2011Q1 FreeBSD Status Reportが公開されました。報告されている中から興味深い話題を紹介します。
- Five New TCP Congestion Control Algorithms for FreeBSD
current - 新しく5つのTCP輻輳制御アルゴリズムをFreeBSDに追加するプロジェクトが完成したことが報告されています。今回のプロジェクトの成果物はすでにFreeBSD 9-CURRENTにマージされています。マージされたコードは次のとおりです。
- モジュラ型輻輳制御フレームワーク
- カーネルヘルパーフレームワーク
(Khelp) - ヘルパーフックフレームワーク
(Hhook) - TCPスタックとKhelp/
Hhookの基本的な統合 - エンハンスラウンドトリップタイム
(Enhanced Round Trip Time; ERTT) Khelpモジュール - NewReno、
CUBIC、 H-TCP、 Vegas、 Hamilton-Delay、 CAIA-Hamilton-Delayのモジュール実装
関連マニュアルはcc(4)、
cc_ newreno(4)、 cc_ cubic(4)、 cc_ htcp(4)、 cc_ vegas(4)、 cc_ hd(4)、 cc_ chd(4)、 h_ ertt(4)、 cc(9)、 khelp(9)、 hhook(9)となります。 新しい実装を使うことでどの程度の性能差があるかは論文
「Evaluating the FreeBSD 9. x Modular Congestion Control Framework’s Performance Impact (PDF) 」にまとまっています。8系へはFreeBSD 8. 3-RELEASEまでを目処にマージを実施したいと説明があります。