「PyCon APAC 2017 in Malaysia」参加レポート

Day2:Jessica McKellar氏キーノート,「美しいコーディング」とは,Pythonで「見える」物理/数学教育

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Physics and Math with python – A learning adventure ~Praveen Patil氏

このセッションでは,高校で教鞭をとっているPatil氏が物理や数学を教えるのにPythonの可視化技術を利用して進めている授業内容のデモが行われました。生徒たち自身が実際にデモを行い,結果をPythonで可視化することによって,生徒達の理解度が上がったという成果について共有されました。

Patil氏は,セッション開始直後に「この中で物理が大好きな方はいますか?あまりいませんね。でも,堅苦しく思わないでください」と笑いを取りながら,物理や数学とPythonとのつながりを話してくれました。

会場では,磁石に針金を巻いたコイルから電球が点滅する様子をグラフで可視化することで,電流を捉えることができるという簡単でわかりやすいデモや,ライトで円や三角形を映すことができる機械で,ライトの形を変えると電気の周波数が変化することををグラフで可視化するデモがありました。

本セッションで話されていた取り組みは,学校の授業の一環として取り入れ,物理や数学の授業の中でプログラミングも教えるという新たな教育の方法であると思います。このような授業があったら筆者(赤池)ももう少し物理に興味を持ったかもしれません。

物理が楽しくなりそうなデモ

物理が楽しくなりそうなデモ

Page Layout Analysis of 19th Century Siamese Newspapers using Python and OpenCV ~Mark Hollow氏

19世紀に存在した国,シャム(現在のタイ王国)で使われた文書を,OpenCVやディープラーニングを用いてデジタル化しようというプロジェクトの軌跡のお話でした。

OpenCVの閾値処理(threahold)を使って背景のノイズを除去したのち,モルフォロジー処理(erode / morphologyEx)を使ってページレイアウトを取得します。取得した各レイアウトのセグメントであるタイトル・罫線・本文などは,それぞれの役割ごとに別の学習モデルを使って解析をしているとのことでした。

OpenCVで抽出した文章は,ディープラーニングの手法のひとつであるLSTM(Long-Short Term Memory)を使ったOCRシステムに利用されるそうです(今回はOpenCVのセッションであったため,OCRシステムについては触れる程度でした⁠⁠。OpenCVの閾値処理を使ったノイズ除去や,さらに高度な画像処理であるモルフォロジー演算利用したページマージンの検出や,紙面レイアウトの取得作業は大変勉強になりました。

画像から文書のデジタル化ができるようになると,史学や考古学の研究はより捗るのではないでしょうか。いろんzな古文書で使えるようになるといいですね。

OpenCVの機能について語るHollow氏

OpenCVの機能について語るHollow氏

LT(Lightning Talk)

Conference Day1/Day2 ともに,一日の終わりはLT大会で締めくくられました。

Slackbotやserverlessなど流行りのものから,自作ライブラリやコミュニティの話まで。バラエティに富んだトークとなりました。日本からも@c_bata_がpython-prompt-toolkitの話でLT参戦していました。

LT発表中の@c_bata_ 堂々とした発表です

LT発表中の@c_bata_ 堂々とした発表です

PC接続調整のバタバタ感もLTの醍醐味

PC接続調整のバタバタ感もLTの醍醐味

その他:参加者のブログなど

この記事が出るよりも早く(!!) すでに日本から参加したみなさんのブログが上がっています。よろしければ合わせてご覧ください。

終わりに

以上でPyCon APAC 2017 in Malaysia のレポートは終わりです。PyCon初参加,PyCon初登壇,初海外カンファレンス,初レポート……と筆者たちにとって「初めて」だらけのイベントとなりました。たくさんの人に支えられながら,楽しいカンファレンス体験をすることができました。カンファレンスで出会った人たち,PyCon APAC運営のみなさん,PyCon JPのみなさんに感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。

「海外のカンファレンスってちょっと怖い」⁠私英語できないし…」としり込みしてしまっている方がもしいらっしゃったら,ぜひ思い切って参加してみてください。PyConJPで毎年ツアーが企画されますしPyLadies Tokyo slack(女性のみ参加可能)でも支援を行っております。日本のみなさんと旅を共にすると不安感も払拭されますよ!

英語ができなくてもカンファレンスで得るものはたくさんありますし,たどたどしくても一生懸命しゃべりかければきっと話し相手は応えてくれます。ぜひ来年のAPACにみなさんも参加してみてください!

Pyladies Tokyoメンバーで

Pyladies Tokyoメンバーで

日本から参加したメンバー(全員ではない)で集合写真!

日本から参加したメンバー(全員ではない)で集合写真!

著者プロフィール

石田真彩(いしだまあや)

クラウドアーキテクト。PyLadies Tokyo オーガナイザーの一人。Microsoft MVP(Azure)。「Pyladies Tokyoが立ち上がるのでPython勉強してみたら」と言われて始めたのがPythonとの出会い。仕事柄データ処理システムなどの構築でPythonを使うことが多いが,最近Tornado熱が高まっているのでWEB開発したいお年頃。

Twitter:@maaya8585


山下加奈恵(やましたかなえ)

データサイエンティスト/コンサルタント。分析の幅を広げたくてPythonを勉強しはじめる。Pyladies Tokyoに出会ったのもその時。最近はディープラーニングあたりに挑戦中。

Twitter:@Addition_quince


赤池奈津子(あかいけなつこ)

ちゅらデータ株式会社のデータアナリスト。Pythonが好きという理由でSIerからデータアナリストに転職。未経験のままノリでPython APACでしゃべってしまったので,人前で話すとか英語もがんばりたいヽ(´▽`)/

Twitter:@natsukoa333

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