FreeBSD Daily Topics
2010年4月13日 GEOM IOスケジューラ登場,用途に適したIOスケジューラで性能向上
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- GEOM Disk IO scheduler
current - 2010年4月12日
(協定世界時) に9-CURRENTに実施されたコミット (Revision 206497) でGEOM Schedulerがマージされました。GEOM SchedulerはGEOMクラスでIOスケジューリングを提供するというもので, 昨年のBSDCan 2009で発表された取り組みです。EuroBSDCon 2009でも発展的な発表がありました。Fabio Checconi氏とLuigi Rizzo氏によって開発されたものです。 BSDのIOスケジューラは基本的にIOオフセットを相殺し,
特定範囲内の作業においてより多くのIOが処理できるようにするメカニズムになっています。GEOM SchedulerはGEOMクラスでIOスケジュールを提供するというもので, 従来のIOスケジューリングに固定されることなく, デバイスやファイルシステム, 用途などに特化したスケジューリングを柔軟に提供できるようになるという特徴があります。 Revision 206497のコミットではスケジューラのひとつとしてgsched_
rrも追加されています。これはランダムアクセスのような場合のパフォーマンスを引き上げるスケジューラです。ランダムアクセスがおもに実施されるようなシーンに適用するとパフォーマンスの向上が期待できます。 ZFSはそれ自身がIOスケジュールの機能を持っているため,
GEOM Shedulerの必要性は低いと言えます。UFS2を採用している場合に活用できるメカニズムとなります。また, 特定のディスクの用途が決まりきっているケース (小さいファイルのランダムアクセス, 大規模ファイルの読み込みのみ, 大規模ファイルの書き込みのみ) では, それに適したスケジューラを採用することでパフォーマンスの向上が期待できるという特徴があります。
バックナンバー
FreeBSD Daily Topics
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