FreeBSD 10-CURRENTにVirtIO関連の実装とカーネルモジュールが追加されました。仮想環境で動作するFreeBSDの性能を引き上げる重要な実装となります。
VirtIOは準仮想化の仕様です。従来の仮想環境ではディスクコントローラやEthernetデバイスを仮想化環境がエミュレートして提供していますが、この方法は効率が悪いところがあります。VirtIOはゲスト-ホスト間(仮想マシン―ハイパーバイザ間)で効率の良いインターフェースを規定するもので、より効率の良いEthernetデバイスやブロックデバイス、メモリ管理の実現を目指すものです。
sys/dec/virtio、sys/dev/vte、sys/modules/virtioに実装がまとまっています。
最新の10-CURRENTでは/boot/kernel/に次のカーネルモジュールが生成されることを確認できます。
VirtIOに対応した仮想環境に、VirtIOに対応したOSをインストールすることでこの機能を活用できます。たとえばKVM/QEMUにFreeBSD 10-CURRENTをゲストOSとしてインストール、VirtualBoxにFreeBSD 10-CURRENTをゲストOSとしてインストールする場合など、VirtIOによる性能の向上を確認できます。ケースによっては大幅な性能の向上となります。