FreeBSD Daily Topics
2010年8月4日 2010Q2報告: LLVM Clangをベースシステムへマージ,Chromium Ports Collection報告
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2010Q2 FreeBSD Status Reportが公開されました。報告されている中から興味深い話題を簡単に紹介します。
- Chromium Web Browser
Google Chromeのオープンソースソフトウェア版であるChromiumの移植状況が報告されています。すでに数ヵ月前にChromiumのportは提案されていますが,
法的な問題で後はFreeBSD Foundationから許可がでるまで待機という状況にあります。また, タスク管理機能の一部やエクステンションの対応など移植を完成させるべき部分がいくつか残っていると報告されています。 ChromiumはそのほとんどがBSDライセンスのもとで開発されており,
動作も軽量で扱いやすいと興味を引いています。開発は進んでいるものの法的にクリアすべきことがあるため, 現段階ではどのタイミングでPorts Collectionに登録できるかは不透明な状況です。 - Clang Replacing GCC in the Base System
FreeBSD 9-CURRENTへLLVM Clangがマージされました。今のところi386,
amd64, powerpcのアーキテクチャで動作します。カーネルやシステムのビルドにLLVM Clangを使うための変更はまだマージされていません。 FreeBSD 9-CURRENTにマージされているLLVM Clang
% which clang clang++ /usr/
bin/ clang /usr/ bin/ clang++ % clang --version FreeBSD clang version 2. 8 (trunk 108428) 20100720 Target: x86_ 64-undermydesk-freebsd9. 0 Thread model: posix /home/ daichi% clang++ --version FreeBSD clang version 2. 8 (trunk 108428) 20100720 Target: x86_ 64-undermydesk-freebsd9. 0 Thread model: posix % Roman Divacky氏とMatthew Fleming氏がLLVMを使ったアセンブラツールの開発を進めており,
現在採用している古いGNU as(1)などから新しいツールへ移行する作業が進められていることも伝えられています。 GCCのライセンスがGPLv3に変わったため,
FreeBSDはGPLv2でリリースされた最後のバージョンGCC 4. 2.1を使い続けていますが, すでに古く, 新しいツールへの移行が望まれています。BSDライセンスで開発され性能も優れたLLVMは, FreeBSDの次のデフォルトのビルド環境としてもっとも有力と見られています。
バックナンバー
FreeBSD Daily Topics
- 2010年8月31日 FreeBSDリソース制御メカニズム「リソースコンテナ」の導入
- 2010年8月30日 Ports Collection,ビルドクラスタ性能向上
- 2010年8月27日 ハイスピードネットワーク向けパケットキャプチャ実装ringmap
- 2010年8月25日 新インストーラバックエンドpc-sysintall(8)導入
- 2010年8月24日 Chromium 7,FreeBSD 8および9向け版限定公開(今週のみの提供)
- 2010年8月20日 VFSネームキャッシュの改善とディレクトリキャッシュの実装
- 2010年8月19日 第6回gihyo.jp FreeBSD勉強会開催告知 ~FreeBSD,ここで使っていますライトニングトーク~
- 2010年8月17日 Ports CollectionをClangでビルドする取り組み,カーネルイベントタイマインフラストラクチャ
- 2010年8月16日 汎用DMAフレームワーク,GEOMベースソフトウェアATA RAID,汎用入出力フレームワークGPIO
- 2010年8月13日 FreeBSD/powerpc64,FreeBSD/sparc64,FreeBSD/avr32移植状況報告