FreeBSD Daily Topics

2008年8月22日FreeBSD Flash10の噂、2008年Q2ステータスレポート、MPSAFE TTYレイヤ機能、sun4vフェードアウト、OpenOffice.orgページャo3read登場、Pidginアップデート他

heads-up

Already Adobe even has FreeBSD Flash10?

Alex Bustin氏のブログ64 bit Linux / FreeBSD Flash Player exists」に興味深い内容が掲載されています。同ブログによれば、Adobe Systemsはすでに64/32ビットの双方に向けたFreeBSD版Flash10プレーヤを持っていることになります。同氏はFlashForwardにおいてFreeBSDで動作している64ビット版Flash Player 10のデモンストレーションを目撃した他、32ビット版FreeBSD Flash Playerも見たと説明しています。

しっかりとしたリリース計画はないようですが、Adobe SystemsからFreeBSD版Flash10が公開される可能性がありそうです。

FreeBSD Quarterly Status Report

2008Q2 - 2008年第2四半期のFreeBSDステータスレポートが公開されました。目新しく興味深い取り組みを次に紹介ます。

  • 起動画面におけるグラフィカルサポート
    現在採用されているASCIIベースの起動画面をグラフィカルに変更しようという取り組みOliverFromme/BootLoader - Graphics support for /boot/loaderが紹介されています。シリアルコンソールベースでの起動といったASCIIしかサポートされない場合は従来の起動画面を表示するとして、それ以外の場合ではグラフィカルなローダを機能させます。開発はゆっくりしたペースですが、確実に進んでいるようです。

  • ipfw/pfレイヤ2フィルタリング機能改善の実現
    同取り組みの結果としてpfilフレームワークをEthernetパケットが操作できるように拡張、ipfwレイヤ2フィルタリングの簡素化、インターフェースフラグごとにl2filterおよびl2tagの追加などが実現されました。この結果、ipfwおよびpfの双方でEthernetアドレスによるフィルタリングが実現した他、Ethernetアドレスを使ったステートフルフィルタリングのサポートが実現しています。

  • パッケージビルドZFS対応
    パッケージビルドツールが変更されたデフォルトをZFSに変更しました。この変更でsrc/portsディレクトリの高速クローニングが実現されました。

 OliverFromme/BootLoader - Graphics support for /boot/loaderより抜粋 - 現在開発中のものはこれとはちょっと異なっている
図 OliverFromme/BootLoader - Graphics support for /boot/loaderより抜粋 - 現在開発中のものはこれとはちょっと異なっている

src

MPSAFE TTY layer

current - Ed Schouten氏の開発したMPSafe TTYレイヤが統合されました。結果として、次の効果が期待されます。

  • 性能の改善
    従来のGiantロック実装と比較してTTY mutexごとのスケーラビリティが改善されています。

  • ドライバモデルの改善
    従来の実装と比較してドライバの開発が簡単になっています。従来のTTYレイヤはドライバを開発するにあたって十分に抽象化されていませんでした。新しいTTYレイヤではドライバの開発に適した実装が提供されています。

  • ホットプラグの改善
    従来の実装はシステムからTTYレイヤを削除する操作が改善に安全ではありませんでした。新しい実装ではこうしたホットプラグ機能が改善されています。

新しいTTYレイヤにまだ移植されていないドライバはPCI/ISA系がcy(4), digi(4), rc(4), rp(4), si(4), sio(4)、USB系がubser(4), ucycom(4), ufoma(4)、回線制御規則系がng_h4(4), ng_tty(4), ppp(4), sl(4), snp(4)です。シリアルデバイスドライバsio(4)はすでにカーネル設定ファイルから削除され、uart(4)がシリアルポートドライバのデフォルトドライバに変更されています。衝突を避けるためuart(4)ドライバを使った場合に生成されるオンボードシリアルポートのデバイスノード名は"ttyd0"ではなく⁠ttyu0⁠になります。

sun4v fading out

current - Kip Macy氏がsun4vをサポートする時間がないことなどを理由に挙げ、sun4vのメンテナンスから手を引きたいと説明しています。他にアクティブな担当者が現れない場合はsun4vは対応アーキテクチャからはずれることになりそうです。

umass(4)

current - USBマスストレージデバイスドライバumass(4)にAlcor Card Reader (9361)のエントリが追加されました。

puc(4)

current - PCIユニバーサルコミュニケーションドライバpuc(4)にAvlab Technology PCI IO 4S-850 4ポートシリアルカード、VScom PCI-100Lカード、Decision Computer Inc, PCCOM 8ポートシリアルカードのエントリが追加されました。

ports

converters/o3read

スタンドアロンで開発されたOpenOffice.org Writer(*.sxw,*.odt)およびOpenOffice.org Calc(*.sxc)ファイルの変換ツールo3readのportが新しくPorts Collectionへ追加されました。OpenOffice.orgを使って作成されたドキュメントをターミナルでチェックする場合などに便利に使えるツールです。使用例として「unzip -p document.odt content.xml | o3totxt」が紹介されています。日本語が含まれたファイルも変換できます。

OpenOffice.orgは便利な統合オフィスアプリケーションですが、端末で作業している場合にコンテンツを確認しようとすると、端末での作業速度感覚からみるとOpenOffice.orgは起動に時間がかかってしまうため閲覧を敬遠しがちです。o3readを使うとOpenOffice.orgデータの内容チェックが簡単に行えるようになります。使用例のままでは扱いにくいので、次のようなラッパスクリプトを用意して使うと便利です。

リスト oocat(1) - o3readを簡単に実行するためのラッパスクリプト
#!/bin/sh

for target in ${@}
do
    unzip -p "${target}" content.xml | o3totxt 
done
net-im/pidgin net-im/finch net-im/libpurple

マルチプロトコルIMであるPidginのportが2.5.0へアップグレードされました。バグが修正されている他、いくつもの新機能が追加されています。

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