レポート

進化するSeleniumとテスト自動化 ―「第3回日本Seleniumユーザーコミュニティ勉強会」レポート

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薄っすい話百八式(戸田広氏)

『Selenium実践入門』に掲載されている小ネタのお話,音声合成のお話,Selenium Gridを用いてインターネット越しにノードを構築したお話が披露されました。

戸田広氏

戸田広氏

『Selenium実践入門』校正をくぐり抜けて出版された小ネタ

『Selenium実践入門』はかなり細かいレベルの校閲が入りました。しかし,その目をくぐり抜けて出版された小ネタがあります。第12章289ページに,ポート番号として4126番を指定されています。これは某有名ホテルの電話番号から持ってきました。

結論

ユーモアを大事にしましょう。ハードな仕事でもね。

俺と音声合成

第13章319ページに,CIの結果通知の例として「Eメール」⁠RSS」⁠チャットツールへの自動投稿」と並んで,⁠音声」が挙げてあります。人間の耳は人間の声に注意が向くよう最適化されています。このことを利用して,自動テスト時のエラー通知を音声合成にしてみるのはいかがでしょうか。

音声合成ソフト

代表的な音声合成ソフトには,以下のようなものがあります。

今回は某人気旅番組のナレーターにも使用されているVoiceTextのSHOW君にSeleniumのエラー通知をさせてみましょう(筆者注:本当に残念ながら,本レポートではお伝えしきれませんが,予想の斜め上を行く音声合成のおもしろさに,会場は大盛り上がりでした)⁠

結論

ユーモアを大事にしましょう。ハードな仕事でもね。

俺とSelenium Gridハブがインターネットで特殊ノード

プロキシを立ててポート番号を80番にしよう

Selenium Gridでは,RemoteWebDriverからSeleniumServerへの通信は4444/tcpなどの独自ポートが使われています。これをプロキシ立てて80番にしたら動くのかなと思って実装してみたところ,動きました。

インターネットに公開できないか

次に,こうしたWell-knownポートなWebサービスはインターネットに公開してもいいんじゃないかという気がしてきます。実験してみたところ,これも構成は変わっていないので,動きます。

HTTPSで接続するように変えることはできないか

じゃあ,HTTPをHTTPSに変えることはできるのかなということを検討してみました。私が調べたかぎり,これはできないようです。ノードに指定できるハブへの接続プロトコルが,現状でHTTP限定のようです。

ノードを自分の家に置いて運用できるか

これが本題になります。たとえばノードにMacを接続したいときなど,自分の家にある実機に接続できないかと考えたりします。これは,結論から言うと一応可能です。ルータでNAT変換する必要があり,ノードの設定も変更する個所が出てきますが,動きます。悩みどころとしては,ハブとノードの通信が双方向であるために,ハブからノードに通信するための穴を家のルータに空けなければならないという点が挙げられます。これは少し不安です。

結論

Seleniumは閉じたLAN環境で実行しましょう。


以上,参加者数・セッション数とも過去最大のボリュームで行われた「第3回日本Seleniumユーザーコミュニティ勉強会」の紹介でした。最新の事例を始めとして全9セッションが展開された,非常に濃い内容の勉強会となりました。残念ながら今回のレポートでは詳しくは触れられませんでしたが,全体的にデモが多く,Web画面やアプリがサクサクと動作する様子が披露されると,会場からはどよめきも起こっていました。

翻訳本の『Seleniumデザインパターン&ベストプラクティス』に加え,決定版とも呼べる出来の『Selenium実践入門』が発売されたことにより,日本語の情報がますます手に入りやすくなっているSelenium。利用者の裾野が広がっている熱いテスト自動化ツールです。勉強会に参加された方の中には,これから使ってみようと考えている方も多くいらっしゃいました。テスト自動化に取り組まれる方にはぜひ一度,国内に強力なコミュニティを擁するSelenium/Appiumに触れてみていただければ幸いです。

著者プロフィール

河原田政典(かわらだまさのり)

株式会社ベリサーブ所属。ソフトウェア開発に携わってきた経験を活かしてテスト自動化を担当。現在まさにSeleniumを扱っている。書店の技術書コーナーが大好きで,「読んだ=役立てられる」とは限らないと自戒しつつも蔵書は増える一方。本棚がいつ満杯になるか心配する日々を過ごしている。

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