FreeBSD Daily Topics

2008年6月19日Firefox 3に採用されるFreeBSD技術、QEMU問題の回避コード統合、Gnash更新、Sylpheed2更新、Dummynet利用例文書

heads-up

Firefox 3.0 with FreeBSD technologies

2008年6月17日(米国時間⁠⁠、次世代FirefoxとなるFirefox 3.0が公開されました。Firefox 3.0はレンダリングエンジンやJavaScriptエンジンが改善され実行速度が大幅に向上しており、Webアプリケーションプラットフォームとして優れた機能を提供してくれます。

Firefox 3.0はFreeBSD 7向けに開発されたJason Evan氏の新しいメモリアロケータ、通称jemallocが採用された点も注目に値します。jemallocを採用したことでFirefox 3.0におけるメモリ利用率が改善されました。またFirefox 3.0は発表後のダウンロード記録に挑戦したわけですが、大量のアクセスをさばくためにISCでホスティングされたFirefoxミラーサイトにはFreeBSD 7.0が採用されています。

FreeBSD Firefoxのportは2.0.0.14です。portにはバグ修正が実施された後でのFirefox 3.0.xあたりから統合されることになるのではないかとみられます。Linux Firefoxのport作成が進められていますが、必要になるライブラリやLinuxバイナリ互換機能の関係で、Linuxバイナリ互換機能が更新されるCURRENTや、STABLEでは次のリリースバージョン以降でしか動作しない可能性があります。

Wine 1.0 RC5でWindows Firefox 3.0の動作を試しましたが起動しませんでした。FreeBSDで動作するFirefoxは、FreeBSD Firefox(www/firefox)を3.0.xにアップグレードするというのがもっとも近道といえそうです。

src

Workaround QEMU time issue

current - 特定のBIOSにはバグが存在し、その影響で正しく時間が処理できないものがあります。特にPCエミュレータであるQEMUにこのバグがあり、長い間問題視されてきました。今回この問題に対処するための回避コードがsys/boot/i386/libi386に追加されました。

QEMUはAT RTCを正しくシミュレートしていないのみならず、誤った実装のBIOS 1A/02実装を持っています。このため、アップデートされている間にRTCが読み込まれた場合、誤った数値が返ってきます。悪いことにQEMUのINT 15/86機能は実装されておらず、その結果即時リターンすることになり、結果としてbeastie.4thの処理が誤った動作になります。QEMUで動作しているFreeBSDのブート時のカウントダウンが異常に速いのはこれが原因です。

今回これを回避するために、BIOSから読み込む値が同じになるまで繰り返し読み込み処理が行われるように処理が変更されました。この結果、QEMUで動作しているFreeBSDのブート時のカウントダウンも正常に処理されるようになりました。

ports

graphics/gnash

GNUフラッシュ動画プレーヤGnashのportが0.8.3へアップグレードされました。

mail/sylpheed2

メーラアプリケーションSylpheedのportが2.5.0へアップグレードされました。

links

How to use Dummynet

ルータやゲートウェイでトラフィック量制御を実施する方法がFreeBSD Router/Latency Generator: A How-Toで紹介されています。同文書ではFreeBSDのDummynetの機能を使って実際にping(1)のバンド幅制限を加える例を説明しています。FreeBSDシステムのインストール、カーネルの再構築、ルーティングの設定、Dummynetの設定、計測方法等が一通り丁寧にまとめられています。バンド幅制限を行いたい場合、一通り作業手順を把握するうえで有益なドキュメントといえそうです。

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