FreeBSD Daily Topics
2011年6月17日 GEOMベースの新しいRAIDクラスを活用 - FreeBSD 9からはataraid(4)ではなくgraid(8)
2011Q1 FreeBSD Status Reportが公開されました。報告されている中から興味深い話題を紹介します。
- GEOM-based ataraid(4) Replacement - geom_
raid current - FreeBSD 9-CURRENTに新しく追加された
「GEOM RAIDクラス」 が報告されています。これは従来, ataraid(4)で提供されてきたBIOSベースのソフトウェアRAIDを置き換えるために導入された機能です。Cisco SystemsおよびiXsystemsの支援のもとで開発されています。 FreeBSD 9は従来のata(4)サブシステムを廃止し,
かわりにCAMにATAの機能を統合します。ATAをCAMサブシステムのもとで一元的に扱えるようになります。ataraid(4)はata(4)サブシステムに依存する形で開発されていたため, 結果的に9以降はデフォルトでは使えなくなります。GEOM RAIDクラスはこれを解決するためにGEOMクラスとして開発されたRAID機能です。ATAのディスクドライバとも, CAMのディスクドライバとも組み合わせて利用することができます。 現在のところ,
メタデータフォーマットとして実装されているのはIntel, JMicron, NVIDIA, Promise (AMD/ ATI), SiliconImageです。サポートされているRAIDレベルはRAID0, RAID1, RAID1E, RAID10, SINGLE, CONCATとなります。 どのRAIDレベルを採用しても,
どのメタデータフォーマットを使用しても 「読み込み, 書き込み, 作成, 削除, ディスク挿入, ディスク外し, 再構築, 不正シャットダウン検出と再同期, 不良セクタリカバリ, 障害ディスクトラッキング, ホットスペアディスク」 といったボリューム操作のすべてのサイクルがサポートされます。IntelまたはPrimiseフォーマットに対してはさらにディスクセットごとのマルチボリュームもサポートされています。 GEOM RAIDクラスの操作はgraid(8)から実施します。操作の詳しい内容はgraid(8)のオンラインマニュアルをご覧ください。今後の開発としては,
まだサポートしていないフォーマット (DDF, Highpoint, VIAなど) 向けメタデータモジュールの実装, まだサポートしていないRAIDレベル (RAID5など) を実現するための変換モジュールの実装などが挙げられています。
バックナンバー
FreeBSD Daily Topics
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- 2011年6月17日 GEOMベースの新しいRAIDクラスを活用 - FreeBSD 9からはataraid(4)ではなくgraid(8)