heads-up
- HAST Project
project - The FreeBSD FoundationはPawel Jakub Dawidek氏が取り組むHASTプロジェクトへ支援を実施すると発表しました。このプロジェクトはOMCnet Internet Service GmbHおよびTransIP BVが開発を支援しているプロジェクトでもあると説明があります。
HASTはGEOMクラスでブロックレベルの同期レプリケーションを実現するものです。TCP/
IPを経由して動作し、 迅速な障害復帰を実現することを目指しています。GEOMクラスとして提供されるためアプリケーションやファイルシステムに依存することなく、 さまざまなストレージに対して透過的なレプリケーションを提供することになります。ほかのGEOMクラスとの組み合わせも可能です。現在提供されているGEOMクラスであればggateとgmirrorを組み合わせてこれを実現することになりますが、 HASTは高信頼性を必要とするストレージシステム向けに専用のレプリケーションクラスとして実装されることになります。 HASTの目標が実現された場合、
たとえばZFSで大規模ストレージシステムを構築し、 HASTでデータのレプリケーションを保持するということができるようになります。この場合、 たとえマスターノードに故障が発生したとしても、 即座にスレーブノードが使われ、 データの損失が発生しないという状況が実現できます。FreeBSDとZFSの組み合わせで大規模ストレージシステムを構築する例もあり、 そうした用途における信頼度をさらに引き上げる機能として期待されます。 Pawel Jakub Dawidek氏はeli, mirror, gate, label, journal, hsecなどいくつものGEOMクラスを手がけているFreeBSD開発者であるとともに、
ZFSをFreeBSDに移植した開発者でもあります。HASTプロジェクトは2010年2月の完了が予定されています。 - Flattened Device Tree Technology Project
project - The FreeBSD FoundationはRafal Jaworowski氏が取り組むFlattened Device Tree Technologyプロジェクトへの支援を実施すると発表しました。プロジェクトは2010年2月の完了が予定されています。このプロジェクトが成功した場合、
FreeBSDの多種多様な組み込みデバイスへの展開が以前よりも容易に進められるようになります。 組み込みデバイスは同じチップを搭載していても、
バスの構成や周辺機器の構成などがデバイスごとに微妙に違うという状況になっています。またPCIのように番号付けが難しく、 不可付番なバスになっていることがあり、 既存の仕組みをそのままでは適用できないという特徴があります。FDTはOpen Firmware IEEE 1275 デバイスツリーの概念やePAPRの考え方を取り込んだもので、 対応を容易にする目的があります。 具体的にはあらかじめデバイス情報をカーネルに組み込んでおくのではなく、
システム起動時にカーネルが読み込んでデバイスを処理できるようにするための仕組みです。デバイス情報は可読なテキストファイルに書いておき、 それをコンパイルすることでカーネルが読み込める状態にしておきます。こうすることで多種多様な組み込みデバイスへの対応を実現しつつ、 既存のシステムを使えるようにします。