FreeBSD Daily Topics
2008年11月3日 U-bootにFreeBSD UFS対応機能登場 - U-bootから直接起動が可能に,NetBSD 5.0の新機能のリリースプラン,Linuxプロセス終了時競合条件バグ発見と修正
heads-up
- U-boot supports UFS directly
U-boot FFS/
UFS support においてStanislav Sedov氏がU-bootにUFSのサポートを追加したと発表しています。U-bootはこれまでFATやReiserFS,Ext2, CramFS, jffs2などのファイルシステムをサポートしていました。今回UFSのサポートが追加されたことでU-bootからUFSでフォーマットされたメディアを直接操作できるようになります。要するにUFSでフォーマットされたメディアにインストールされているFreeBSDシステムをU-Bootから直接起動できます。UFS2で試験されたようですが, UFS1でも動作するだろうと説明されています。 FreeBSDは,
FreeBSDの起動プロセスからU-bootの機能を使うという方法でU-bootに対応していました。この方法では, まずBIOSが所定の手続きでシステムを起動し, 次にFreeBSDに処理が移り, 起動途中でFreeBSDがU-bootの機能を借りながら現在の起動メカニズムで起動を実施します。この方法なら最初のシステム起動だけクリアできれば, あとはサーバであっても組み込みデバイスであっても同じ起動メカニズムが使え, 最小限のコーディングで新しい組み込みボードに対応できます。 今回U-Bootが直接UFSでフォーマットされた領域を扱えるようになったことで,
U-bootに対応した組み込みデバイスにおけるFreeBSDの起動がいっそう簡単なものになったといえます。この1年ほど, FreeBSDはPowerPC, ARM, MIPSの組み込み得デバイスへの対応を一気に進めており, U-bootのUFS対応はこの流れを後押しすることになりそうです。UFSに対応するためのパッチはU-boot FFS/ UFS support から取得できます。
src
- linux_
proc_ exit() fixed current - linux_
proc_ exit()において, 同時に複数のLinuxベースプロセスが存在する場合競合状態が発生する部分が見つかりました。ロック順序と条件チェックをより適切なものに変更することで問題が修正されています。この修正によってLinuxアプリケーションの動作が従来よりも安定化する可能性があります。STABLEブランチへのマージは1週間後が予定されています。
links
- NetBSD 5.
0 comming soon? Plans (and more) for NetBSD 5.
0d において,Hubert Feyrer氏が2008年10月30日 (協定世界時) にNetBSDアナウンスメールに投稿されたPlans for NetBSD 5. 0 について言及するとともに,次期メジャーリリースとなるNetBSD 5. 0の新機能を簡単に取り上げています。とくに目を引く新機能は次のとおりです。 - 性能が改善された新しいカーネルスレッドモデル
- FSSに対するジャーナリング機能の追加 WAPBL
- Xen 3.
3への対応とPAEドメイン/amd64ドメインの実現
NetBSD 5.
0はNetBSDのリリース史上, 最も楽しみとされるバージョンになるのではないかと見られます。とくにジャーナリング機能がFFSに追加されたことや, 短期間の間に一気に開発が行われてきた新しいカーネルスレッドモデルが導入されているなど性能向上や運用向上に欠かせない機能が実現されています。いつリリースされるかどう時期については明言されていませんが, リリースが迫ってきたことは間違いないようです。
バックナンバー
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- 2008年11月27日 Wine 1.1.8/1.19 “Invalid address”問題修正パッチ,Portsインストール高速化手法,ATAレベルで実現するソフトウェアRAID,FreeBSDに起動後5分間の脆弱性
- 2008年11月26日 仮想ネットワーク機能VImageマージ進行,df(1)に-Tオプション追加,Wine更新も“Invalid address”問題残る,Firefox 3国際版登場,cpupowerd登場他多数
- 2008年11月25日 BSDCan2009開催は2009年5月12~14日,QT 4.5プレビューarea51にg4u更新,アプリ更新求めるならPC-BSD 7
- 2008年11月20日 ≪注意≫ZFS大規模なアップデート - ZFSを使っている場合には更新注意,powered(8)改善でSMPへの適用向上 - デスクトップ向けhiadaptiveモードの導入もあり
- 2008年11月19日 FreeBSD Flash 10 64bitは存在するも開発途上,NVIDIA 180.06登場,Lynis登場,nano開発版,LLVM最新版登場,ptex更新
- 2008年11月18日 FreeBSDプロジェクト公式フォーラム登場
- 2008年11月17日 FreeBSD Foundation,支援開発にEdward Tomasz Napierala氏のリムーバブルFS化を採用
- 2008年11月14日 UTF8互換syscons(4)開発中,FFSスナップショットバッファフラッシュ改善,sendmailでTLS/Auth機能対応,HAMMERにバージョニング機能実装,NetBSD 5.0リリースサイクル開始他
- 2008年11月13日 BSD Fund - PCC 1.0登場へ向けた資本援助と国際会議資本援助を目的としたドネーション受付を会誌,PPTP VPN構築方法,RTFからLaTeX2eへ変換するツール他