2010Q1 FreeBSD Status Reportが公開されました。報告されている中から、
- FreeBSD/
powerpc Apple XServe G5がパッケージビルドのためにPeter Grehan氏から寄贈されました。この最近の2ヶ月の価値のあるテストの結果、
多くのコミットが実施され安定性が向上したと報告されています。またこうした成果もあって、 初のpowerpc-8完全パッケージビルドに成功したとあります。i386-8のパッケージ総数が19,885であるのに比べると、 lang/ python25など影響の大きいパッケージの構築に失敗しているためパッケージ総数は10,918と半分ほとにとどまっていますが、 大きな進歩と言えます。今後ビルドできないパッケージごとに個別の修正が実施されることになります。 - FreeBSD/
powerpc64 port 64ビットPowerPCへのFreeBSDへの移植が完了し、
すぐに9-CURRENTへマージされました。リリースでの登場はFreeBSD 9. 0-RELEASEになると見られます。現在のところIBM POWER4-7、 PowerPC 970 (G5)、 Cell Broadband EngineなどのSLBベースの64ビットサーバCPUがサポートされているとのことです。マシンサポートはAppleのシングルおよびダブルプロセッサG5システムに限定されていますが、 将来的にはIBM Power SystemsサーバおよびソニーPlayStation3のサポートが予定されています。 - FreeBSD/
sparc64 Sparc64関係のバグ修正とサポート追加が継続されています。報告によると新しくUltraSPARC-IVおよびUltraSPARC-IV+のサポートが追加されたとあります。この変更は次のリリースとなる8.
1-RELEASEおよび7. 4-RELEASEに取り込まれる見通しです。なおこのサポート追加の結果、 Sun Fire V890のサポートも追加されたことになると説明があります。ただし、 パフォーマンスはまだ期待されるところまでは発揮できていないとのことです。Sun Fire V1280のサポートは継続して取り組まれており、 ネットブートまではたどり着いたと説明があります。ただしまだまだ安定性に課題があると説明があります。 - The tbemd branch
現在のビルドシステムは対象がビッグエンディアンのMIPSやARMプロセッサであったとしてもTARGET_
BIG_ ENDIANが定義されていることを要求しますが、 これだとTARGET_ BIG_ ENDIANの指定がない場合には適切なバイナリを生成できない問題があると報告されています。とくにBSD Makeを利用しないPorts Collectionからビルドされるアプリケーションで正しくバイナリが生成できない問題があると指摘されています。 この問題を解決するために、
MACHINE_ ARCH=mipsの指定をMACHINE_ ARCH=mipsel、 MACHINE_ ARCH=mipseb、 MACHINE_ ARCH=mips64eb、 MACHINE_ ARCH=mips64elとより細かくすること、 ARMの指定をMACHINE_ ARCH=arm、 MACHINE_ ARCH=armebに分けること、 シングルソースからビルドできるようにさらたに新しくMACHINE_ CPUARCHの指定を取り込むことといった取り組みが進められていることが紹介されています。