システムの場合

Issue管理システムは,オープン状態とクローズ状態が存在し,クローズすることにはそれ自体に別の意味がこもりがちです。例えば,何の回答もなくクローズする事には,そのIssueを問題と扱わないメッセージがでてしまい,あまりいい体験ではありません。

グループチャットの場合

グループチャットで意見を発信する場を作る事は,発言が時系列で流れていくため発言のハードルを下げる事ができるため有力な方法となり得ます。 このときすでにピクシブではidobataというグループチャットツールを使っており,個人間に閉じないオープンなやり取りや,システム通知,情報共有にと使っていました。

ただチャットというツールでは,端的な短い表現が使われがちなため,意見を出す場所として使うには切れ味が良すぎる発言が飛び交う事を懸念しました。

適材適所として,グループチャットは新しい意見が挙がった事を通知するために使い,まとまった意見を述べるには別の道具を用意しようと思いました。

選択したツール

最終的には,前回も紹介したesa.ioという「情報を育てる」という視点で作られたドキュメント共有サービスを選択しました。

esa.ioとの出会い

esa.ioというサービス利用のきっかけは,2014年に開催されたピクシブのオフィスを開場提供したハッカソンイベントでした。

ハッカソンの様子http://obun.typepad.jp/blog/2014/07/2014_07_22.htmlより)

ハッカソンの様子(http://obun.typepad.jp/blog/2014/07/2014_07_22.htmlより)

著者プロフィール

小芝敏明(こしばとしあき)

"古きよき時代から来ました,まじめなSE,まじめにSE"がキャッチフレーズ。開発マネジメント,システム設計,プログラミング,運用,登壇,執筆,カンファレンス運営と手広く技術仕事をたのしんでいる。

ピクシブ株式会社 開発マネージャ,アニメイトラボ株式会社 最高技術責任者,RubyKaigi 2015 Organizer

休みの日は,ライブに行ったり,自転車に乗ったり,技術系同人誌を作ったりしている。コスプレも少々。和服と全身タイツが似合う。

サイト:http://bash0C7.hatenablog.com/

Twitter:@bash0C7

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