FreeBSD Daily Topics

2008年3月3日FreeBSD 7新機能ドキュメント、FreeBSD 7 DVD、DragonFly BSDの開発状況

heads-up

FreeBSD 7.0 in the press

FreeBSD 7.0の発表に伴い、7の新機能をまとめた記事が各種メディアで発表されています。7で導入された新機能を調べるうえで役立ちます。

プロジェクト公式ドキュメントではありませんが、準公式ともいえるものが、FreeBSD committerであるKris Kennaway氏がまとめた次のドキュメントです。

Introducing FreeBSD 7.0は7のリリースよりも前にまとめられたドキュメントで、8コアまでのスケールベンチマークや、その他の新機能について幅広くまとめてあります。FreeBSD 7.0 and beyondはIntroducing FreeBSD 7.0をベースに、それ以後に取り組まれた16コアまでスケールさせるためのトポロジアルゴリズムを導入した新ULEスケジューラに関するベンチマークなど今後の機能改善についてもまとめたドキュメントです。7や8の機能を知るうえでかなり参考になるドキュメントです。

Federico Biancuzzi氏によってそれぞれの開発担当者のインタビューをまとめたものがONLamp.comで公開されています。それぞれのKris Kennaway氏が取り上げている新機能について、それぞれの担当者がコメントをしているような形で、7の新機能や改善点を知るうえで最もよくまとまったドキュメントといえそうです。

InternetNews Realtime IT NewsではSean Michael Kerner氏によるショートインタビューが公開されています。書籍『Absolute FreeBSD』の著者やiXsystemsのCTOのインタビューとまとめたもので、7新機能の一端を知るうえで役立ちます。

FreeBSD 7の新機能やこれまでの開発経緯、今後の開発内容、7を使ったサーバシステム構築やデスクトップ構築、アップグレード方法の解説などは3月18日に販売が予定されているSoftwareDesignで特集が組まれていますので、そちらもご覧ください。

bsdtalkではリリースエンジニアリングチームで主導的役割を果たしているKen Smith氏のインタビューが公開されています。音声でリリースエンジニアリングやFreeBSD 7について知りたい場合は聴講してみてください。

FreeBSD 7.0 DVD

The FreeBSD Projectから配布されるISOディスクイメージファイルはCD-R/RWに焼くことを前提としています。同状況を加味し、ユーザサイドから1枚のDVDイメージとしてまとめた配布物の作成と配布、DVDイメージの作成方法をまとめたドキュメントなどが公開されました。

DragonFly BSD

FreeBSD 7がマルチコア/プロセッサにおける高いスケーラビリティを実現したことで、DragonFly BSDの方向性に疑問を感じる向きもでてきているようです。同点に関してDragonFly BSDの発起人にして主要開発者であるMatthew Dillon氏はこのメールこのメールで疑問点を払拭しています。

FreeBSDは複数のプロジェクトを並列して進行させる強力な方法を実現しているものの、そのおかげで安定性が欠如することがある点を指摘し、逆にDragonFlyの基盤開発に長い時間がかかっている点を問題点として指摘しています。マルチコア/プロセッサ対応の強化、ネットワークスタックのMPSafe対応、AMD64対応の促進など開発すべき対象は多いものの、同氏が開発できる時間は有限であるためなかなか難しいこともあげています。現在のところ同氏の開発はHAMMERファイルシステムに向けられており、他のサブシステムの開発を同時に進めることは時間制約的に難しいというわけです。

しかしながらDragonFly BSDでは、最終的に高いスケーラビリティを発揮するシステムとして動作するべく(それはマルチコア/プロセッサでのスケーラビリティでありSSIのスケーラビリティでありストレージでのスケーラビリティであったりするわけですが)開発を進めており、基盤部分の開発の多くが完了していると主張しています。綺麗に整理された基盤部分が最終的にもたらす恩恵は大きいということでしょう。

これまでのDragonFly BSDで新規に開発された成果物としては、2008年中期に予定されている2.0のリリースが検討対象として取り上げるべきものになりそうです。現状の開発速度からすると一気にFreeBSDと同じパフォーマンスとスケーラビリティを発揮するとは考えにくいものがありますが、開発は活発に進められており目的も明確です。今後の開発も継続して注目すべきではないかと考えられます。

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