FreeBSD Daily Topics
2009年1月19日 FreeBSD 7.1新機能cpuset(1)でプロセス/スレッドをCPU割当,GEOMディスクスケジューラ登場,kldpatchでデバイス活用,TCP Appropriate Byte Countingマージ,Linuxulator64パッチ登場,X.Org 7.4作業他
2009年1月19日
FreeBSD, cpuset(1), GEOMディスクスケジューラ, kldpatch, TCP Appropriate Byte Counting, Linuxulator64, X.Org, Qt, KDE
heads-up
- cupset(1) how to use
stable - current/
stable FreeBSD committer佐藤氏が,
HRS's Web PageにおいてFreeBSD 7. 1に導入された新機能の1つ, cpuset(2)/cpuset(1)を紹介しています。cpuset(2)/cpuset(1)は8-CURRENTで導入されている機能ですが, 先日リリースされた7. 1にも機能がマージされています。 cpuset(2)/cpuset(1)を使うとプロセスやスレッドを特定の論理CPUに割り当てたり,
論理CPUのグループに対して割り当てることが可能になります。今後CPUの物理特性を加味したスケジューリングを実現していくのにあたって使われる機能となります。現状でもプロセスやスレッドを特定の論理CPUに関連付けることでリソース制御を実施したり, Jailと組み合わせて利用する論理CPUを限定するといった使い方ができます。 佐藤氏の説明文書にcpuset(1)を使って実際にどういったことができるのかがわかりやすく説明されています。興味がある方は氏のドキュメントをチェックしてみてください。
- Disk Scheduler
stable - Luigi Rizzo氏がstable mlにおいてNew disk schedulers available for FreeBSDのもと,
GEOMベースで開発されたディスクスケジューラについて報告しています。興味のあるユーザに対して試験の実施と意見の提案を求めています。portとして配布できるように考慮されていますがカーネルに対して若干の追加が必要になることから, 現状ではカーネルの再構築も必要です。 New disk schedulers available for FreeBSDではディスクスケジューラを使わない場合と,
ディスクスケジューラ (RR SCHEDULER) を使った場合の簡単なベンチ結果が紹介されています。ディスクスケジューラなしではdd(1)のようなシーケンシャルアクセス書き込みとcvs(1)のようなランダムアクセスが実施された場合, dd(1)のような書き込みが優先され, cvs(1)のようなランダムアクセスは実際の使い勝手としてはとても遅くなるケースがあります。 Luigi Rizzo氏はディスクスケジューラ(RR SCHEDULER)を使うことで,
そうしたケースでもランダムアクセスがそれなりに使えるようにした例を紹介しています。 GEOMを活用したディスクスケジューラは,
サーバやワークステーションの用途に合わせたディスクアクセスを実現する方法として注目されます。 - kldpatch(8)
current - Luigi Rizzo氏がcurrent mlにおいてkldpatch updated (Re: RFC: new utility, kmodpatch)のもとkmodpatchをkldpatchと名前を変更しつつアップデートしたことを伝えています。
kldpatch(8)はカーネルモジュールのデバイス/機能テーブルの表示や編集を行うためのカーネルモジュールで,
カーネルを再構築したりシステムを再起動することなく新しいデバイスドライバを追加したり編集できるようにするための機能です。カーネルモジュールの開発や新しいデバイスのチェックに使えるカーネルモジュールです。 - TCP Appropriate Byte Counting
current - Lawrence Stewart氏がHEADS UP: imminent TCP ABC commitにおいて向こう2日間の間に8-currentへTCP Appropriate Byte Counting (ABC)パッチをマージする旨を公表しています。これはFreeBSD Foundationの支援のもと
“Enhancing the FreeBSD TCP Implementation” プロジェクトの一環として取り組まれているものです。コミットされたあとはデフォルトでこの機能が有効になります。 ABCパッチはtcpcb構造体のサイズを変更することになるため,
マージされたあとはバイナリインターフェースの互換性がなくなることになります。tcpcbのサイズに依存したコードを使っている部分は再構築の必要がでます。 - Linuxulator64 Status
current - freebsd-emulartor mlにおいてChagin Dmitry氏がlinux x86_
64エミュレーションを実現するためのパッチを紹介 しています。興味があるユーザやデベロッパに対して同パッチをベースとした試験や提案などが求められています。
ports
- X.
Org 7. 4 comming Florent Thoumie氏が自身のブログにおいてXorg 7.
4 experimental build has started のもとX.Org 7. 4の実験的なビルドをはじめたことを伝えています。まだしばらく時間がかかることになると見られますが, 近い将来X. Orgのportが現在の7. 3.xベースから7. 4.xベースへ更新されるとみられます。 - Qt 4.
4.3 and KDE 4. 1.4 Ports CollectionのKDE4/
QtがそれぞれKDE 4. 1.4およびQt 4. 4.3へアップグレードされました。
links
- YouTube - bsdconferences's Channel
jp.
youtube. に新しく次の1つのビデオが追加されました。com/ profile?user=bsdconferences"">YouTube - bsdconferences's Channel “The Design and Implementation of the FreeBSD Operating System” をベースにしてMarshall Kirk McKusick氏が実施している授業の内容の最初の1時間を掲載したものです。 FreeBSD Kernel Internals, Dr. Marshall Kirk McKusick
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