Windows Azure通信2014
2014年4月第2週 Build 2014 Day2 KeynoteのWindows Azure関連アナウンス
米国サンフランシスコで2014年4月2~4日の3日間開催されたBuild 2014にて,
管理ツール関連:Azure新ポータルのプレビュー公開, Visual Studio Online正式リリースなど
Day2 Keynoteでは最後の発表となりましたが,
Azure管理ポータル
- Azure新ポータルのプレビュー公開
利用可能なサービスを一覧表示するギャラリーや,
リソースのモニタリング, 課金明細などが一画面で確認できるようになり, カスタマイズしてダッシュボードとしても利用可能で, タッチパネル操作をも想定したデザインとなっています。 “リソースグループ” と呼ばれるサービスのグルーピングが導入され, 関連リソースをまとめて一覧, 管理することができるようになり, Application Insightと呼ばれるモニタリング機能も統合されました。 - Microsoft Azure情報サイトazure.
microsoft. com公開 (windowsazure. com から移行)
Visual Studio Online
- Visual Studio Online正式リリース
チームプロジェクトの作成や管理など,
Team Foundation Servicesと呼ばれていたサービスが正式リリースとなり, Azure新管理ポータルとの一層統合が図られています。また, オンラインIDE機能を提供する “Monaco” もデモで紹介されていました。また, 正式リリースに伴い, 可用性99. 9%のSLAが設定されました。
Azure Resource Manager
- Azure Resource Managerプレビュー公開
リソースグループの構成
(リレーション, 依存性など) を管理できる機能で, 設定ファイル (JSON) として保存し, Powershellでリソース構成のバックアップや複製といった操作, 管理を行うことが可能になりました。
インフラストラクチャサービス関連:Azure仮想マシンのPupetおよびChefサポートなど
Pupet/
Azure仮想マシン
- Visual Studioとの開発統合
Visual StudioからVMを作成,
ローカルでデバッグすることも可能になるなど, 開発面でのツール統合が図られています。 - VMイメージのキャプチャ&デプロイ
VMのスナップショットを取得できるようになり,
バックアップとして利用したり, そのままデプロイしたりすることが可能になりました。 - Pupet/
Chef/ Powershell DSC (Desired Site Configuration) のサポート VMの構成を必要な構成を宣言型で指定することで,
一括管理/自動化するツールであるPupetおよびChefをサポートしました。Pupet Master VMイメージが用意されているほか, VMにPupet Agentを容易に追加できます
Azure仮想ネットワーク
- Point-to-site VPN,
動的ルーティング正式リリース 個別のマシンからAzure仮想ネットワークへの接続を行う機能が正式リリースとなりました。
- サブネットマイグレーション
- 仮想ネットワーク内部の固定IP設定
Webアプリケーション, サービス関連:Azure WebサイトのJavaサポートなど
先日Azure仮想マシンでJava環境を含むOracle製品搭載イメージが正式リリースとなったのに加えて,
Azure Webサイト
- Javaのサポート
管理ポータルから設定できるようになっており,
Apache Tomcat/ Jettyが選択できます。 - 自動スケール正式リリース
Webサイト以外にもAzure仮想マシン,
クラウドサービス, モバイルサービスで正式リリースです。 - ステージング環境/Traffic Managerサポート/バックアップ
本番環境とステージング環境への配置とスワップ(入替),
Traffic Managerの設定などがデモで紹介されました。 - Webジョブ
バックグランド処理を行うジョブをWebJob SDKを使ってVisual Studioでコーディングでき,
Webサイトへ直接配置できます。また, ダッシュボードが用意されており, 管理/確認ができます。 - Visual Studioとの統合
新規ASP.
NET Webアプリケーションのプロジェクト作成時にはAzure WebサイトおよびAzure仮想マシンを指定して直接リモートリソースとして作成可能になり, Webアプリケーション発行時にもAzure Webサイトに加えてAzure仮想マシンを選択できるようになりました。Visual Studio 2013 Webエディタ機能であるブラウザーリンク (Browser Link) を使って, ブラウザに応じた修正を行い, さらにブラウザ側の開発者ツールでコード修正を行うデモも紹介されていました。 また,
Powershellとの統合, Node. jsプロジェクトのサポートも含まれています。 - .NETアップデート:ASP.
NET MVC 5. 1/ Web API 2. 1/ Identity 2. 0/ Webpages 3. 1
Azure CDN (コンテンツ配信ネットワーク)
- CDN正式提供開始
一時新規作成が中断されていましたが,
正式提供となり, エンドポイントの新規作成もできるようになっています。
モバイルアプリケーション関連:Azureモバイルサービスのバックエンド開発とSSO対応が容易に
BaaSのサーバ側
Azureモバイルサービス
- バックエンドの.NETサポート
バックエンド側のサービスはローカルで開発できます。好みの言語や既存のコードを利用してサービスを構築でき,
リソースとしてMongoDBなども利用可能です。ローカルまたはリモートでデバッグもできるようなり, ブラウザからWeb APIをテストできるようになっています。 - Active Directory認証の導入とSSO
AD認証はSDKで簡単に追加でき,
SSOを容易に実装できます。 - Offline Data Syncの利用
Azure Active Directory
- iOS/
Android SDK - Office 365 APIの統合
Office 365 APIでSharepointにWordドキュメントを作成するデモが紹介されていました。
Azure通知ハブ
- モバイルサービスとの統合
- Kindleへのプッシュ通知のサポート
データベース関連:Azure SQLデータベースの最大容量拡大, 組み込みバックアップ&レストア機能の追加など
Azure SQL Database
- 1DBあたりの最大サイズを150GBから500GBに拡大,
99. 95%SLAを保証 - データ保全のための組み込みバックアップ機能の追加
データを自動でバックアップし,
復旧 (Restore) を行うことができるようにする “Self Service Recovery”, データセンター自体の障害時でも他の地域に複製したデータベースに接続して可用性を保つフェイルオーバー機能である “Active Geo-Replication” が組み込まれます。
Azureストレージ
- 読み取り専用Geo冗長ストレージ
(Read-Access Geographically Redundant Storage (RA-GRS))正式リリース
Azure HDInsight
- Hadoop 2.
2対応/.NET 4. 5対応 - Auditおよびオペレーション履歴
- Hive query強化
- YARNサポート
開発言語関連:.NET Compiler Platform (Code-named "Roslyn") のオープンソース公開など
.NET Compiler Platform (Code-named "Roslyn") オープンソース公開
C#/VBコードのリファクタリング,
.NET Foundationの設立
.NETのためのオープンソーステクノロジーの開発,
詳細情報
Build 2014に関する詳細情報は以下URLでもご覧いただけます。
- Microsoft News Center > Microsoft evolves the cloud experience for customers
- The Official Microsoft Blog > Microsoft announces new cloud experience and tools to deliver the cloud without complexity
- Channel 9 > Build 2014
(ストリーミング視聴)
馮富久の眼
Buildで1回では取りきれないぐらいの,