インターネット中継するための,配信のキホン

第3回 Ustream.tvでWebカメラやビデオカメラを使って中継してみよう

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デジタルビデオカメラを利用した配信

さて今度は,デジタルビデオカメラを利用して配信してみましょう。ここでは,Panasonic HDC-HS100を利用します。

最近のデジタルビデオカメラは映像出力用の端子として,AV端子(RCA端子)で出力するための端子やDV端子,HDMI端子がついている機種がほとんどです。しかし,パソコン側に,これらの入力端子はまずありません。また,パソコン用の映像データにするための変換が必要です。そのため,デジタルビデオカメラを利用する場合には,ビデオコンバータと呼ばれる変換機が必要になります。

ビデオコンバータを利用することで,映像データをIEEE1394a端子等でパソコン側へ入力できるようになります。最近のパソコンはIEEE1394a端子がついていない機種も多いのですが,その場合にはIEEE1394a端子増設用のPCI(PCI Express)インターフェースボードや,PC(PC Express)カードが必要になります。

Note:
IEEE1394a端子等を増設する場合には,パソコンとの相性問題などがないか,よく情報を集めてから購入を検討したほうがよいでしょう。著者の場合は普段,ノートパソコンに付属のIEEE1394a端子,または増設用のPCカードIODATA CB1394Lを利用しています。

なお,デジタルビデオカメラから出力される端子すべてに,ビデオコンバータ一台で対応している機種はなさそうです。そのため,ビデオコンバータを1台のみしか購入しない場合には,デジタルビデオカメラからどの端子を利用して出力するかを先に検討する必要があります。

一つの解を考える上で,DV端子やHDMI端子に対応したビデオコンバータの価格がまだ高いこと,HDMIやDV端子の画質でパソコン側に入力してもインターネット中継のために画質を落として配信する現状では,これらのレベルの入力はオーバースペックであるということがポイントになると思います。この点を勘定に入れると,現状,AV端子(RCA端子)での入力に対応したビデオコンバータを購入するのが妥当なところだと思います。

AV端子(RCA端子)入力に対応した,よく利用されるビデオコンバータとしては,以下の2つの製品が挙げられます。

TwinPact 100
TwinPact 100はRCA端子,VGA(D-Sub 15pin)端子等で入力できます。複数の入力端子がありますが,1つの入力に対してしかコンバートできません。また,IEEE1394a以外の出力端子もついています。対応OSはWindows/Mac OSの両対応です。詳細は,製品ページを参照してください。このように多機能ですが,そのぶん価格が高めです。
ADVC-55
ADVC-55は,RCA端子で入力される映像をIEEE1394a端子で出力できます。Windows/Mac OSのOSごとに別の製品として販売されています。詳細は,製品ページを参照してください(上記はWindows版のリンクです⁠⁠。機能を削っている代わりに,価格が安いのが特徴です。
Note:
音声もコンバート(変換)できますが,アプリケーション側で認識しない場合があります。そのため,音声は別途マイク端子やUSB端子を利用して入力したほうがよいでしょう(詳しくは後述⁠⁠。

さて,⁠デジタルビデオカメラ][ビデオコンバータ][パソコン]とケーブル等をつないでいきます。

デジタルビデオカメラの電源をつけて,RCA端子で出力するために端子ケーブルをつなげます。デジタルビデオカメラは録画していても,していなくても構いませんが,バックアップのために録画しておくのがお勧めです。

デジタルビデオカメラを配信機材として扱う上で,2つほど注意したいことがあります。1つ目は,ビデオカメラの機種によっては,ビデオカメラの補助画面に表示される文字や記号が,パソコン側に取り込むデータにも表示されてしまう可能性があるという点です。

Note:
Xacti(HD1010)をRCA端子で出力して,ビデオコンバータを通してパソコンに取り込んだ場合にこの影響を受けました。現在,普段利用しているデジタルビデオカメラ(Panasonic HDC-HS100)では,設定メニューを表示したときと,iAモードにした場合のこのアイコンのみ,パソコン側で取り込んだ映像にも表示されることを確認しています。ということで,デジタルビデオカメラであれば大丈夫だとは思いますが,念のために言及しました。

2つ目は,デジタルビデオカメラの設定画面において,⁠TV出力」時の画面比率を設定する項目があるはずですが,この項目で16:9ではなく4:3を選択することです。というのも,Ustream.tvの中継画面の下部に断続的に広告が表示されますが,⁠本連載では説明していませんが)Ustream.tvの中継画面を16:9に設定した場合に,16:9の中継画面では広告が表示されたときに中継画面が隠れがちになるからです。また,デジタルビデオカメラによっては16:9にした場合に,Ustream.tvの中継画面において縦横比が正確に反映されない場合があるようです。

Note:
16:9の映像を取り込んだ際に,Ustream.tvの配信用の設定画面で,若干ではありますが縦に細い円になってしまいました。これは,上記ビデオコンバータが2製品ともに4:3にしか対応していないことが原因かと思っているのですが,原因を特定できていません。
Note:
もちろん,中継画面を大きく表示できる環境がある場合には,16:9(HD)で入れたほうがよいのはいうまでもありません。

次に,デジタルビデオカメラから出力したRCA端子ケーブル(の黄色の端子)を,ビデオコンバータの入力端子につなぎます。また,出力用のIEEE1394a端子にケーブルをさしておきましょう。その後,ビデオコンバータの電源をONにします。

そして,TwinPact 100の場合は,どの端子の映像をコンバートするか選択するためのボタンがあるので,このボタンでANALOGを選択します。ADVC-55の場合は,電源ONにするだけ(コンセントをさすだけ)です。

ビデオコンバータの設定が終わったら,ビデオコンバータから出力されているIEEE1394a端子ケーブルをパソコン側の入力端子にさします。すると,Webカメラをつないだときと同じように,自動認識される画面がパソコンに表示されるはずです。

Note:
認識されない場合には,映像のデータがビデオコンバータからきちんと出力されているか,ビデオコンバータのランプ等を確認してみましょう。
Note:
ノートパソコンにIEEE1394a端子がついている場合には,4pinの入力端子であることが多いようです。上記ビデオコンバータの出力端子は6pinですし,増設用のPCカードの入力端子は通常6pinです。ケーブル購入の際は,pinの形状に注意しましょう。

通常の配信

デジタルビデオカメラを使った通常の配信は,Webカメラと同様です。Ustream.tvの配信設定画面において,デジタルビデオカメラのデバイス(⁠⁠Microsoft DV Camera and VCR」等)を選択すればOKです。

図6 Ustream.tvの配信用の設定画面にある,Video Sourceの項目でデジタルビデオカメラのデバイスを選択する。図では「Microsoft DV Camera and VCR」を選択している

画像

Note:
ビデオコンバータには音声の入力端子がありますが,この端子を利用してパソコン側に音声を取り込んでも,Ustream.tvの配信の設定画面では選択できません。Flash Playerが映像のデバイスであると認識してしまうからのようです。そのため,Webカメラと同様に,音声は別途マイク端子やUSBで入力する必要があります(Flash Media Live Encoderでは,映像と音声ともに同じデバイスに限り,設定できました⁠⁠。

著者プロフィール

高橋和道

gihyo.jpの中で,はたらいています。みなさんも連載してみませんか。

URL:https://twitter.com/k_taka