FreeBSD Daily Topics

2011年11月4日現行パッケージシステムの問題点

eurobsdcon

problems of current Package system

FreeBSDのアプリケーション管理システムはPorts Collectionを基本としています。Ports Collectionはバージョンやブランチという概念を持たず、常に最新版という仕組みを採用しています。FreeBSDのリリースに合わせてフリーズフェーズが設けられ、リリースに向けたまとめの作業が実施されます。

Ports Collectionから生成されるバイナリパッケージ集が「Pacakges」です。基本的にリリースに対して提供されます。ビルド済みなので簡単にインストールできるという特徴があります。初心者のほとんどは、Packagesを使ってアプリケーションのインストール作業をしたことがあるでしょう。

このように、もともとアップデートを考えた作りにはなっていないので、Packagesベースでアプリケーションのアップデートなどを実施しようとすると、なにかと問題が起こります。そういった場合にはPorts Collectionを使うのが一般的な対処方法ですが、ただ使えればいいだけの初心者ユーザであったり、業務で安定して動作してくれればいい企業ユーザにとっては、すべてコンパイルするというのは面倒な作業でもあったりします。

また、管理する対象が1、2台程度ならまだしも、これが10台20台と増えていった場合、Ports Collectionベースの管理方法はそのままでは面倒になってきます。毎日全PCがアプリケーションのビルドをするというのは、考えてみると不毛な部分があります。バイナリベースのパッケージ管理システム、とくにアップグレードが考慮された仕組みが必要です。

バイナリベースのパッケージ管理システムとしてはPC-BSDのPBIが一歩先に進んでいますし、FreeBSDでも利用できるようになりました。しかし、Ports committersもPackagesそのものを改善する取り組みを進めており、今回のFreeBSD DevSummitでもこの点に焦点を当てて議論が実施されました。

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