heads-up
- NetBSD 5.
0 released Soren Jacobsen氏は2009年4月29日
(米国時間)、 NetBSD 5. 0のリリースを発表しました。NetBSD 5. 0は従来のバージョンと比較してマルチコア/ プロセッサシステムにおけるパフォーマンスとスケーラビリティが大幅に改善されています。1:1スレッドモデルをベースとしたスレッドサブシステムの再実装、 新しいカーネル同期プリミティブの実現、 カーネルプリエンプションの実現、 スケジューラの再実装、 プロセッサセットの実装、 スレッドアフィニティの実装、 コンカレンシを向上させるために各種サブシステムの改善が実施されています。 これ以外にもFSSにおけるメタデータジャーナリングの実現
(WAPBL: Write Ahead Physical Block Logging)、 jemallocアロケータの導入、 PMF (Power Management Framework) の導入、 ACPIサスペンド/レジュームの改善、 UDFファイルシステムの書き込みサポートの追加、 RUMPの導入、 i386/ amd64におけるXen 3. 3のサポートなどが実施されています。SMPにおける性能の大幅な向上と注目の機能が多数導入された注目のリリースといえます。 Andrew Doran氏がまとめたプレゼンテーション資料Introducing NetBSD 5.
0 によれば、Xeon E5320 8コアでhackbench IRC server simulation、 MySQL 5. 051a sysbench OLTP、 ビルドベンチの結果は、 NetBSD 5. 0がNetBSD 4. 0、 FreeBSD 7. 1、 Fedore Core 10と同等がそれよりも優れた性能を発揮していることが紹介されています。 NetBSD 6.
0における機能としてはネットワークスタックのコンカレンシの向上、 x86における255コアのサポート、 ZFSの移植、 ファイル/仮想メモリサブシステムにおける性能改善とスケーラビリティ改善、 カーネルのモジュール化推進、 バイナリパッチやアップグレードのサポート、 NFSクライアントの性能改善などが挙げられています。 - Porting D to FreeBSD
D言語の開発者であるWalter Bright氏がDobb's Code Talkにおいて、
Porting D to FreeBSDのタイトルのもと、 D言語をFreeBSDへ移植することになった経緯やその過程を紹介しています。なかなかおもしろい内容です。 彼の所属する企業Digital MarsのWebはFreeBSDでホスティングされています。このため、
管理者であるJan Knepper氏にFreeBSDに取り組んでみてはどうかと再三言われていたそうです。Walter Bright氏はD言語をMac OS Xへ移植を6週間かけて実施。この移植作業中に、 Mac OS XがBSDベースで構築されていることを知り、 これをきっかけにしてFreeBSDへの移植を開始したと説明しています。 Walter Bright氏は古くなったPCがFreeBSD Boxとして再利用できないものかと物色。古いPCに実際にインストールして問題なく動作をはじめ、
こんな古い、 メモリの少ないPCでまともに動くもんだなぁという感想が述べられています。実際に移植作業を開始すると、 バイナリ形式はLinuxと同じだし、 ABIやヘッダファイルはMac OS Xと同じであるため、 Linux/ Mac OS Xでの移植作業を組み合わせて作業をおこなったと説明されています。主な作業はだいたい3日間くらいだと説明されています。 ランタイムライブラリがまだ流動的な状態にあるため、
D 2. 0の登場は遅れる見通しです。このためD 2. 0におけるFreeBSDサポートもさらに先になる見通しです。FreeBSDに移植されたD 1. 0 (1. 043 latest) はDownloads - D Programming Launguageからダウンロードできます。