FreeBSD Daily Topics

2008年8月21日GiantフリーFreeBSDへ大きく前進 ≪注目≫HPS-USBマージ間近、≪注目≫MPSafe TTYレイヤマージ完了、他多数

heads-up

HPS-USB comming soon

current - 2008年8月19日(協定世界時⁠⁠、Alfred Perlstein氏はcurrent mlにおいてHEADSUP new usb code coming in.のタイトルのもとHans Peter氏が開発した新しいUSBスタック、いわゆるHPS-USBを近いうち8-CURRENTにコミットすると発表しました。Hans Peter氏が開発したUSBスタックは従来のUSBスタックよりも多くの機能をサポートし性能も優れ、Giantロックの大幅な排除にも成功していたものの、従来のUSBスタックとの互換性や試験不足などに懸念があり、これまでマージは実行されてきませんでした。

しかしながら、Alfred Perlstein氏はBSDCan 2008でもHPS-USBのマージに積極的で、すでに問題はないとしマージへの働きかけを強めていました。多くのUSBデバイスをHPS-USBに移植するなど作業を続けていました。今回、同氏らやレビューを実施したほかのコミッタの努力もあり、8-CURRENTへのマージの目処がついたということになります。

HPS-USBではスプリットトランザクションが完全にサポートされているほか、多くのUSBドライバのGiantロック排除の実現、Linux USBカーネル互換レイヤのサポート、HS ISOCトランザクションサポート(HSウェブカメラデバイスドライバの作成が容易になる⁠⁠、キャッシュフラッシュやバッファインバリデート関連で組み込みプラットフォームのサポートが可能(ARMに対応⁠⁠、USBデバイスサイドのサポート、新しいUGENバックエンドの導入(ドライバが読み込まれない問題の解決⁠⁠、新しいUSB APIの導入といった特徴があります。

HPS-USBの導入は、特に次の3つの点で注目に値します。

  1. Giantロックが残っている実装として大きな懸念対象となっていたUSBスタックがGiantロックフリーに近づく
  2. 組み込みデバイスにおけるUSBデバイスのサポートが可能になる
  3. 最新のUSB機能を活用しやすくなる

ネットワークドライバからMPSafeではないものの削除やTTYレイヤのMPSafe化、HPS-USBの導入と、FreeBSD 8はGiantロックフリーへ向けて着実に開発を進めています。Vimageの導入とともにGiant Lockフリー化またはそれに近い状態まで仕上げることはFreeBSD 8の特徴のひとつになるとみられます。

MPSafe TTY Layer

2008年8月20日(協定世界時)のコミットをもって、新しいMPSafe TTY Layerが8-CURRENTにマージされました。Ed Schouten氏が開発してきたMPSafe TTY Layerがマージされたことで、ながらくGiant Lockが排除できずにいたサブシステムの代表的なもののひとつであるTTYがGiantフリーになったことになります。HPS-USBの導入計画と合わせて記念すべきコミットといえます。

FreeBSD 8 features

最近の活発な開発の結果、FreeBSD 8の目玉となる特徴が見えてきました。今のところ次のポイントが特に大きな注目点となりそうです。

  • Vimage導入によるネットワーク仮想化機能の実現
  • HPS-USB導入によるGiantフリーの実現
  • Ed Schouten TTYレイヤ導入によるGiantフリーの実現
  • Xen DomUサポートの実現
  • ARM、PowerPC、MIPS組み込み開発の進展

実験や実装の進展があれば、これにさらにZFSを実験的サポートから正式サポートへの移行、16コア/プロセッサシステムにおけるスケーラビリティの達成などが加わるのではないかとみられます。これ以外でもすでにたくさんの改善や新機能追加が実施されており、期待できるメジャーアップグレードになりそうです。

links

ZFS Resize on FreeNAS

FreeNASにおいてRAIDZ、RAIDZ2、MIRRORED ZPOOLをリサイズするための方法がHow to resize ZFSにおいて紹介されています。ZPOOLのジオメトリの変更はできませんが、プールのディスクをより大きいものに変更したり使うことは可能とされています。

ZFS Snapshots on FreeNAS

FreeNASにおいてZFSスナップショットを定期的に実行するための方法がFreeNAS 0.7 and ZFS snapshotsにおいて紹介されています。FreeNAS 0.7ではWeb管理画面からZFSスナップショットを実行することはできませんが、スクリプトやcron(8)を使うことで定期的にスナップショットを作成することが可能です。

PC-BSD 7.0 YouTube

PC-BSD 7.0 Fibonacciをインストールする例がInstall PC-BSD 7.0 Fibonacci in 3 Minutesにおいて紹介されています。

NetBSD Journaling works well

What Do You Want? - Journaling at lastにおいてNetBSDに新しく導入されたジャーナリング機能(WAPBL)を使った場合の簡単なパフォーマンスベンチ結果が報告されています。NetBSD 4.0のソースコードを展開するというもので、FFSでは15分19秒かかったものが、ロギングが機能した状態では3分24秒で完了したと報告されています。

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